フィデリティ・インターナショナル、ESGアナリスト・サーベイ結果を公表

ネット・ゼロ達成にはさらなる企業努力が不可欠

フィデリティ投信株式会社

フィデリティ・インターナショナルは3回目となるESGアナリスト・サーベイを行い、ネット・ゼロを達成するために企業がとるべき行動と現状との間に、未だ大きなギャップがあるという厳しい現実が明らかになりました。

·         国連で合意された2050年ネット・ゼロ排出目標に向かって順調に前進している企業は60%未満

·         規制は企業行動に変化を促す最も効果的な手段の1つ

·         中国企業におけるESGへの注力度は着実に上昇


フィデリティ・インターナショナル (以下 「フィデリティ」)は、3回目となるESGアナリスト・サーベイの結果を公表し、ネット・ゼロを達成するために企業がとるべき行動と現状との間には、未だ大きなギャップがあるという厳しい現実が明らかになりました。


フィデリティのESGアナリスト・サーベイでは、約15,000社からボトムアップで情報を集約した世界中の拠点のアナリストの見解を検証し、重要なESGトレンドを分析しています。


2030年のネット・ゼロ達成はほとんどの企業で非現実的

サーベイによると、国連で合意された2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロ(ネット・ゼロ)を達成する目標に向けて順調に前進している企業は60%に満たず、より野心的な目標である2030年までの達成を予定している企業はわずか4社に1社です。

一方で、2050年までの目標達成に必要な資金を既に織り込んでいる欧州企業が69%存在するという数値が示すように、良好な進展も見られますが、さらなる加速が必要です。技術面や目標と行動の間のギャップ、資金の不足など、大きな難題も残っています。


2030年のネット・ゼロ達成はほとんどの企業にとって非現実的 (図表1)

質問: 「2030年までにネット・ゼロを達成するのに十分な設備投資を行っている担当企業の割合を教えてください。」


ほとんどの企業はネット・ゼロを達成するために十分な投資を行っていない(図表2)

質問: 「各年までにネット・ゼロを達成するために十分な設備投資を行っている企業の割合を教えてください。」


政府による規制がESGの真の変化を促す

今年のESGアナリスト・サーベイで明らかになった最も重要な結果の1つは、企業の行動を変えるうえで政府の規制が効果的であるという点です。投資家、消費者、従業員、そして競合他社、すべてのステークホルダーにそれぞれ果たすべき役割がありますが、規制こそが企業に最大の影響を与えるもののようです。当社のアナリストの60%以上が、規制は環境、社会、ガバナンスの慣行の変化を促すうえで最も重要な方法のトップ3の1つであると答えています。

アナリストはまた、投資家のエンゲージメントと株主権の行使がガバナンスの変化を促す最も効果的な方法であり、約半数はエンゲージメントを環境と社会的慣行を改善するためのトップ3の方法の1つとして回答しています。

 

ESGの実践を企業に促す最も有効な方法(図表3)

質問: 「今後12ヵ月の間に、どのようなことが(アナリストが)担当する企業の環境対策 / 社会的慣行 / ガバナンスに変化を促すと思いますか?」図表は各質問で最も重要な上位3つに選ばれた方法の割合。


フィデリティ・インターナショナルのスチュワードシップとサステナブル投資のグローバル・ヘッドであるジェン・ホイ・タン は、「ESGアナリスト・サーベイでは、企業がネット・ゼロに向けた計画が十分かどうかを問いましたが、答えは未だ不十分で、横断的な努力が必要であることがわかりました。ネット・ゼロ目標と現実のギャップを埋めるためにはさらなる資金、技術革新、規制など、多くの課題解決が必要です。しかし企業単独では目標は達成できません。政府の政策決定者や、金融セクターも投資家のエンゲージメント、株主権の行使、資産配分など通じ、ネット・ゼロへの移行を可能にする環境づくりに重要な役割を果たします。」とコメントしています。


中国の状況

中国については、全体的に取り組みを始めたばかりで楽観視している傾向がありますが、低い水準ではあるものの、中国企業のESGに対する関心は最近着実に上昇しています。習近平国家主席が2030年までにCO2排出量はピークとなり、2060年までにネット・ゼロを達成するという公約を発表した2020年以降、企業の間で対応への緊急性が高まっています。

タンは次のように付け加えています。 「中国は特に温室効果ガスの排出削減に関して、最も多くの改善が期待できる地域です。前向きな進展は見られますが、国が掲げる排出量削減目標に追いつくためには、中国企業は多くのことを迅速に実施し、目標のレベルに追いつく必要があることもサーベイで示されています。当社の中国セクターのアナリストによると、対象企業のうちネット・ゼロに向けた目標を設定している企業は、4分の1ほどで世界平均の半分強にすぎません」。


ネット・ゼロ目標に追いつく中国企業(図表4)

質問:「担当企業の何パーセントがネット・ゼロ達成の目標を持っていますか?」


英文レポートは以下リンクよりご覧ください。

fidelityinternational.com/editorial/fidelity-answers/esg-analyst-survey-2023-mind-the-gap-en5/


以上


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会社概要

フィデリティ投信株式会社

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業種
金融・保険業
本社所在地
東京都港区六本木7-7-7 TRI-SEVEN ROPPONGI
電話番号
-
代表者名
デレック・ヤング
上場
未上場
資本金
-
設立
1986年11月