SUN METALON、シリーズA 1stクローズで総額31億円を日米の投資家・金融機関より調達

低コスト・低 CO2を実現する独自加熱技術により、金属業界の脱炭素化を先導

株式会社SUN METALON

2024年10月3日 10時00分

金属業界の脱炭素化を推進するSUN METALON Inc.（以下、SUN METALON）は、日米の投資家および金融機関より、総額31億円の資金調達を実施したことをお知らせいたします。シリーズA 1stクローズにて、JICベンチャー･グロース･インベストメンツ、HITE Hedge Asset Management、住友商事グローバルメタルズに加え、既存投資家である東京大学エッジキャピタルパートナーズ（UTEC）、グロービス・キャピタル・パートナーズ、D4V、i-nest capital、Scrum Ventures、Berkeley SkyDeckを引受先とする約26億円※1（1,768万ドル）の第三者割当増資を実施するとともに、三井住友銀行から5億円を上限とする融資枠の設定を行いました。今回の資金調達により、創業からの投融資による累計調達額（融資枠を含む）は約45億円となります。

※1 1米ドル＝145円で換算

SUN METALONの概要

SUN METALONは、金属業界の脱炭素化を推進するディープテックスタートアップです。低コスト、低CO2、省スペースを特徴とする独自の金属加熱技術によって、金属の製造・リサイクルにおけるCO2排出量を大幅に削減し、より効率的な循環型サプライチェーンを実現します。2021年の創業以来、アメリカと日本を拠点に事業を展開しています。

SUN METALONの事業展開

SUN METALONは、製造工程におけるCO2排出量を大幅に削減した金属の製造・リサイクルを実現する技術とソリューションを提供してきました。当社は、独自の金属加熱技術を応用し、金属廃棄物から不純物を除去することで高純度素材としての再利用を可能にする金属リサイクルのプロセスにおいて、従来よりも安価で環境負荷の少ない手法を確立しています。これらの技術を自動車、建機、重工、製鉄メーカー等、幅広い業界に提供し、産業の脱炭素化の推進に貢献しています。

2024年春には米国にあるSUN METALONの自社プラントを拡張。米国パートナーとの協業および金属の製造・リサイクル拠点として本格稼働を開始しました。さらに、独自開発の金属加熱技術に関する特許を国内外で取得・出願しております。

資金調達の背景

金属業界は有史以来、人類の発展を根本から支える基盤産業でありますが、現在、脱炭素化の実現と循環型サプライチェーンへの転換という2つの大きな課題に直面しています。金属産業由来のCO2が世界の排出量の約10%を占める中、その削減が急務となっているほか、近年の地政学的リスクの高まりを受け、従来のグローバルサプライチェーンからの転換が求められています。これらの課題を同時に解決する有力な策として注目を集める金属リサイクルの市場は、環境意識の高まりと需要拡大に後押しされ、今後52兆円規模への成長が見込まれます（※2）。

SUN METALON独自の金属加熱技術は、微小な切削屑やスクラップを、既存技術比でエネルギー消費量85％減を実現する超高効率な手法で加熱し、不純物等を分離・除去することが可能です。当社では本技術を活用した金属リサイクルプロセスを確立しており、金属加工の過程で生じた廃金属を再利用可能な金属資源として蘇らせることで、循環型サプライチェーンの実現を後押しします。

SUN METALONの金属加熱技術の活用における特長は以下の通りです。

　（１）低コスト

加工の過程でスクラップとなった金属の資源価値を蘇らせ、再利用を可能にすることで、サプライチェーン全体のコスト効率を改善。従来技術と比べてエネルギー消費量、初期導入コストともに低減可能

　（２）低CO2

加熱源に化石燃料を使用しないため、クリーンエネルギーを採用すれば、加熱処理に伴うCO2排出はゼロ

　（３）省スペース

従来手法で使用する設備のおよそ半分のスペースで同等の処理能力を実現。既存の製造ラインにも組み込みやすいモジュール型装置として開発しており、必要な処理能力に応じて導入規模を段階的に調整可能

