【産業用酵素の革新へ】株式会社digzymeはシリーズAラウンドでの7.3億円の資金調達が完了しました
〜バイオインフォマティクス基盤技術を駆使して、高機能な酵素ライブラリ”Designed Library”の開発に着手〜
2024年4月より、総額7.3億円の予算により、高機能な酵素ライブラリ”digzyme Designed Library”の構築に向けた開発を開始しました。調達額には、SeriesA 1st & 2nd closeによる第三者割当増資を中心として、融資、及びNEDOディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)STSフェーズの助成金が含まれます。
○会社紹介
株式会社digzymeは、「世界を変える酵素を、迎えに行こう。」をミッションに、バイオインフォマティクスによる酵素開発技術を有する東京工業大学発のスタートアップです。多種多様な酵素の探索や改良を短期間で行うことで、酵素を起点としたあらゆる事業成長への貢献を目指しています。
○本資金調達の概要
この度、SeriesA 1st & 2nd closeによる第三者割当増資を中心として、融資、及びNEDOディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)STSフェーズの採択を含めて、総額7.3億円の調達を行い、事業開発を加速します。
○これまでの開発と実績
当社ではすでに”digzyme Moonlight”、”digzyme Spotlight”という2つの強力な情報解析プラットフォームを構築してきました。これにより、ニーズに沿った酵素を迅速に探索・改変が可能です。
これまでは、酵素の用途のうち、精密発酵を出口とした、天然物や石油化学品の代替生産や廃棄物分解といった主に化学分野でのバイオプロセス開発を中心に実績を積み上げてきました。
○SeriesAでの開発
本シリーズでの開発では、特に産業用酵素を出口とした、高機能な酵素のライブラリ(“digzyme Designed Library”)の製造を目的とします。産業用酵素の用途は、食品・化学・洗濯用洗剤・繊維・バイオマスエネルギー・飼料・農業・体外診断・研究など多岐にわたります。
特に、物質合成の用途として、酵素法(無細胞系・セルフリー系)に活用されており、今後のさらなる製品市場としても注目されています。
当社はすでに、食品事業に向けては新たな体制を構築し、事業会社との連携も開始しております。
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○産業の背景と本開発でできるようになること
産業用酵素の多くは微生物を培養した上清を精製することで大量生産されています。従来の産業用酵素の開発は、天然の微生物を用いて製造することも多く、その開発はトライアンドエラーの繰り返しで、偶然への依存性が高いものでした。
そのため、一つのプロダクトを上市するためには、基礎研究・生産開発・量産開発を合わせて5–10年の年月がかかるため、近年の多様化したニーズに対して臨機応変に対応していくことが難しいという課題がありました。
digzymeは、バイオインフォマティクスによるデザイン技術により、酵素の発見など基礎研究にかかる期間を約1/4に短縮することができるようになりました。
digzymeは次なるステップとして、生産開発を高速化するソリューションである、”digzyme Designed Library”の開発を行います。これにより、基礎研究・生産開発の期間を合わせて短縮することができます。
さらに、新規の酵素プロダクトを手軽に試すことができるようになるため、ニーズに応じたアプリケーション開発からの事業構築も行っていきます。
○SeriesA 投資家からのコメント
■新規投資家
DG Daiwa Ventures
シニアプリンシパル 眞田 雄太 氏、マネージャー 西川 由真 氏
DGDVからリード投資家としてdigzymeに出資させていただくことを光栄に思います。
digzymeは世界有数のゲノム研究を基にしたデータ解析に圧倒的な強みがあり、酵素業界のニーズに精通した経営陣で構成されており、酵素×バイオインフォマティクスで世界No.1を狙えるチームに成長できると確信しております。
顧客が製造したい最終製品に合致する複数の酵素セットを、高い技術力をもとに正確かつスピーディーに製造し、提供可能とする革新的なビジネスモデルに挑戦しています。
彼らの対象範囲は産業用酵素市場が広がる食品業界はもちろんのこと、化学企業との協業も進んでおり、産業用酵素の市場をClimate領域にも広げています。
弊社は、digzymeはグローバル市場でも地位を確立できると確信しており、今後も海外展開含め全力で支援してまいります。
モバイル・インターネットキャピタル 木本 恭介 氏
これまで弊社はデジタルテクノロジー領域を中心に投資して参りましたが、今後は、様々なディープテックに、デジタルテクノロジーを掛け合わせることで、社会課題を解決していく領域への投資に注力し始めていたなか、世界的に見ても非常に高度な、酵素に関するバイオインフォマティクス技術を有する、digzymeに出会いました。
彼らの技術は、酵素の新たな産業化への可能性を無限大に広げてくれます。
デジタルテクノロジーを駆使して、レガシー産業をアップデートし、酵素産業を日本がグローバルに誇れる、新たな産業へと昇華させていってくれるであろう、digzymeに大きな期待を寄せています。
HERO Impact Capital 渡邊 拓 氏
グローバルでも突出したバイオインフォマティクス基盤技術による酵素探索・改変を強みとして、世界を変える酵素を生み出すプラットフォームとなるdigzyme社との御縁を、前職時代から続けて頂戴しました。
当社は創業から高機能な酵素ライブラリー構築・開発を進め、直近産業用酵素の研究開発において急速に実績を積み上げています。
研究者としても経営者としても突き抜けた渡来代表を中心に、環境負荷低減をしながら新たな酵素を創造し、脱炭素社会の未来を切り拓くことを期待しています。
フジ日本精糖 事業推進部 杉山 伸 氏
当社は水溶性食物繊維である「イヌリン」を酵素により生産し日本をはじめ各国販売しております。
digzyme社が強みとする酵素のデザイン技術やライブラリは、食品業界にとり開発の時間を短縮するのみならず新しい酵素利用を促進する画期的な技術であり、この度digzyme社と業務提携契約の上、資本参加させて頂きました。
当社長期経営計画「NEXT VISON2040」の実現に向けdigzyme社と協力し食の新たな価値を創造してまいります。
森六ホールディングス
事業企画室 主幹 オープンイノベーション担当 藤原 洋平 氏
森六ホールディングスは、digzyme社のバイオインフォマティクスによる酵素開発をコア技術とした高付加価値化合物生産及び環境負荷低減に向けて開発されたさまざまなソリューションに共感し、この度出資を実施しました。
今後、digzyme社とのパートナーシップを構築し、多様なバイオものづくり技術を活用することで、弊社が中期計画「2030年ビジョン」で掲げたライフサイエンス領域の拡張につながる機能化学品、機能性食品等の新規事業創出に取り組んでいく所存です。
■既存投資家
ANRI 宮﨑 勇典 氏
バイオ領域でのデータ・情報科学技術の利活用は世界中でここ数年で一気に進んできました。その中で、Digzymeの創業者らは東京工業大学の山田研究室でバイオインフォマティクス中心の酵素探索・改変のコア技術を長らく作り上げてきました。
ANRIとしては2019年の博士課程在籍中の代表の渡来さんとお会いしてからご一緒させて頂いており、今回の資金調達にも参加して、更なる成長にご一緒できるのを大変嬉しく思います。
みらい創造機構 南 百合子 氏
前回ラウンドに引き続き、シリーズAラウンドでも投資させて頂きました。
digzyme社を創業前に東工大のGAPファンドに採択された頃から拝見させて頂いていますが、これまで技術はもちろん、事業も着実に進捗させてきました。
技術進展の著しい生命科学と情報科学双方の深い知識と応用力を有しており、バイオインフォマティクスによる酵素開発のフロントランナーとして、今回の資金調達にて大きく成長されることを大変楽しみにしています。
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