エバーブルーテクノロジーズ、国土交通省「スマートアイランド推進実証調査業務」山形県酒田港−飛島実証実験、第二回を実施
〜帆船型ドローンの貨物運搬:稼働コスト2.4円で連続9時間の自動航行に成功〜
風力をダイレクトに動力として利用した帆走の自動化技術を通して、持続可能な社会の実現に貢献するエバーブルーテクノロジーズ株式会社(本社:東京都調布市、代表取締役CEO:野間 恒毅、以下エバーブルー)はこのたび、同社が参画する国土交通省実施の「令和4年度スマートアイランド推進実証調査業務」にて、2022年11月21日より2回目の実証調査を実施いたしましたのでご報告いたします。
同取り組みは、エバーブルーが酒田市、とびしま未来協議会、NTTデータ経営研究所、東日本電信電話株式会社山形支店(山形支店長 渡会 俊輔、以下NTT東日本)と共に運営するコンソーシアム「飛島スマートアイランド推進協議会」にて採択を受けたものです。
小型ヨット型ドローン「everblue AST-231」を使った、無人自動操船、運搬・海洋調査、海上パトロールを担当、同帆船型ドローンを使って無人操船で自動航行させ、生活物資や海ゴミの運搬、遠隔海上パトロールを実証することが主な実験内容となります。
<実証実験動画>
◆海況により帆を操作するウインチの動作が不安定になる可能性
→ウインチの新設計と実装にて解消、安定性、安全性の向上を確認
◆消費電力を抑え長時間航行を可能にする
→モータードライバの設計変更による安定動作と消費電力を1/4に抑えることに成功
◆LoRaを利用した直接通信、テレメトリーの実証
<実証実験結果>
自動航行距離:前回の3倍以上となる19km(10海里)の無人自動帆走に成功
酒田港を伴走船に曳航されて出航、酒田港湾外で切り離し自動帆走に切り替え、追い風で17km、向かい風で2kmの合計19km(10海里)を無人で自動航行しました。前回実験時は6kmを航行しましたが、今回その3倍以上を航行、理論上最長航行距離は約570km(300海里)に達することがわかりました。
また今回弱い向かい風でも航行できたことで、風向や風速に左右されやすい帆船であっても航路や海況に比較的柔軟に対応できることを証明しました。
自動航行時間:約9時間のトラブル無しの連続稼働に成功
エバーブルーとしても無人航行稼働時間としては最長時間を記録、100時間程度の連続稼働が可能なことがわかりました。今後ソーラーパネルなどの補助充電装置を搭載することで理論上、無寄港、無充電で無限に航行することが可能です。
総電気量わずか2.4円
今回の自動航行(約9時間)において制御装置(ロープを巻くウィンチ、ラダーを動かすためのバッテリー)が消費した電力量は87Wh、電気代に換算してわずか2.4円とかなりの省電力となりました。
風力をダイレクトに推進力に変える自動帆走テクノロジーは地球温暖化ガスの排出量がゼロで環境に優しく省エネルギーであり、かつ電気代もほぼかからないため輸送コスト削減にも繋がる手段であることが実証されました。
酒田市内から14.7kmの直接通信、位置情報のテレメトリーを実証
AST-231に標準搭載している4G/LTEを使ったテレメトリーの他、LoRaを使った通信回線でAST-231の位置情報を酒田市内の移動局に転送、テレメトリーできることが証明されました。今後4G/LTEのサービスエリア以外でも長距離のテレメトリーや遠隔操作を実現することが可能となります。
<今後の展開>
今回航行テストを行った、酒田港―飛島間は、通常から定期便の欠航が多いなど不安定な海域であり、条件の厳しいエリアであったことから、国交省、海上保安庁などの指導のもと安全を重視した実証実験となりましたが、運用に繋げられる前向きな成果が実証されました。
また今回の海上の貨物輸送や警備監視、海洋資源調査などは酒田市のケーススタディと同様の課題を抱える離島や沿岸部の自治体や地域は多いのではないかと考え、課題解決に貢献できればと考えています。
この度の実証実験の結果を受け、ローコストかつ安定して長時間に渡り水上にとどまり、移動できることから、航空ドローン、水中ドローンの活動域の拡大に繋がる「ドローン母艦」的な活用も期待できます。
エバーブルーテクノロジーズでは今後さらに、外洋、荒天に耐えられる離島向け貨物船ドローンなどの開発に注力していきたいと考えています。
<補足:第1回目実証実験概要>
・酒田港から飛島
無人航行させる際の課題抽出のための初回航行テストを実施、39km中 6km (2時間)を無人自動帆走。
・御積島周辺
