家具へ活用しにくい国産材の利用拡大へ、パナソニック独自の木質エイジング技術を活用した家具を製作
家具製作の背景と目的
当社では日本の豊かな森づくりを推進する目的で、これまで積極的に活用されてこなかった国産材の活用に努めています。今回、パナソニックと取り組んだ樹種はウダイカバ(メジロカバ)と称される木材で、幹の中心部分である心材(赤身)と樹皮に近い辺材(白太)の色の差がはっきりと現れることから、家具用材として不向きとされてきた背景があります。そこで心材と辺材が混在する源平材(赤白材)の色の差を軽減するため、パナソニックが開発した「マイスターズウッド」の木質エイジング技術を活用し、当社で長年愛されてきたロングセラーシリーズ「穂高」を製作しました(写真 Photo: Masayuki Hayashi)。自然に時を重ねたような落ち着いた印象とナチュラル感を備えた魅力的な表情に仕上がりました。
「マイスターズウッド」の木質エイジング技術の特長
1. 木材の色のバラつきを低減
エイジング処理により木材の色のバラつきが軽減できます。一般的には使いづらい源平材も適度な統一色調にする事が可能です。一般的な着色剤などで起こる木質感の低減も起こりません。
2. 意匠性の向上
時を重ねた天然木に現れる深みを、経年変化を待たずに表現することができます。特殊な熱処理を施すことで、表面だけでなく内部までも色を変化させています。「木目」「色彩」「照り」などを豊かにし、木材の表現範囲を広げます。
画像)各材種エイジング処理前(左)エイジング処理後(右)
【木目】木目のコントラストを強め、原木ごとに異なる木目の個性を損なうことなく際立たせます。
【色彩】エイジング処理により、表現できる色領域が広がりました。樹種それぞれの個性を活かす色合いに変化させます。
【照り】光の当たる角度や見る位置により表情が変化する天然木ならではの魅力を、エイジング処理でさらに引き出します。
3. 光変色の低減
画像)キセノン40時間照射後のサンプル
エイジング処理により光変色が低減します。紫外線などによる表面の経年劣化(変色)を軽減し、天然木の美しい状態を長期で保つことが可能です。
以上、出所 パナソニック
本プロジェクトについて
飛騨地域の有志やパナソニックが連携し、飛騨地域をはじめ日本の山林に蓄積される木材を有効に活用することを目的としています。飛騨市の林業・製材業関係者や製造に携わる企業が連携し、パナソニックが持つ木質エイジング技術の活用をはじめ、地域材などを活用したプロトタイプを飛騨の家具®フェスティバルに出品します。当社では、本会場にてカバ材にエイジング処理を施した「穂高」の他、飛騨市産のホオノキ材の表情をそのまま活かした猫家具「medel」を出品いたします。本会場来場者にはアンケート調査を実施し、商品化の可能性について検討していきます。
参加企業
株式会社飛騨の森でクマは踊る/パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社/株式会社柿下木材工業所/飛騨産業株式会社
飛騨の家具®フェスティバル
古くから「飛騨の匠」として知られる飛騨地域で、その技と伝統を現代に引き継ぎ、飛騨の家具の魅力を発信するイベント。飛騨地域の新作家具の展示をはじめ、飛騨木工連合会ゆかりのゲストのトークショー、関連団体によるワークショップ等を開催します。同期間中、当社直営店HIDA高山店では新作家具の展示も行っています。
日時:2023年10月21日(土)~ 10月25日(水) 9:30~17:00(最終日のみ16:00閉場)
会場:
[本会場]飛騨・世界生活文化センター
岐阜県高山市千島町900-1 https://www.hidanokagu.jp/festival/
[直営店]HIDA高山店 森と暮らしの編集室 営業時間 10:00~18:00
岐阜県高山市名田町1-82-1 https://hidasangyo.com/shop/takayama/
飛騨産業について
1920年に飛騨高山で創業した木工家具メーカー。2020年に創業100周年を迎え、「匠の心と技をもって飛騨を木工の聖地にする」という志(企業ビジョン)を掲げ、「人を想う」「時を継ぐ」「技を磨く」「森と歩む」の4つの価値観に基づく事業を展開しています。
飛騨産業が展開する木工家具ブランドHIDAでは、4つの価値観のもと、未来へと繋がる持続可能なものづくりを目指しています。
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