今回調達した資金は、主に加熱プロセスの顧客企業への導入と、自社工場における地域の金属資源を用いた金属製造の2つの取り組みに活用します。これらの事業展開における人的リソースの拡充および製造能力の増強を通じて、脱炭素化・循環型社会の実現をより一層加速させてまいります。

※2 INDUSTRY RESEARCHによる2028年の推計

CEOコメント

SUN METALON Inc.
Co-Founder & CEO, 西岡和彦

SUN METALONが掲げるビジョンに共感いただき、本ラウンドにおいて出資および融資をしてくださった皆様に、心より感謝申し上げます。
金属はこれまで人類の進歩において不可欠な役割を担ってきましたが、現在の金属産業は大きな転換期を迎えております。SUN METALONは「金属業界の脱炭素化を推進し、人類の進歩に貢献する」というミッションのもと、世界規模で金属業界の変革に挑戦しています。今回の資金調達を通じ、CO2排出量とコスト削減を両立させる当社独自技術をさらに進化させ、より多くの皆様に当社ソリューションを広く展開し、その価値を最大限にお届けできるよう、引き続き全力を尽くしてまいります。

投資家コメント

HITE Hedge Asset Management
Portfolio Manager, David A. Levine

The future of mobility requires smart utilization of our resources, and multiple companies in the automotive industry already appreciate SUN METALON’s advanced solutions for making mobility and industrial manufacturing better and more sustainable. Such aligned innovation fits well with our strategy of Profiting from the Energy Transition. We’re excited to see the future unfold for the company and its partners and customers.

モビリティの未来には資源の賢明な活用が不可欠であり、自動車業界の多くの企業がすでにSUN METALONの先進的なソリューションを高く評価しています。これらのソリューションは、モビリティと工業生産をより良く、より持続可能なものにすることに貢献しています。こうして業界と優れた連携を実現するイノベーションは、私たちの "Profiting from the Energy Transition" という戦略と非常によく合致します。私たちは、SUN METALONとそのパートナー、顧客の輝かしい未来に大きな期待を寄せています。

東京大学エッジキャピタルパートナーズ（UTEC）
取締役COO, 坂本教晃

創業から非常に短期間で日本有数の企業をお客様にし、米国での本格展開を進めているSUN METALON社にリード投資家として大きな追加投資をさせていただきました。事業面での進捗だけでなく、技術的に驚くようなジャンプをとげられ、それに伴い組織も急拡大しております。日本発の本技術が世界のスタンダードになることを信じております。

グロービス・キャピタル・パートナーズ
プリンシパル, 中村達哉

プレシリーズAに引き続き本ラウンドでも追加出資をさせていただきました。主な投資理由は、（１）全産業最大かつ脱炭素化が困難な金属産業に「経済的に脱炭素化できる稀有なプロダクト」を提供していること、（２）超大手顧客の熱狂的支持とコミットメントにより異例のペースで事業進捗していること、（３）世界で勝てる多様性のあるチームへ進化した点、になります。脱炭素という不可逆かつ待ったなしのテーマにおけるフロントランナーとして、グローバルスケールでインパクトを出すことを期待しています！

JICベンチャー･グロース･インベストメンツ
ベンチャーキャピタリスト, 桑原優樹

金属産業は様々な製造業の基盤となる重要な産業であり、その脱炭素化・資源効率化を進めることは社会に大きなインパクトがあると考えています。SUN METALONのソリューションは、単にコストとしての環境対策ではなく、本来価値があるにもかかわらず捨てられてきた廃金属を再利用可能な金属資源として蘇らせることによって顧客も経済的なメリットを享受できるという点で意義が大きいものです。今回の資金調達によって、グローバルでの事業成長が加速することを大いに期待しております。