ケイデンス、業界初となるLPDDR6/5X 14.4GbpsメモリIPを次世代AIインフラストラクチャ向けに発表
チップレットを含む顧客アプリケーションに最適化された統合サブシステム

ケイデンス(本社 米国カリフォルニア州サンノゼ市)は、7月9日(米国時間)、業界初のLPDDR6/5XメモリIPシステムソリューションのテープアウトを発表しました。このソリューションは14.4Gbpsで動作するように最適化されており、前世代のLPDDR DRAMに比べて最大50%高速です。新しいCadence® LPDDR6/5XメモリIPシステムソリューションは、次世代AI LLM、エージェント型AIや多岐に渡る分野において計算負荷の高いワークロードのメモリ帯域幅とメモリ容量に対応するため、AIインフラのスケールアップを可能にする重要な要素です。現在、主要なAI、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、データセンター顧客との複数のプロジェクトが進行中です。
ケイデンスのJEDEC LPDDR6/5X規格向けIPは、電力、性能、面積(PPA)を最大化しつつ、LPDDR6およびLPDDR5X DRAMプロトコルを両対応することで最適な柔軟性を実現する、高度なPHYアーキテクチャと高性能なコントローラから構成されています。このソリューションは、ケイデンスのチップレットに関するフレームワークを活用することで、伝統的なモノリシックSoCへのネイティブ統合だけでなく、マルチダイシステムアーキテクチャにも対応し、ヘテロジニアスインテグレーションを可能にします。チップレットに関するフレームワーク(前のLPDDR世代を含む)は、2024年に成功裏にテープアウトされました。
完全なPHYとコントローラメモリシステムは、ケイデンスの確立された成功を収めたDDR5 12.8Gbps、LPDDR5X 10.7Gbps、およびGDDR7-36G製品ラインを基盤とした、高性能でスケーラブルかつ適応性の高い新しいアーキテクチャを採用しています。ケイデンスの新しいLPDDR6 IP製品ラインの最初の製品は、LPDDR6およびLPDDR5X規格(LPDDR5X CAMM2を含む)をサポートしています。
AI、モバイル、コンシューマー、エンタープライズHPC、クラウドデータセンター市場向けに適したこの先進的なLPDDR6/5XメモリIPシステムソリューションは、性能、容量、コスト目標の幅広い範囲に対応し、最終製品に最大級の柔軟性を提供します。これにより、長期的なプロダクションランを保証します。LPDDR6/5X PHYは、異なるパッケージとシステムトポロジーに対応可能で、ドロップイン可能なハードマクロとして利用可能です。これにより、迅速かつ信頼性の高い統合が実現し、市場投入までの時間を短縮します。
Cadence LPDDR6/5Xコントローラは Arm® AMBA® AXI バスへの対応など、メモリインターフェース向けの業界標準および高度な機能を完備しています。メモリコントローラは、機能、電力、面積、性能における最大級の柔軟性を実現するため、ソフトRTLマクロとして提供されます。
ケイデンスのLPDDR6ソリューションには、LPDDR6 Memory Modelが含まれており、エンジニアが包括的な検証を実施し、システムオンチップ(SoC)設計が最新のJEDECインターフェース規格と互換性があることを確認できます。これにより、エンジニアは自信を持ってこの新技術を採用するプロセスを加速できます。LPDDR6メモリモデルには、プロトコルチェックの完全なセット、機能カバレッジ、および検証計画が含まれています。
現在、顧客との協業向けに利用可能な新しいLPDDR6/5X IPは、ケイデンスの包括的なメモリIPシステムソリューション製品群に追加された最新製品です。この製品群にはDDR、GDDR、HBMも含まれます。ケイデンスのMemory IPは、同社の業界をリードするアナログ/ミックスドシグナル設計ツールを使用して設計されています。ケイデンスのUCIe™ベースのチップレットフレームワークと組み合わせることで、新しいLPDDR6/5X IPとケイデンスの他の主要なメモリおよびインターフェースIPは、チップレットの迅速な実現を可能にする最適化されたソリューションを提供します。
新しいLPDDR6/5X IPに関する詳細情報は cadence.comのLPDDR特設サイト をご参照ください。
※本リリースは、2025年7月9日(米国時間)に米国で発表されたプレスリリースの日本語翻訳です。記載内容およびその解釈については、英語版を正式なものとします。
ケイデンス・コメント
Boyd Phelps(senior vice president and general manager of the Silicon Solutions Group)
「データセンターの進化がHPCによる演算の仮想化からAIトレーニングと推論のスケールアウトへと移行する中、AIインフラの急拡大が進行しており、メモリインターフェースを介した効率的なデータ移動の設計は、これまで以上に重要となっています。LPDDR6は、AI推論を効率的に実行するために必要な速度、帯域幅、電力プロファイル、容量を提供する加速計算の主要な推進要因として浮上しています。このテープアウトにより、CadenceはメモリIPのリーダーシップを継続し、顧客のアプリケーション向けに最適化された統合サブシステムとして提供される業界初のLPDDR6実装を実現しています。」
ケイデンスについて
ケイデンスはAI分野とデジタルツインのマーケットリーダーであり、シリコンからシステムまでのエンジニアリング設計におけてイノベーションを加速させる演算ソフトウェアのアプリケーションのパイオニアです。ケイデンスのIntelligent System Design戦略に基づくケイデンスの設計ソリューションは、ハイパースケールコンピューティング、モバイル通信、自動車、航空宇宙、産業、ライフサイエンス、ロボティクスなど、幅広い市場に対応するチップから電気機械システムまで、世界をリードする半導体およびシステム企業が次世代製品を構築するために不可欠なものです。2024年、ケイデンスはWall Street Journal紙により、世界で最も優れた経営を行っている企業トップ100に選ばれました。ケイデンスのソリューションは無限の可能性を提供します。ケイデンスに関する詳細についてはcadence.comをご参照ください。
この件に関する問い合わせ先
フィールド・マーケティング部
TEL: 045-475-2311 FAX: 045-475-2218
E-mail: japan_pr@cadence.com
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