密漁船などの警備監視パトロールを無人航行船にて遠隔監視することを想定したテスト。インターネット経由で遠隔からの島周辺のライブ映像、音声の確認とマイクを使って話しかけることが可能であることを確認。
・法木港から勝浦港
島に漂着する海ゴミを海上輸送することを想定したテスト。海洋ゴミを積載、無人での自動帆走にて運搬できることを確認。
・法木港から藻場調査海域
水産資源管理、保護を目的に予め指定した海域の藻場の水中映像を撮影。藻場調査海域移動、自動航行し指定された藻場エリア内にジグザグの経路を設定、自動で航行しまんべんなく海中を撮影することを確認。
<補足:スマートアイランド推進実証調査業務について>
「スマートアイランド推進実証調査業務」は、離島地域が抱える課題解決のためICTなどの新技術を離島地域に実装することを目的とした国土交通省が進める取り組みで、離島がある地方公共団体と新技術を持つ民間企業・団体が共同で実施されるものです。
令和4年度は全国12箇所で実施され、今回弊社が参画、調査を実施することとなった⼭形県酒⽥市(⾶島)では、⾃然エネルギーを活⽤した島外からの物流サービスを実現すること、⼈⼝減少や天候不順といった環境にも柔軟に対応できる持続可能な社会システムを構築することを⽬指します。
参考:
https://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/chirit/smartisland.html(離島振興課HP)
https://www.mlit.go.jp/smartisland/index.html(スマートアイランド特設HP)
<補足:山形県酒田市飛島が抱える課題について>
飛島では現在、島外からの物流は唯一の運搬手段である定期船の運航に委ねられており、通常期は1日1便。天候により大きく左右され、年間を通して多くの欠航が起こる状態で島内への物流が限定・一時遮断されることもあります。また人口の減少に伴う、島の海岸へ漂着する大量の「漂流ごみ」の回収と運搬も課題。こういった事象に加え長期化しているコロナ禍により、観光人口・関係人口が減少し、島内の主力産業である観光産業の回復が遅れています。
【エバーブルーテクノロジーズについて】
小型ヨット型ドローン「everblue AST-231」を使った、無人自動操船、運搬・海洋調査、海上パトロールを担当、同帆船型ドローンを使って無人操船で自動航行させ、生活物資や海ゴミの運搬、遠隔海上パトロールを実証することが主な実験内容となります。
<実証実験動画>
<今回の実証実験概要>
◆海況により帆を操作するウインチの動作が不安定になる可能性
→ウインチの新設計と実装にて解消、安定性、安全性の向上を確認
◆消費電力を抑え長時間航行を可能にする
→モータードライバの設計変更による安定動作と消費電力を1/4に抑えることに成功
◆LoRaを利用した直接通信、テレメトリーの実証
<実証実験結果>
自動航行距離:前回の3倍以上となる19km(10海里)の無人自動帆走に成功
酒田港を伴走船に曳航されて出航、酒田港湾外で切り離し自動帆走に切り替え、追い風で17km、向かい風で2kmの合計19km(10海里)を無人で自動航行しました。前回実験時は6kmを航行しましたが、今回その3倍以上を航行、理論上最長航行距離は約570km(300海里)に達することがわかりました。
また今回弱い向かい風でも航行できたことで、風向や風速に左右されやすい帆船であっても航路や海況に比較的柔軟に対応できることを証明しました。
自動航行時間:約9時間のトラブル無しの連続稼働に成功
エバーブルーとしても無人航行稼働時間としては最長時間を記録、100時間程度の連続稼働が可能なことがわかりました。今後ソーラーパネルなどの補助充電装置を搭載することで理論上、無寄港、無充電で無限に航行することが可能です。
総電気量わずか2.4円
今回の自動航行(約9時間)において制御装置(ロープを巻くウィンチ、ラダーを動かすためのバッテリー)が消費した電力量は87Wh、電気代に換算してわずか2.4円とかなりの省電力となりました。
風力をダイレクトに推進力に変える自動帆走テクノロジーは地球温暖化ガスの排出量がゼロで環境に優しく省エネルギーであり、かつ電気代もほぼかからないため輸送コスト削減にも繋がる手段であることが実証されました。
酒田市内から14.7kmの直接通信、位置情報のテレメトリーを実証
AST-231に標準搭載している4G/LTEを使ったテレメトリーの他、LoRaを使った通信回線でAST-231の位置情報を酒田市内の移動局に転送、テレメトリーできることが証明されました。今後4G/LTEのサービスエリア以外でも長距離のテレメトリーや遠隔操作を実現することが可能となります。
