「無駄な研修だと、もう現場に言わせない。 研修効果を測定し、人を育てるHR へ。」研修の効果を測定できるサーベイ・システム「TSUISEE」の解析データをもとにした、調査レポート前編が公開
〈HRダダ〉レポート第五号 無駄な研修だと、もう現場に言わせない。 研修効果を測定し、人を育てるHR へ。【前編】研修の持つ強みを理解し、 効果測定できる人事部になる
株式会社Maxell's HOIKORO(マクスウェルズ ホイコーロー、代表:前山匡右、本社:大阪府大阪市西区)は、「本当の人的資本経営を実現する唯一のサーベイアプリケーション」を標榜する「TSUISEE(ツイシー)」を提供するスタートアップ企業です。この度、コンサルティングファームの株式会社Consulente HYAKUNENと共同で行ったオンラインイベント「HRダダ」にて公開した「研修効果」の調査内容をレポート化し、その前編部分を公開しました。
「無駄な研修」への違和感 【前編】
HR ダダレポートの第五号は、「研修効果」特集です。研修というと、例えば毎年4 月に入社する新入社員に向けたものなど、人材育成を目的に、さまざまな企業で当たり前のように実施されています。実際、企業研修の市場規模は、総じて5000 億円程度だと言われています。しかし、これほどの大きな投資がなされているにもかかわらず、その投資対効果が正確に分析されることは、ほとんどありません。
研修だけが、どうしてその分析を免れているのでしょうか。
人材を資本として捉える人的資本経営の考えが流行していても、この状況が大きく変わることは未だ起きそうにありません。本来の人的資本経営の考え方に基づくならば、教育や研修は投資であり、実施した研修の効果やリターンを評価すべきです。しかし現状は、一体どれだけの研修を行ったか、を開示しているにすぎません。
そうした状況のなかで、私たちは経営者の方々から「毎年、時間と費用を研修にかける意味があるのだろうか」と、質問をいただきます。また、教育担当者の方々からは、「決して実施した意味がなかったわけではないように思う。けれど、その感覚だけでは、経営層を説得できない」とうかがいます。こうした研修の悩みや違和感は、研修効果を測定することが出来ていない点に大きな原因があるように思わ
れます。効果さえ分かれば、経営者は、時間と費用をかけるべき研修であるか否かを判断できるようになります。そして教育担当者は、参加者に研修を受けさせる意味があったのかどうかを、経営者に説明することができます。では一体、研修の効果とはどのようにすれば測定できるのでしょうか。
今回のHR ダダレポートでは、この問題について検討していきます。もちろん、単に効果測定のハウツーを示すものではありません。そもそも、研修は、OJT 等の他の教育方法が持ちえない独特の強みや特徴を、どのような形で持っているのか。この本質的な問いを起点に、研修の効果について議論していきます。
この進め方は、やや遠回りに感じられるかもしれません。しかし、本当の意味で効果がある研修とは、その独特の強みが十分に発揮された研修を意味します。そのために、本質的な問いを避けることはできないのです。「研修効果」についての議論を進めていきます。
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〈HRダダ〉レポート第五号「研修効果」【前編】
研修の持つ強みを理解し、 効果測定できる人事部になる
変化の激しいVUCA の時代においては、現場で今求められている知識や技術をすぐ学び、その場で応用しながら身に着けていくことが重要だと言われます。そのため、職場から離れた場で一律的に教育を提供する研修よりも、現場での経験学習をもとにしたOJT の教育アプローチの方が、今の時代に適した人材育成の仕組みであると感じられます。研修はもはや、時代遅れの教育方法なのでしょうか。
