「TikTok Shop」関心層2割、今後の広がりは“信頼”がカギ?【ノウンズ株式会社調べ】
〜消費者意識データ分析サービスを提供するノウンズ株式会社が「TikTok Shop」に関する意識調査を実施〜
ノウンズ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:田中啓志朗、以下「ノウンズ」)は、同社が提供する消費者意識データをリアルタイムで取得できるサブスク型リサーチSaaS「Knowns 消費者リサーチ」(https://knowns.co.jp/)を通じて、全国の一般生活者999名を対象に「TikTok Shopに関する意識調査」を実施しました(調査期間:2025年7月1日〜7月2日)。
2025年6月30日、日本での正式にサービスを開始した「TikTok Shop」。動画視聴と購買がシームレスに接続されたこの新しいEC体験は、従来の「探して買う」行動とは異なる、新しい消費の形として注目されています。とはいえ、まだサービス開始から日が浅く、ユーザーの認知や利用状況は未知数です。
そこでノウンズ株式会社は、全国の一般生活者を対象に、TikTok Shopに関する意識調査を実施。サービスローンチ直後の生活者のリアルな声を集め、現時点での普及状況や今後の可能性を探りました。
Q:TikTok Shopというサービスをご存知ですか?

Q:TikTok Shopとはアプリ内で動画やライブ配信を見ながら、そのまま商品を購入できる新しいショッピング機能です。TikTok Shopのような「SNSアプリ内で買い物が完結する機能」について、今後利用してみたい思いますか?

■ “知ってるけどまだ使わない”が多数派
TikTok Shopという新機能について、サービス自体を「知っている」あるいは「名前だけ聞いたことがある」と回答した人が約4割程度という結果でした。これは6月末のリリースから間もないタイミングを考えると自然ではあるものの、まだ浸透は限定的といえます。
一方で、サービス内容を説明したうえでの利用意向を尋ねると、「あまり利用したいと思わない」「全く利用したいと思わない」と答えた人が全体の約8割にのぼるという消極的な傾向が見られました。
このギャップからは、「知らないから使わない」のではなく、「知ってもまだ使う気にならない」という現状が見えてきます。生活者は新しい購買機能に対し、期待よりも慎重な視線を向けている段階であり、今後の利用拡大には、信頼感の醸成や実体験の共有など“納得感”を高める仕掛けが求められるといえそうです。
Q:TikTok ShopのようにSNSアプリ内で買い物が完結する機能で、購入してみたい商品やサービスはどれですか?(複数選択可)

■ SNSで購入するアイテムは“日常使い”がカギ
TikTok ShopのようなSNS内ショッピング機能で購入してみたい、とされたのは「食品・飲料」「ファッション」「美容・スキンケア」が上位を占め、いずれも生活に密着したカテゴリでした。
視覚的に訴求しやすく、日常的な関心が高いジャンルが、SNSショッピングとの相性の良さを示しています。
Q:TikTok、Instagram、Youtubeなどの動画プラットフォームで見たことをきっかけに商品・サービスを「買いたくなる」と感じる投稿の特徴をすべて選んでください。(複数選択可)

Q:どんなインフルエンサーやクリエイターであれば、動画視聴後の購入意欲が高まりますか?(複数選択可)

■ 買いたくなるのは「リアル」と「信頼」 動画も人選も“本音”が決め手に
SNS動画が購買行動に与える影響を探ったところ、「短時間で要点がまとまっていて内容がすっと入る」や「実際に使ってレビューしていることが伝わる」といった“情報のリアルさと即効性”が高く評価されていることがわかりました。これは、単に見た目が良いだけの動画ではなく、「使ってどうだったか」をしっかり伝える構成やテンポが、生活者にとって信頼と納得の材料になっていることを示しています。
加えて、購買意欲を高めるインフルエンサー像としては、「フォローしていて日頃から信頼している人」、「専門性の高い人」「実際に使ってレビューする人」が上位に挙がり、“等身大の存在”や“生活に近い存在”への信頼感が、購買行動における最重要因子となっていることが示唆されました。
一方で、「有名人」「フォロワーが多い人」といった“表面的な影響力”には関心が集まりにくく、SNSでの購買促進においては、誰が言っているかよりも、どれだけ本音で語られているか・自分と重ねられるかが決定打になる傾向が見て取れます。
Q:動画視聴中に購入を見送った理由があれば、当てはまるものをすべて選んでください(複数選択可)