無人自動帆走時の風速/速度
- 最大風速 5.4m/s
- 平均風速 2.3m/s
- 最高速度 3.1m/s (11.16km/h)
- 平均速度 1.7m/s (6.12km/h)
<今後の展開>
今回航行テストを行った、酒田港―飛島間は、通常から定期便の欠航が多いなど不安定な海域であり、条件の厳しいエリアであったことから、国交省、海上保安庁などの指導のもと安全を重視した実証実験となりましたが、運用に繋げられる前向きな成果が実証されました。
また今回の海上の貨物輸送や警備監視、海洋資源調査などは酒田市のケーススタディと同様の課題を抱える離島や沿岸部の自治体や地域は多いのではないかと考え、課題解決に貢献できればと考えています。
この度の実証実験の結果を受け、ローコストかつ安定して長時間に渡り水上にとどまり、移動できることから、航空ドローン、水中ドローンの活動域の拡大に繋がる「ドローン母艦」的な活用も期待できます。
エバーブルーテクノロジーズでは今後さらに、外洋、荒天に耐えられる離島向け貨物船ドローンなどの開発に注力していきたいと考えています。
<補足:第1回目実証実験概要>
・酒田港から飛島
無人航行させる際の課題抽出のための初回航行テストを実施、39km中 6km (2時間)を無人自動帆走。
・御積島周辺
密漁船などの警備監視パトロールを無人航行船にて遠隔監視することを想定したテスト。インターネット経由で遠隔からの島周辺のライブ映像、音声の確認とマイクを使って話しかけることが可能であることを確認。
・法木港から勝浦港
島に漂着する海ゴミを海上輸送することを想定したテスト。海洋ゴミを積載、無人での自動帆走にて運搬できることを確認。
・法木港から藻場調査海域
水産資源管理、保護を目的に予め指定した海域の藻場の水中映像を撮影。藻場調査海域移動、自動航行し指定された藻場エリア内にジグザグの経路を設定、自動で航行しまんべんなく海中を撮影することを確認。
<補足:スマートアイランド推進実証調査業務について>
「スマートアイランド推進実証調査業務」は、離島地域が抱える課題解決のためICTなどの新技術を離島地域に実装することを目的とした国土交通省が進める取り組みで、離島がある地方公共団体と新技術を持つ民間企業・団体が共同で実施されるものです。
令和4年度は全国12箇所で実施され、今回弊社が参画、調査を実施することとなった⼭形県酒⽥市(⾶島)では、⾃然エネルギーを活⽤した島外からの物流サービスを実現すること、⼈⼝減少や天候不順といった環境にも柔軟に対応できる持続可能な社会システムを構築することを⽬指します。
参考:
https://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/chirit/smartisland.html(離島振興課HP)
https://www.mlit.go.jp/smartisland/index.html(スマートアイランド特設HP)
<補足:山形県酒田市飛島が抱える課題について>
飛島では現在、島外からの物流は唯一の運搬手段である定期船の運航に委ねられており、通常期は1日1便。天候により大きく左右され、年間を通して多くの欠航が起こる状態で島内への物流が限定・一時遮断されることもあります。また人口の減少に伴う、島の海岸へ漂着する大量の「漂流ごみ」の回収と運搬も課題。こういった事象に加え長期化しているコロナ禍により、観光人口・関係人口が減少し、島内の主力産業である観光産業の回復が遅れています。
【エバーブルーテクノロジーズについて】
- [会社名]エバーブルーテクノロジーズ株式会社
- [代表者]野間 恒毅(のま つねたけ)
- [設 立]2018年12月
- [本社所在地]東京都調布市緑ヶ丘二丁目67番地1号フェリーチェ緑ヶ丘A2
- [活動拠点]逗子海岸、御前崎、シンガポールなど
- [事業概要]帆船型ドローンの製造販売、帆船型ドローンを利用したサービス、ソリューション提供、自動帆走技術の提供などを主な事業とし、カーボンフリーな世界の実現を目指します。将来的には海上の再生可能エネルギー、潮力、波力、風力由来の電力を使用して水素を製造し、エネルギー消費地へ自動運搬する水素エネルギーサプライチェーン「Hydroloop(ハイドロループ)」の実現を構想しています。
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