ここで、ある営業担当者の日常の様子をイメージしながら、二つの教育方法の違いを確認してみましょう。営業担当者は、日々の業務を通じて、顧客のニーズやこだわり、不満について学んでいます。こうして学んだことをもとに、顧客の要望を叶えるように仕事の仕方を最適化していきます。このことは、営業担当者が顧客に対して提供できる価値を高めるために、とても重要です。こうした現場での実践的な学習を繰り返せるような「デキる」営業担当者からすれば、顧客と接点をもたない研修での学びなど、無意味に思われることでしょう。このケースからは、研修よりも、経験学習をベースとしたOJT の方が優れた学習方法だと感じられるはずです。しかし、経営学では、目の前の顧客から学び、その顧客に合わせて最適化してしまうことのリスクを指摘した研究が少なくありません。その一つに、クレイトン・クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』があります。クリステンセンは、高い品質に対してプレミアムを支払ってくれる優良顧客に適応してきた企業が、新しい技術の登場に対応できず市場から駆逐されてしまうという事例を数多く紹介しました。新たに登場した技術が顧客の厳しい要求を満たすことができない場合、ハイエンドの顧客に合わせて最適化してきた企業は、その技術の存在を軽視してしまいます。しかし、時間の流れの中で改善が進み、新技術が顧客の要求を満たす段階に至ると、一気に市場を席巻するようになります。このような技術を、クリステンセンは破壊的技術と呼びました。
目の前の顧客から学ぶことのリスクは、他にもあります。例えば、「顧客からの要望について正しく学び、それに適切に応えることが評価される」ことが社内で繰り返されると、それが暗黙のルールや規範となります。「顧客の要望に応えさえすれば、評価される」と思い込んでしまうと、自ら新しいことを提案するという積極的な姿勢は、見られないようになるでしょう。受け身の態度が組織内に蔓延し、やがては組織文化として定着してしまうケースがあります。良くない組織文化の定着は、社員一人ひとりではなく、企業全体としての能力、すなわちケイパビリティを失わせてしまいます。その結果、ビジネスにおける本質的な課題を解決できなくなり、中長期的には顧客を失ってしまうのです。図1では、これらのリスクが生じるメカニズムについてまとめています。
毎日、現場で顧客の要望に応えることにフォーカスしている営業担当者が、以上のような複雑なプロセスと、それが中長期的にもたらすリスクについて、現場で学び、気付くことは容易ではありません。そもそも、それを学ぼうとも思わないでしょう。だからこそ、現場の文脈から離れて学ぶことの意義があるのです。ここに、研修の持つ独特の強みがあります。「目の前の顧客の要望に応えるだけで十分だ」といった、職場の中で自然と形成されたモノの見方自体に揺さぶりを与えるためには、職場の外に社員を連れ出す必要があります。繰り返しになりますが、研修は職場から離れた「Off-JT」であるからこそ、いつもの職場での「On-JT」を通じては得ることのできない学びの機会となるのです。
ここでは詳述できませんが、レポートでは、「Off-JT」と「On-JT」の学びの違いについて、更に解説を加えています。本レポートの主題となる研修効果の測定については、それらの学びの違いを確認したうえで、議論を進めました。
今回のHRダダレポート第五号は、下記のURLよりダウンロード可能です。
ぜひご参照ください。
【レポートのダウンロードはこちらから】
株式会社Maxwell’s HOIKORO
Chief Development Officer
武蔵野大学 経営学部経営学科准教授
宍戸 拓人
Creative Director
木谷 洋
※本レポートの内容を利用される場合は、著作権法に則り、引用元を明記の上、ご利用をお願い致します。
【第二回 「HRダダ」について】
・開催日 10月23日(水)、24日(木)
・参加無料
※定員500名のところ、残席あとわずかになります。
今後のお申し込み状況によって、100名分の増席を予定していますが、お早めにお申込みください。
詳細とお申込みは、下記のURLよりご確認ください。
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【会社概要】
株式会社Maxell's HOIKORO
代表取締役社長 前山匡右
大阪府大阪市西区土佐堀2-1-6 TOSABORI IVY3階
URL(提供アプリケーション) https://tsuisee.com
URL(弊社WEBサイト) https://www.maxwellshoikoro.com
協力 株式会社Consulente HYAKUNEN
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