便秘・下痢治療への、排便コントロールにおける薬剤選択の現状について医師にアンケート調査を実施
「自然な排便」を重視した実態が明らかに
ビオフェルミン製薬株式会社(本社:神戸市、社長:北谷脩)は、岡崎外科消化器肛門クリニック 院長 岡崎啓介先生と、大腸外科・肛門外科領域の医師152名を対象に、便秘・下痢治療に関する調査を実施しました。その結果、ちょうど良い硬さの便を無理なく排便できることを目標とする「排便コントロール」において、「自然な排便が得られる」ことが重視されていました。また、下痢症での処方では「プロバイオティクス・整腸剤」が最も多く選択されていました。
本研究成果は、『診療と新薬』第57巻 第5号(2020年5月)に掲載されました。
※プロバイオティクスとは、人に有益な影響をもたらす生きた微生物、あるいはその微生物を含む食品のことで、代表的なプロバイオティクスであるビフィズス菌や乳酸菌などは整腸剤に配合され、便秘や下痢の治療に用いられています。
本研究成果は、『診療と新薬』第57巻 第5号(2020年5月)に掲載されました。
※プロバイオティクスとは、人に有益な影響をもたらす生きた微生物、あるいはその微生物を含む食品のことで、代表的なプロバイオティクスであるビフィズス菌や乳酸菌などは整腸剤に配合され、便秘や下痢の治療に用いられています。
【背景】
厚生労働省の平成28年国民生活基礎調査によると、国内の便秘有訴者率は2~5%とされています。有訴者は60歳代ごろまでは横ばいで推移しますが、70歳代以上では急激に増加します。若い世代では女性が多いものの、高齢者になるにしたがって男性の便秘も増加し、男女差がほとんどなくなります。原因は、食事量・食物繊維摂取量・水分量の低下、筋肉量や腸の機能の低下などがあげられますが、食事や運動などの工夫だけでの排便コントロールは難しいのが現状です。
今回は、排便コントロールが手術後の治療として必須とされる大腸外科・肛門外科領域の医師を対象に、排便コントロールに関する便秘、下痢への薬による治療の現状を理解することを目的とし、アンケート調査を実施しました。
【調査結果のポイント】
〈ポイント1〉排便コントロールの重視点「自然な排便が得られる」が過半数
排便コントロールで重要視している事を聞いたところ、1位から3位まで順位付けされた項目を合算した順位は、自然な排便が得られる(68.4%)、便性状の改善(56.0%)、排便回数の改善(48.6%)の順となりました(図1)。“排便コントロール”とは、患者さんにとって気持ちの良い排便状態に改善し維持することで、ちょうどよい硬さの便を無理なく排便できることを目標としています。痔核(いぼ痔)の手術後の出血等の合併症を予防するだけでなく、患者さんがすがすがしい毎日を送るためにも適切な“排便コントロール”が不可欠です。
慢性便秘症の患者さんに処方する薬の割合を聞いたところ、継続治療時では、浸透圧性下剤:塩類下剤(49.5%)が最も多く、次いでプロバイオティクス・整腸剤(22.7%)、上皮機能変容薬(19.1%)、刺激性下剤(16.8%)が続きました(※ひとりの患者さんに複数の薬を処方しており、合計は100%を超えます)。
また慢性便秘症の治療で各薬の処方理由を聞いたところ、プロバイオティクス・整腸剤では「安全性が高い」が最も多く80.4%でした。最近では食品などにも利用されているプロバイオティクスもあるため、このような印象になったと考えられます。
〈ポイント3〉下痢の治療では「プロバイオティクス・整腸剤」が処方割合トップ
下痢の患者さんについても同様に、処方する薬の割合を聞いたところ、プロバイオティクス・整腸剤が73.7%と最も多く、次いで腸管運動抑制薬(27.5%)、収斂薬(16.1%)、殺菌薬(5.8%)の順でした(図2)。医師の中では、プロバイオティクス・整腸剤は、下痢症に対する薬というイメージが強く、便秘に対する有用性が十分認知されていない可能性も考えられます。
調査概要
【調査目的】大腸外科・肛門外科領域の医師を対象として、排便コントロールに関する便秘、下痢への薬物療法の現状を理解する。
【対象者条件】株式会社プラメドに登録している医師のうち、登録情報として、主診療科が「消化器外科」もしくは「一般外科」であり、「日本大腸肛門病学会」に所属している医師のうち、「最近1ヶ月間に薬物療法を実施した慢性便秘症患者数」が「1名以上」と回答した医師
【調査手法】インターネット調査(株式会社インテージヘルスケア)
【調査期間】2020年2月18日~25日 【調査地域】全国
【サンプル数】152名 【構成】消化器外科120名、一般外科32名
掲載論文
「大腸外科・肛門外科領域での排便コントロールにおける薬剤選択の現状:医師対象インターネットアンケート調査」
岡崎外科消化器肛門クリニック 岡崎啓介
「診療と新薬」2020;57(5):461-468
https://www.shinryo-to-shinyaku.com
※本アンケート調査は、岡崎外科消化器肛門クリニック 院長 岡崎啓介先生と共同で実施されました。
論文著者について
岡崎外科消化器肛門クリニック 院長 岡崎啓介
医学博士、日本大腸肛門病学会評議員 肛門外科領域専門医、日本外科学会 外科専門医、日本消化器病学会 消化器病専門医、日本臨床肛門病学会 技能指導医
1990年3月 産業医科大学医学部卒 第一外科入局、産業医科大学病院、九州労災病院
1994年4月-1998年3月 産業医科大学大学院 大腸癌転移機構の研究 大腸癌細胞株PMF-ko14樹立
1998年6月-2000年3月 米国Yale大学Postdoctoral associate(博士研究員)
