<医師1,871名調査>医師の定年「65歳」が主流、約8割が65歳以降も就労意欲あり セカンドキャリアには体力や職場探しの不安も
医師の勤務先の過半数で「定年制度あり」、大学病院では8割超/「実力があれば定年は不要」「若返りを阻害」…定年制度への賛否さまざま/定年後の理想の働き方は「無理なくやりがいある仕事を」

医師向けのキャリア支援サービスなどを提供している株式会社メディウェル(本社:北海道札幌市)は、「医師の定年とセカンドキャリア」に関するアンケート調査を実施し、全国の医師1,871名の回答結果を公表しました。
医師免許に年齢制限はありませんが、勤務医の多くは所属する医療機関の定年制度に直面します。高齢化が進む現代で医療人材を有効活用し、医療体制を維持していくには、医師が自身の定年やその後のキャリアについてどのように考え、どのような不安を抱えているのかを明らかにすることが重要です。
今回のアンケートでは、医師の勤務先における定年制度の実態、定年前後に関する医師自身の就労意欲や理想の働き方、そしてセカンドキャリアに対する不安などを調査しました。
その結果、約8割の医師が、医師の定年年齢の主流である「65歳」以降も働く意欲を示しており、一方で、自身の体力・健康や、年齢を重ねてからの職場探しに不安を感じている実態が浮き彫りになりました。
■本調査結果の概要
〇 勤務先の半数超で「定年制度あり」、大学病院では82.7%に上る
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主たる勤務先で「定年制度がある」医師は54.8%
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勤務先別では大学病院が最多(82.7%)、病院よりもクリニックで「定年制度あり」が少ない傾向


〇 医師の定年年齢、「65歳」が6割超で最多
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医師の定年制度に定められている年齢は「65歳」が65.2%、次いで「60歳」が25.3%
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一般企業では「60歳」が64.4%(厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告」、2024年6月時点)


〇 定年後の再雇用・勤務延長制度は69.7%の勤務先に導入
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主たる勤務先で「定年後の再雇用や勤務延長制度がある」医師は69.7%
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勤務先別では、大学病院以外でいずれも「制度あり」回答が6割を超える


〇 約8割の医師が「65歳以上も働き続けたい」と意欲的
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最も多かったのは「可能な限り働き続けたい」(25.1%)
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年代別で見ると、世代が上がるにつれてキャリアを続けることへの意欲が高まる傾向


〇 定年後の理想は「業務負荷が軽く、やりがいも」。不安は「体力・健康」「職場探し」
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定年後は業務負荷を減らしつつ、やりがいを求める働き方を理想とする回答が多数

1.業務負荷・あまり忙しくない業務(62.9%)
2.業務内容・やりがい(51.6%)
3.勤務日数・勤務時間(50.5%)
4.勤務する地域(50.2%)
5.給与・年収(44.9%)
6.役職(4.7%)
〇医師が定年後の勤務で最も不安を覚えるのは「自身の体力・健康」
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体力面と長期的に働ける勤務先探しに不安を覚える医師が多数派

