日本人は「和食」の味わい方を知らない?お米の味がわからない日本人は4割
「和食」がユネスコ無形文化遺産登録へ 和食における「米」の味わい力向上が、和食を作り・楽しむきっかけに
調査では、和食が無形文化遺産に登録された事に対し、多くの人が誇りを感じ、「和食」に対する興味・関心が向上し、今後和食を積極的に食べようと意識している事がわかりました。
また「和食において最も日本人がこだわりを持つ食材は『米』」である一方で、「『米』の味を見極めるのに自信がない日本人が4割以上いる事」が分かりました。
「和食」の無形文化遺産の登録をきっかけに、日本人の「和食」への意識の高まりが見受けられるものの、特に若年層において「和食」の喫食率は低く、また「和食」を作るのは面倒、難しいと考える人が多いことから、「和食」をもっと気軽に作り、楽しむ方法が求められていると考えられます。
■和食において日本人が最もこだわりを持つ食材1位は「米」、「米」を味わう力に自信が無いが約4割
「和食」においてこだわっている食材を尋ねたところ、「米」が最も多く,次に「出汁(だし)」,「野菜」にこだわりがある事がわかりました。しかしながら、これら食材の味や鮮度、品質の違いを見極める力について、「自信が無い」と回答したのは、いずれも4割にのぼります。また「自信が無い」と回答した割合は年代が低いほど高い傾向にあり、特に「米」においては、20代で約6割が「自信がない」と回答したのに対し、60代では約3割にとどまり年代差で大きく違いが見られました。
【和食において、こだわっている食材】
- 1. 米・・・48%
- 2. 出汁(だし)・・・46%
- 3. 野菜・・・40%
- 4. 調味料・・・34%
■ほぼ毎日「和食」を食べる人は全体で約4割、年齢と共に低下し、20代ではわずか2割。
今回ユネスコ無形文化遺産に登録された、一汁三菜を基本とする「和食」の喫食率を尋ねたところ、毎日食べる人は全体の約23%、ほぼ毎日食べる人を含めると全体の38%で、その割合は年代と共に低下し、20代~30では約2割にとどまりました。一方で「米」など食材の味わいを見極める力について「自信がある」と回答した割合が比較的高い60代では、約6割が毎日和食を食べている事がわかりました。食材を味わう力への自信と、「和食」の喫食率には相関性があると考えられます。
■「和食」無形文化遺産登録を「誇りに思う」が約9割、「和食」への興味・関心、「和食」を食べる意識が向上
一方、今回「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録された事に対し、全体の88%が「誇りに思う」と回答しました。さらに「和食」の無形文化遺産登録をきっかけに、「和食」に対する興味・関心の向上(83%)、勉強意欲の向上(59%)が見られ、「和食をもっと積極的に食べたいと思う」人は全体の76%と高く、「和食」に関する関心度が高まっている事が伺えます。
■「和食」を食べない理由は、「和食」を作る手間と外食中心の食生活
毎日「和食」を食べない理由を尋ねたところ、和食を作る面倒さと外食の多さをあげる人が多い事がわかりました。「和食を作る難しさ」も理由の一つに加わり、「和食」を作る事に抵抗を感じている人が多い事、また忙しい現代人の食生活が喫食率に起因している事がうかがえます。
【和食(一汁三菜)を食べない理由(n=387)】
- 1. 和食は食べるのが面倒・・・25%
- 2. 外食が多い・・・20%
- 3. 自分自身が和食以外の料理が好き・・・18%
- 4. 和食は作るのが難しい・・・17%
- 5. 家族が和食を好きではない・・・10%
和食はお米が基本!「お米は甘い」 日本人の誇りである「お米」の味を感じよう
米は「和食」の基本です。今回ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」は一汁三菜を基本とし、3世代前の日本人が家庭で常食をしていたものを指します。「口中口味」といった、主食を米とし、ごはんとおかず、汁物といったものをバランス良く口の中で味を調える日本食独自の食文化を持つ日本では、「米」は昔から私達の日々の生活に深く結びつく非常に重要なものでした。しかし、それだけ食べられている「米」を甘いと感じられない、「米」の味がわからない現代人が増えています。今回「和食」が無形文化遺産に登録される背景には、今回の調査でも明らかになったように、「食の効率化(添加物やジャンクフードなど)」や「洋風化」、忙しい生活スタイルなどによる日本人の“和食離れ”があります。
