「MEBGEN™ AZF Deletion キット」製造販売承認取得のお知らせ
株式会社医学生物学研究所(取締役社長 山田 公政)は、PCR-rSSO(polymerase chain reaction-reverse sequence specific oligonucleotide)法*¹に基づいて、Y染色体の微小欠失の有無を判定する体外診断用医薬品「MEBGEN™ AZF Deletion キット」の製造販売承認を2022年1月14日付で取得しましたので、お知らせいたします。
本キットは男性不妊症において、顕微鏡下精巣内精子採取術(microdissection testicular sperm extraction, micro-TESE)*²を行う前に日本人男性のAZF(Azoospermia Factor)欠失の有無やその欠失の種類を判定することができ、Y染色体微小欠失検査に有用です。
本キットは男性不妊症において、顕微鏡下精巣内精子採取術(microdissection testicular sperm extraction, micro-TESE)*²を行う前に日本人男性のAZF(Azoospermia Factor)欠失の有無やその欠失の種類を判定することができ、Y染色体微小欠失検査に有用です。
造精機能障害によって無精子症や乏精子症となった男性不妊症では、顕微鏡下精巣内精子採取術を用いて、精巣内から直接精子を採取し、卵細胞質内精子注入法(intracytoplasmic sperm injection, ICSI)*³などに用いる治療が行われることがあります。このような治療により、無精子症や乏精子症でも挙児を得られる可能性がある一方で、精巣を切り開いて精子を探索するmicro-TESEは侵襲性が非常に高く、micro-TESEを実施しても精子が回収できない場合もあることが課題となっています。
micro-TESEを実施しても精子が得られない理由の一つとして、Y染色体微小欠失が知られています。ヒトのY染色体の長腕にはAZF領域と呼ばれる領域があり、そこには精子形成に重要な遺伝子がコードされています。AZF領域に欠失が生じた場合、精子形成に関連する遺伝子が失われている可能性があり、造精機能に影響を及ぼすことが報告されています。
Y染色体微小欠失検査とは、このAZF領域の遺伝子欠失の有無を調べる検査のことを指します。一部のAZF欠失では、micro-TESEを行っても精子回収の見込みが極めて低いことが知られており、micro-TESEの実施前にY染色体微小欠失検査を行うことは一般社団法人日本生殖医学会の「生殖医療ガイドライン」*⁴においても強く推奨されています。
弊社では、本キットを今後、体外診断用医薬品として発売することにより、生殖補助医療に貢献してまいります。
Polymerase Chain Reaction - Reverse Sequence-Specific Oligonucleotide 法を原理とした測定方法。PCR とハイブリダイゼーションにより遺伝子変異を検出する。検出にはフローサイトメトリーを基盤とする技術を用いる。
*² 顕微鏡下精巣内精子採取術(microdissection testicular sperm extraction, micro-TESE):
ICSIに使用するための精子を精巣内から回収する方法の1つ。micro-TESEでは、手術用顕微鏡を用いて、精巣内全体をくまなく探索し、精子を回収する。
*³ 卵細胞質内精子注入法(intracytoplasmic sperm injection, ICSI):
顕微鏡下で卵子の中に精子を注入する方法。ICSIでは、最初に精子の不動化を行ったのち、細い針で吸い、卵子に刺す。その後、卵子の細胞膜を穿破し、細胞質内に精子を注入する。精巣や精巣上体から外科的に採取した精子を治療に使用する場合は、ICSIを行うことが推奨されている。
*⁴ 一般社団法人日本生殖医学会「生殖医療ガイドライン」 杏林舎 2021年11月発行
臨床検査薬事業では、自己免疫疾患、がん、感染症等の検査薬の開発・販売を行っています。自己抗体診断分野では日本国内トップメーカーとして製品ラインナップの充実を図り、難治性疾患の多い当該分野の医療に貢献しています。がん診断分野では医薬品の効果を予測するコンパニオン診断薬を開発し、個別化医療に貢献しています。https://www.mbl.co.jp/?pr20220126
本社所在地 〒105-0012 東京都港区芝大門2丁目11番8号 住友不動産芝大門二丁目ビル
電話 03-6684-6860(代表)
問合せフォーム https://ivd.mbl.co.jp/diagnostics/inq/index.html?pr20220126
担当 遺伝子事業推進部
以上
micro-TESEを実施しても精子が得られない理由の一つとして、Y染色体微小欠失が知られています。ヒトのY染色体の長腕にはAZF領域と呼ばれる領域があり、そこには精子形成に重要な遺伝子がコードされています。AZF領域に欠失が生じた場合、精子形成に関連する遺伝子が失われている可能性があり、造精機能に影響を及ぼすことが報告されています。
Y染色体微小欠失検査とは、このAZF領域の遺伝子欠失の有無を調べる検査のことを指します。一部のAZF欠失では、micro-TESEを行っても精子回収の見込みが極めて低いことが知られており、micro-TESEの実施前にY染色体微小欠失検査を行うことは一般社団法人日本生殖医学会の「生殖医療ガイドライン」*⁴においても強く推奨されています。
弊社では、本キットを今後、体外診断用医薬品として発売することにより、生殖補助医療に貢献してまいります。
- 注釈
Polymerase Chain Reaction - Reverse Sequence-Specific Oligonucleotide 法を原理とした測定方法。PCR とハイブリダイゼーションにより遺伝子変異を検出する。検出にはフローサイトメトリーを基盤とする技術を用いる。
*² 顕微鏡下精巣内精子採取術(microdissection testicular sperm extraction, micro-TESE):
ICSIに使用するための精子を精巣内から回収する方法の1つ。micro-TESEでは、手術用顕微鏡を用いて、精巣内全体をくまなく探索し、精子を回収する。
*³ 卵細胞質内精子注入法(intracytoplasmic sperm injection, ICSI):
顕微鏡下で卵子の中に精子を注入する方法。ICSIでは、最初に精子の不動化を行ったのち、細い針で吸い、卵子に刺す。その後、卵子の細胞膜を穿破し、細胞質内に精子を注入する。精巣や精巣上体から外科的に採取した精子を治療に使用する場合は、ICSIを行うことが推奨されている。
*⁴ 一般社団法人日本生殖医学会「生殖医療ガイドライン」 杏林舎 2021年11月発行
- 【株式会社医学生物学研究所について】
臨床検査薬事業では、自己免疫疾患、がん、感染症等の検査薬の開発・販売を行っています。自己抗体診断分野では日本国内トップメーカーとして製品ラインナップの充実を図り、難治性疾患の多い当該分野の医療に貢献しています。がん診断分野では医薬品の効果を予測するコンパニオン診断薬を開発し、個別化医療に貢献しています。https://www.mbl.co.jp/?pr20220126
- 本リリースに関するお問い合わせ:
本社所在地 〒105-0012 東京都港区芝大門2丁目11番8号 住友不動産芝大門二丁目ビル
電話 03-6684-6860(代表)
問合せフォーム https://ivd.mbl.co.jp/diagnostics/inq/index.html?pr20220126
担当 遺伝子事業推進部
以上