導電性ポリマー「溶剤分散型PEDOT/PSS」の販売開始。各種プラスチックやガラスへの塗工が可能
~有機ELやプリンテッドエレクトロニクスなどフレキシブルデバイス市場への貢献を目指す~
近年、フレキシブルな印刷電子デバイスの進歩に伴い、疎水性プラスチック基板にコーティング可能な導電性ポリマーPEDOT/PSS(以下PEDOT/PSS)のニーズが高まってきました。しかし、PEDOT/PSSは一般的に水分散液として販売されており、溶剤系樹脂への適用が困難でした。そこで、電子材料での使用や、PETフィルムなど各種プラスチックやガラスへの塗工、インクに使用可能な 「溶剤分散型PEDOT/PSS」の取り扱いを松尾産業は開始しました。原液として提供できる数少ない溶剤分散型PEDOT/PSSであり、各種有機溶剤系での設計、添加量による表面抵抗値の調整ができ、幅広い樹脂へのコーティングや展開が期待できます。今後は市場拡大が見込まれるフレキシブルエレクトロニクスや、従来では難しかった帯電防止処理などでの貢献を目指します。
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※上記は導電性ポリマー溶液塗工直後の参考イメージです。
溶剤分散型PEDOT/PSS 販売の背景
PEDOT/PSSはスマートフォンのディスプレイや帯電防止剤・電解コンデンサとしての利用が進んでいます。近年ではタッチパネルやディスプレイに使用されるITOフィルムの代替材料、次世代技術として注目される有機ELやプリンテッドエレクトロニクスなどフレキシブルデバイスへの活用も期待されています。フレキシブルデバイスは薄く、柔らかく、曲げたり巻いたりできる特徴を持ち、基板材料として加工しやすいポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)などが使用されています。しかし、PEDOT/PSSは一般的に水分散液として販売されており、従来品ではニーズが高まるフレキシブルデバイス用に使用されるような疎水性基材には塗工が困難でした。フレキシブルデバイスは次世代自動車やウエアラブル端末などで採用されるなど市場拡大が見込まれており、溶剤系樹脂に対応する PEDOT/PSSへの需要も期待されます。このようなユーザーニーズの高まりを受け、 松尾産業は電子材料や各種プラスチック、ガラスへの塗工、インクに使用可能な「溶剤分散型導電性ポリマー」の取り扱いを開始しました。今後も、当社が得意とする用途やマーケットに合わせた開発のサポート、製品拡充を進めます。
溶剤分散型PEDOT/PSS 製品概要
溶剤分散型PEDOT/PSSは水分散体では使用しづらい電子材料や各種プラスチック、ガラスへの塗工が可能です。原液として提供できる数少ない溶剤分散型PEDOT/PSSであり、各種有機溶剤系での設計、添加量による表面抵抗値の調整を行い、幅広い樹脂へのコーティングや展開に貢献します。 具体的には以下のような選択や調整が可能です。
分散溶媒はMEK(メチルエチルケトン )や IPA ( イソプロパノール)など用途に合った溶媒の選択が可能。
シリコーンやアクリルなどの樹脂と混合することで、機能層と帯電防止層の1層化を実現。
基材もPET(ポリエチレンテレフタレート)、TAC(トリアセチルセルロース)をはじめとする各種プラスチックに適用し、ハードコート性を付与。
■特長
・PETフィルムやガラスに対する高い濡れ性
・水系では使用しづらい電子材料への使用が可能
・添加量による表面抵抗率の調整が可能
・各種有機溶剤系での設計が可能
■用途例
・帯電防止(ハードコート剤、接着剤)
・正孔輸送層
■製品データ
※上記はバーコーター#12にて原液塗工 乾燥:80℃×1minで成膜。且つ、基材:PETフィルム(TT 90.7, ヘイズ 0.53)を差し引いた値。
担当者のコメント
溶剤分散型PEDOT/PSSは原液での提供により、フィルムコーター機さえあれば簡易に塗工でき、 既存設備で用途に応じた独自の透明導電性フィルムを設計することも可能です。 PEDOT/PSS の幅広い樹脂系への展開を検討する研究者様、開発担当者様の用途に合わせた提案、開発のサポートを行っております。 製品やサンプル提供についてお気軽にお問い合わせください。
製品へのお問い合わせ
松尾産業株式会社 コーティングマテリアル事業部 開発チーム:佐々木
https://www.matsuo-sangyo.co.jp/contact/contact-coating-materials
TEL: 06-6261-1215
松尾産業について
松尾産業は、自動車部品や国内で高いシェアを誇る光輝顔料を中心に専門性の高い原材料や、研究開発装置などを扱う商社です。創業より製造業の課題に対し、国内外の隠れた技術や素材を探索、新しい知見や製品、プレイヤーをつないできました。近年、複雑な社会課題に対しオープンイノベーションの重要性が増し、スタートアップ、アカデミア、産業や業界、従来の壁を越えた共創が求められており、商社の「つなげる力」への期待が高まっています。当社は「Connecting the Peaks」をスローガンに、世界中の英知をつなぎ、製造業の皆様と共に新しい価値創造に貢献します。
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