昔から日本人が家庭で食べていた「和食」を支える米も、「コメ離れ」が進み、品質も産地と銘柄だけに頼り本当の味を吟味されていないのではないでしょうか。
今回の調査で、「米」が和食においてこだわりの食材であるという結果がでている一方で、「和食」の味わい方において重要だと思うものを尋ねると、「米の味・炊き方」は5位と重要度がそれほど高くない事がわかりました。
和食を作る事を面倒、難しいと考えている人が多いですが、難しく考えずに一汁三菜の基本的な和食を食べる事から初めてみてはいかがでしょうか?その際に基本である「お米」、「出汁(だし)」、「食材」へ意識を向けるだけで、あなたの食事を楽しむ力、「味わい力」が変わってくると思います。また、今回の調査で「飲み物との組み合わせ」の重要度も著しく低い結果が出ていますが、「お米」をはじめとする和食の繊細な味わいを感じるには、飲み物との組み合わせも重要となります。こうした今日からできるちょっとした意識の差で、自身の味わう力が向上し、「和食」の本当の美味しさに気づき、本来の旨味を味わうことができると思います。ユネスコ無形文化遺産への登録をきっかけに、食生活を見直し、できるところから和食を改めて味わう事をおすすめします。
【参考】
■「味わい力」とは?
「味わい力」とは、先天的・動物学的な五味の認識力(いわゆる味覚力)とは異なる、後天的な「食を楽しむ能力」を指します。「味わい力」は、以下の5つの指標を総合的に判定します。
1 「食への意識」 : 食への意識や興味などをスコア化
2 「味覚感度」 :五味識別テスト+濃度識別テスト+認識力テスト(しょうゆ・ダシ・食材・酒の認識力)をスコア化
3 「食に関する表現力」 :食材や料理に関する自由記述(量+項目)をスコア化
4 「食の知識」 : 素材や料理画像と合うものを選択枠より選択するテストをスコア化
5 「食の経験」 : 食材の料理画像の喫食頻度をスコア化
「味わい力」の有無、現代型味オンチタイプが判定できるチェックシート、タイプ別トレーニング方法を高橋酒造のサイトで公開しています。
高橋酒造ウェブサイト:http://www.hakutake.co.jp/ajiwairyoku/
■監修者の紹介
橋本隆志(はしもと たかし)
五ツ星お米マイスター/京の米老舗 八代目儀兵衛 店主
幼い頃から米屋として培われた「効き米」の才能を研磨し続け、五ツ星お米マイスターを取得。全国の五ツ星お米マイスターを代表して平成20年お米日本一コンテストの審査員として招聘される。
日本人の誇れる大切な文化である「米」の美味しさ、また「米」を主とした料理の素晴らしさを伝え、提供しつづける米料亭として「八代目儀兵衛」を平成21年に京都祇園に開き、平成25年10月には銀座店をオープン。
五ツ星お米マイスターとして、食育活動にも力を入れている他、産地や銘柄を基準に買われていたお米を、美味しさを基準に買ってもらえるようにしたいという想いから、「日本お米向上委員会」を発足し、産地銘柄や食味計の点数ではなく、自らの感覚をもって本当に美味しいお米を厳選する「お米番付」の企画運営など、「米」の魅力、伝統、文化を継承する活動を行っている。
■高橋酒造株式会社について
明治33年(1900年)創業、熊本県人吉市に本社を置く球磨焼酎製造会社。高橋酒造が製造する「しろ」は、人吉盆地の清らかな水と良質な米のみを原料として造られた本格米焼酎です。すっきりとした飲み口と、上品で芳醇な香り、クセのないすっきりした口当たりで、どんな料理も美味しく引き立てる、まさに「食を楽しむ」ための食中酒です。毎日の食事の中で、料理と飲み物の組み合わせを考えるなど、食への意識を高めることを大切にしている高橋酒造は、食を楽しむ力「味わい力」を全国へ広げる活動を実施していきます。
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