世界トップクラスの料理大学で「うま味」の授業~今年で4回目 のべ800名の学生が受講~
講師のひとり、京都の瓢亭15代目当主 高橋義弘さんは、父親で14代目の高橋英一さんが考案した鮪節を使った一番だしを参加者に提供。昆布と鰹節による伝統のだしを守るだけでなく、料理の本質を理解することで革新的な変化を遂げることができること、海外でも受け入れやすい出汁を考案することができることを学生に伝えたいと、塩麹をまぶして熟成させた鯛の中骨、焼いたトマト、セロリを使った新しい出汁を披露しました。
また、京料理鶏米の代表取締役田中良典さんは、店に代々伝わる秘伝の鶏だしを披露。鶏の足、頭と水のみを長時間加熱調理した鶏だしは、チキンスープとは異なり、「うま味」が強調されつつも日本料理らしい優しい味わいに。全く新しいコンセプトでありながら、懐かしさを感じさせてくれる味に、学生たちからは「ソールフード」という声もあがりました。
2013年から毎年講義を行っているUIC理事二宮くみ子(農学博士)は「回を重ねるごとに学生たちのうま味に対する理解度が上がってきていることを強く実感している。4年前はうま味がトマト、チーズ、肉などにもあり、日本料理だけのものではないことに驚く学生が多かった。減塩野菜スープにうま味を加えることで劇的においしくなることなど、いくつかの試食を授業に入れていくことで体感し、気づき、真の理解に繋がる、UIC独自の手法が功を奏している」と確実な手応えを語っていました。
CIAのカリナリーアート部門の副部長 ホーウィ ヴィレさんは「甘味、酸味、塩味、苦味とは異なり、穏やかで微妙な味である「うま味」を本当に理解してもらうためには体験することがとても重要です。200名分の試食サンプルを準備するのは大変な作業ですが、UICはいつも体験を交えた講義を実施してくれることに感謝しています。前日および当日の準備のために、毎年ボランティアの学生を募っていますが、京都からやってきた一流の料理人から直接指導が受けられる貴重な機会です。今後はハイドパーク校だけでなく、ナパ、サンアントンやシンガポール校でも、このような授業が実現できると良いと思っています」と語っています。
■NPO法人うま味インフォメーションセンター
日本人が発見した基本味のひとつである「うま味」に関する理解促進を国内外で実施。体験を重視し「うま味」の知識だけでなく感覚として理解する講義を幅広く実施している。また、おいしいを現す「旨味」と「うま味」の違い、うま味物質の正しい理解促進にも力を注いでいる。
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