廃棄アルミくずで新エネルギー「水素」抽出のエコ技術
廃棄アルミ1gから水素1リットルの抽出が可能に
水素は燃焼する際にCO2を発生させないクリーンなエネルギーとして注目されていて、燃料電池や自動車などへの応用が進められています。この技術では工場などから排出される廃棄アルミ屑と水だけで水素を作ります。
■廃棄「アルミくず」を微細な粉末に加工
工場でアルミの部品や金型を作る際に排出される削り屑。大部分は産業廃棄物として捨てられています。高原研究室ではこのアルミの削り屑を特殊な技術で加工して、非常に細かい微粒子に加工します。この微粒子になったアルミが水と反応する過程で水素を発生させます。
■アルミと水が反応する過程で水素発生
アルミニウム(Al)は非常に酸素と反応しやすく、通常は表面がすぐに酸化してしまい、ごく薄い酸化膜に表面が覆われた状態で存在しています。このため一般的なアルミニウムと水との反応はアルミニウムの表面で止まり、粒子内部には反応していないアルミニウムが残ります。活性化処理されたアルミニウムは、粒子内に細かい亀裂を有していると考えられており、水を加えることで亀裂に沿って水分子が侵入し,水分子の分解が起こり水素が発生すると考えられています。
【反応式】反応式 2Al+3H20 → Al2O3+3H2
(アルミニウム+水 → 酸化アルミニウム+水素)
■廃棄アルミ1g→水素1リットルを生成
研究室で加工した超微細なアルミ粉末を水に入れるだけで、
水から水素が発生します。このため、
・水素が発生する過程でCO2が発生しない
・アルミを水に入れるだけで水素が発生するため、
水素の生成にエネルギーは不要・・・など
のメリットがあります。
アルミの切削屑→微細粉末へ加工する工程においてクリーンエネルギーが活用できれば、CO2を排出せず水素を抽出できます。
■水素で走る電気自動車を開発中
高原研究室の研究内容についてこちらで紹介しています。
Youtube「廃棄アルミで次世代エネルギー『水素』」
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像