■ 欲しくても“確信”がないと買えない
SNS動画視聴後に購買を見送った理由としては、「案件感が強く信頼できない」「価格が高い」「動画は良かったが自分には不要だった」といった項目が上位を占めました。これらの結果からは、TikTok ShopのようなSNS内ショッピングにおいて、ユーザーが“衝動的に欲しい”と感じても、それを自分にとって本当に必要かどうか一度立ち止まって考える傾向がうかがえます。
また、動画の影響力は高い一方で、購入までの心理的ハードルを越えるには、“共感”や“納得感”だけでなく、信頼性やリアルな接触に近い安心材料が求められていることが浮き彫りになりました。
本調査では、TikTok Shopに対する生活者の反応として、認知や利用意向の水準が現時点では限定的であることがうかがえました。特に「知っているが使いたいとは思わない」という回答が多く、サービス開始直後という時期的背景に加え、新たな購買スタイルに対する慎重な姿勢が読み取れます。
また、購買意欲を高める要因としては、短時間で要点が伝わる構成や、実際に使用したレビューのような“リアルさ”が支持されている一方で、購入を見送った理由として「案件感が強い」「価格が高い」「必要性を感じない」といった回答が目立ちました。こうした傾向からは、生活者が情報の信頼性や自身との適合性を重視し、「なんとなく欲しい」だけでは購入に至りにくい様子もうかがえます。
今後、TikTok Shopが生活者の日常に自然と浸透していくためには、こうした“確信のなさ”や“不安の余白”にどう応えていけるかがひとつの鍵となるかもしれません。動画コンテンツと購買の距離をどう縮めるか、その接点設計の工夫が今後の利用意向の高まりに寄与していく可能性がありそうです。
・ 調査概要

調査名 |
「TikTok Shop」に関する意識調査 |
調査期間 |
2025年7月1日〜7月2日 |
実施主体 |
ノウンズ株式会社 |
調査対象 |
全国の一般生活者 |
調査対象者数 |
999名 |
調査方法 |
Knowns 消費者リサーチを通じたインターネット調査(https://knowns.co.jp/) |
※本調査を引用いただく際は出所を明示してください。
出所の記載例:ノウンズ株式会社「TikTok Shopに関する意識調査レポート」より
・ ノウンズ株式会社について
ノウンズ株式会社は、消費者の意識データを捉えるポイ活型モバイルアンケートアプリ「Knowns App」と、企業向けにそのデータを活用したサブスク型のリサーチSaaS「Knowns 消費者リサーチ」を展開しています。
「Knowns 消費者リサーチ」は、回収率の高いモバイルアンケートデータをもとに、定量・定性を横断したインサイト抽出を可能にする新しい調査プラットフォームです。マーケティング担当者が“使い倒せる”形で、リサーチの設計から結果分析までを一貫して支援し、日々の意思決定の精度とスピードの両立を実現します。

会社名:ノウンズ株式会社
所在地:東京都渋谷区道玄坂1丁目7-1 渋谷グローリアビル5F
設立:2019年12月
代表者:代表取締役 田中啓志朗
事業内容:消費者データ分析サービス「Knowns 消費者リサーチ」の開発/販売および消費者から意識データを聴取するスマホアプリ「Knowns App」の運営。
Knowns 消費者リサーチ:https://knowns.co.jp/
Knowns App:https://app.knowns.jp/
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