【教授の本棚】糸島の小さな本屋から日常を揺り動かす「わからなさ」を配達します by 本屋アルゼンチン
教授の退任後に行き場をなくした2000冊の本が、日本中に届けられます。ランダムに選ばれた10冊の本が、ひと月の間誰かに開かれるのを待っています。
合同会社こっから(以下、Kokkara)が運営する本屋アルゼンチンは、センコーグループホールディングス株式会社と共同で、大学教授の本棚から書籍を配本するサービス「教授の本棚」を開始しました。
教授の本棚サービスサイト
本サービスでは、教授や専門家が長年にわたり収集してきた貴重な書籍から約10冊を貸し出します。期間は1ヶ月になります。九州大学名誉教授であり筑紫女学園大学学長を務める南博文先生ご提供の書籍をもとに、全50枠でサービス参加者の募集を開始します。今後は、さまざまな分野の教授をお迎えし、多様な知識との出会いを提供する場を広げてまいります。
<背景>なぜ「教授の本棚」を開始したか
本屋アルゼンチンは、本を生業とする人たちが、道具として選び、集めてきた書籍の価値に着目しています。教授の本棚プロジェクトは、南先生が約40年の間で収集してきた2000冊の書籍が、九州大学退任後に行き場を失うという問題に直面したところから始まりました。
教授の退任時に頭を悩ませる蔵書の処分方法は、大学図書館も蔵書数の圧迫で余裕がなく、廃棄するか、古本として散り散りになるほか、選択肢は限られます。これからも退任する教授が増加する中、多くの書籍がその文脈を失い廃棄される未来が待っています。
そこで本屋アルゼンチンは行き場をなくした書籍を小さなサイズの本棚に再編集し、日本中へ届ける試みをスタートしました。この取り組みによって、廃棄書籍の利活用、サービス利用者の高校生には偏差値偏重の大学選びにおける新たな選択肢を、社会人には「大人の学び」のきっかけを届ける予定です。
<特徴> わからなさを届ける
配本される書籍は専門性が高く、日常生活では触れることのない「学術書」が中心になります。環境心理学・社会学・人類学・哲学を中心とした学際的な分野の書籍が10冊1セットでまとめられています。内容は難解であり専門分野を研究していない方にとっては理解が追いつかない部分があります。しかし、わたしたちは「わかりやすさ」が重視される社会において、「わからなさ」と出会うことを避けているのではないか。その問題意識から単に破棄するのではなく「わからなさ」をランダムに届けることによって人々の好奇心を喚起するのではないかと考え、本サービスを運営しています。
<概要>教授の本棚サービスについて
◼︎「教授の本棚」とは
「教授の本棚」は、大学教授の本棚から書籍を配本するサービスです。教授の本棚。それは、本を選び、読み、教え、咀嚼してきた教授の生きた時間が圧縮された知の世界です。そうした書籍たちは、普段学校の外にいる私たちの知的好奇心をも揺さぶる存在ではないでしょうか。
時に難解で、考えさせられる言葉の数々。しかしそれは、受け取り手の日常を揺り動かす「わからなさ」かもしれない。教授の本棚には沢山の書籍が並んでいます。多くの本は、書棚で眠っており、教授の退任時には破棄される本も少なくありません。彼らが磨き上げてきた身体の一部ともいえる教授の本棚を、社会へ開くことはできないか。私たちはそう考えました。曖昧さを許さず「わかりやすい」ことのみが尊ばれ、本や書籍がインスタントに「消費」されていく時代 。そんな社会の潮流に向けて、本屋アルゼンチンからささやかな抵抗を始めます。その一歩が「教授の本棚」です。
◼︎サービス概要
「教授の本棚」プロジェクトの参加者は、1か月の間、約10冊の書籍を受け取り、期間中に書籍や参加者との交流を通じて「わからなさ」を味わいます。今回は、全50枠の募集を行い、そのうち5枠は高校生向けに無料で提供いたします。
▶︎募集枠
全50枠(一般枠45枠、高校生枠5枠)
※応募が定員を超えた場合には、抽選で参加者を決定いたします。
▶︎参加費用
一般枠:4,000円(税込)
高校生枠:無料
▶︎応募期間
10月7日~10月30日
▶︎サービス期間
11月上旬~12月上旬
▶︎応募方法
教授の本棚申し込みフォーム
<教授紹介>
▶︎教授
<運営メンバー>
合同会社こっから(本屋アルゼンチン)
糸島・二丈エリアの最果ての地にわざわざ足を運んで遭遇する「わからなさ」が価値。ビジネスパーソンに届けたい「ビジネス書以外」を用意。並ぶ本以外に多様なイベントを展開中。ビジネスとアカデミアの間をつなぐ頼りない吊り橋として存在するのがこの本屋の特徴。吊り橋は揺れる。揺れるから身体に染み込み、忘れない。ズレとユレをアマゾンではなく、アルゼンチンから。
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