1.自身の体力・健康(70.2%)
2.長く勤務できる職場が見つかるか(45.8%)
3.家庭・プライベートの環境(25.1%)
4.最新の治療や医学情報へのキャッチアップ(25.1%)
5.不安に思うことはない(8.3%)
6.その他(1.0%)
〇 【自由回答】医師の定年について医師はどう考えている?
能力・健康に基づく判断の必要性
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周囲の先生を見ていると、70歳近くなるとやや古い医学知識で診療を行っているケースが見られるので、一定の区切りを自覚することは必要だと思う。ただ個人差があり、一律の定年ではとらえられない (60代女性、一般内科)
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70歳ぐらいまでは健康で患者と会話ができ、診断に狂いがなければ医師は続けられると思っている (50代男性、泌尿器科)
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技術的なピークを過ぎたら手術は引退するべき。Dxについていけないなら診療を辞めるべき (50代女性、婦人科)
定年制度への賛否・提言
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医師という責任ある職業についている以上、自分の都合のみで、ダラダラと年を重ねて働くべきではない。定年制は必要 (60代男性、一般内科)
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ある程度必要。高齢の医師は新しい知識やガイドライン等に乏しいことが多い (40代女性、在宅診療)
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医師に定年は不要と思う。知識も経験も豊富な医師や大学教授が65で定年になるのを大変勿体無いと思う (50代女性、皮膚科)
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医師不足を解消するには定年後の医師の活躍が必要 (50代男性、乳腺外科)
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医師余り地域の定年は早く(55歳位)、医師不足地域の定年は遅く(75歳位)すると良いと思う (50代男性、病理診断科)
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医療過疎地なども含めて、セミリタイアした医師を生かしていくことを、今後雇用主は考えるべきではないかと思う (60代男性、麻酔科)
後進への配慮・世代交代
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人口減少に入り、若手と職を争いたくないが、昨今の若手の気風をみると、ベテランを雇用された方がいいのではないかと思ったりもする (50代男性、脳神経外科)
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定年の延長は必ずしも好ましいことばかりではない。診療能力が疑わしい医師、働かない医師(昔は馬車馬のように働いたとしても)は、一旦早く退職させないと後進が可哀想 (70歳以上男性、一般内科)
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ある程度歳を経たら後輩に道を譲り、働き方を変えていく必要があると思う。一方で、大学などである程度の立場になってしまうと引き際をあやまったのか老害と化しているDrもよく見る。医師としては明確な定年がないため、できる、と思ってしまうのだろうが上が居座れば、若手は育たない。ああはなりたくないと、常々思っている (40代男性、その他診療科)
その他
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医師としてのパフォーマンスが落ちていないなら、年齢だけで再雇用のような減給はしてもらいたくない (40代男性、在宅診療)
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自分の年齢や能力に見合った職場をみつけることが大事だと思います (40代男性、リウマチ科)
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もうすでに常勤で働けているとはいえない高齢医師が、他の医師・スタッフに迷惑をかけているのは問題なので、今後は、定年制だけではなく、高齢医師の資格更新制度を導入すべきと思う (60代男性、一般内科)
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勤務医で働きたい人は働いていい制度にしてほしいが、ずっと居座って老害になっている医師もいる。ただ、外科医が一斉に定年退職すると外科の世界はどうなるのか、不安である (40代男性、救命救急)
本調査の詳細に関しましては、下記URLをご参照ください。
医師の定年は何歳?医師が定年後のセカンドキャリアに抱える不安とは?―医師1,871名へのアンケート調査より―
https://www.dr-10.com/lab/retirement-age-for-doctors/
■調査概要
調査時期 :2025年2月17日~2025年2月26日
調査主体 :株式会社メディウェル
調査対象者:株式会社メディウェルに登録している医師会員
有効回答数:1,871件
調査方法 :インターネット調査
■引用・転載時のお願い
本調査結果の引用、転載時には以下の2点についてご協力をお願いします。
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「株式会社メディウェル」による調査である旨の明記
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WEB上での引用・転載を行う場合には、上記に加え、引用元のURL(https://www.dr-10.com/lab/retirement-age-for-doctors/)へのリンク付与
■サービス・会社概要
【医師転職ドットコム】
サイト概要:2004年より運営している会員数70,000人以上の医師向け転職支援サイト
【会社概要】
企業名 :株式会社メディウェル(https://www.mediwel.net/ )
所在地 :〒060-0001 北海道札幌市中央区北1条西5丁目2番地興銀ビル9階
事業内容:医療機関を対象とした経営コンサルティング事業、
病院経営に関する情報発信、
医療従事者の紹介事業、医療関係職員の研修、
セミナー並びに各種イベント企画、立案
代表者 :代表取締役社長 坪井 隆幸
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