2002年4月-2004年3月 チクバ外科胃腸科肛門科病院などを経て
2009年4月 姫路市で岡崎外科消化器肛門クリニックを開院
ビオフェルミン製薬について
1917年2月に創立したビオフェルミン製薬株式会社は、「乳酸菌のくすりで、おなかの健康を守り、すべての人が健やかに暮らせる社会に貢献する」ことを創業以来の理念とし、100年以上、乳酸菌を用いたくすりの研究・開発に取り組んでいます。
会社名: ビオフェルミン製薬株式会社
設立 : 1917年(大正6年)2月12日
本社住所: 〒650-0021 神戸市中央区三宮町一丁目1番2号三宮セントラルビル12階
会社HP :https://www.biofermin.co.jp
厚生労働省の平成28年国民生活基礎調査によると、国内の便秘有訴者率は2~5%とされています。有訴者は60歳代ごろまでは横ばいで推移しますが、70歳代以上では急激に増加します。若い世代では女性が多いものの、高齢者になるにしたがって男性の便秘も増加し、男女差がほとんどなくなります。原因は、食事量・食物繊維摂取量・水分量の低下、筋肉量や腸の機能の低下などがあげられますが、食事や運動などの工夫だけでの排便コントロールは難しいのが現状です。
今回は、排便コントロールが手術後の治療として必須とされる大腸外科・肛門外科領域の医師を対象に、排便コントロールに関する便秘、下痢への薬による治療の現状を理解することを目的とし、アンケート調査を実施しました。
【調査結果のポイント】
- 排便コントロールでの重視点は「自然な排便が得られる」「便性状の改善」「排便回数の改善」
- 慢性便秘症治療での“プロバイオティクス・整腸剤”の選択理由は、「安全性が高い」
- 下痢症治療での薬の処方割合では“プロバイオティクス・整腸剤”がトップ
〈ポイント1〉排便コントロールの重視点「自然な排便が得られる」が過半数
排便コントロールで重要視している事を聞いたところ、1位から3位まで順位付けされた項目を合算した順位は、自然な排便が得られる(68.4%)、便性状の改善(56.0%)、排便回数の改善(48.6%)の順となりました(図1)。“排便コントロール”とは、患者さんにとって気持ちの良い排便状態に改善し維持することで、ちょうどよい硬さの便を無理なく排便できることを目標としています。痔核(いぼ痔)の手術後の出血等の合併症を予防するだけでなく、患者さんがすがすがしい毎日を送るためにも適切な“排便コントロール”が不可欠です。
〈ポイント2〉プロバイオティクス・整腸剤の選択理由は「安全性が高い」
慢性便秘症の患者さんに処方する薬の割合を聞いたところ、継続治療時では、浸透圧性下剤:塩類下剤(49.5%)が最も多く、次いでプロバイオティクス・整腸剤(22.7%)、上皮機能変容薬(19.1%)、刺激性下剤(16.8%)が続きました(※ひとりの患者さんに複数の薬を処方しており、合計は100%を超えます)。
また慢性便秘症の治療で各薬の処方理由を聞いたところ、プロバイオティクス・整腸剤では「安全性が高い」が最も多く80.4%でした。最近では食品などにも利用されているプロバイオティクスもあるため、このような印象になったと考えられます。
〈ポイント3〉下痢の治療では「プロバイオティクス・整腸剤」が処方割合トップ
下痢の患者さんについても同様に、処方する薬の割合を聞いたところ、プロバイオティクス・整腸剤が73.7%と最も多く、次いで腸管運動抑制薬(27.5%)、収斂薬(16.1%)、殺菌薬(5.8%)の順でした(図2)。医師の中では、プロバイオティクス・整腸剤は、下痢症に対する薬というイメージが強く、便秘に対する有用性が十分認知されていない可能性も考えられます。
本論文の著者、岡崎外科消化器肛門クリニック 院長 岡崎啓介先生にお話しを伺いました。
排便コントロールのために整腸剤は処方されていますが、どのような理由・目的でどの程度使用されているかは不明でした。多用する医師がいる一方、ほとんど使用しない医師もいました。これはどういうことを意味しているのでしょうか。各種下剤についてはこれまでに調査結果が示されていますが、整腸剤についてはわかっていません。私のこの疑問について、ビオフェルミン製薬株式会社において共有していただき、同社の協力でインターネットアンケートを実施することができました。さらに良いことにビオフェルミン社製品に限ることなく、すべての製品を対象としたアンケートとなったことで、本邦でのプロバイオティクス・整腸剤の使われ方について俯瞰する有意義な結果になったと考えています。今後のエビデンス創生のスタートラインになる報告ができたことを嬉しく思っています。
調査概要
【調査目的】大腸外科・肛門外科領域の医師を対象として、排便コントロールに関する便秘、下痢への薬物療法の現状を理解する。
【対象者条件】株式会社プラメドに登録している医師のうち、登録情報として、主診療科が「消化器外科」もしくは「一般外科」であり、「日本大腸肛門病学会」に所属している医師のうち、「最近1ヶ月間に薬物療法を実施した慢性便秘症患者数」が「1名以上」と回答した医師
【調査手法】インターネット調査(株式会社インテージヘルスケア)
【調査期間】2020年2月18日~25日 【調査地域】全国
【サンプル数】152名 【構成】消化器外科120名、一般外科32名
掲載論文
「大腸外科・肛門外科領域での排便コントロールにおける薬剤選択の現状:医師対象インターネットアンケート調査」
岡崎外科消化器肛門クリニック 岡崎啓介
「診療と新薬」2020;57(5):461-468
https://www.shinryo-to-shinyaku.com
※本アンケート調査は、岡崎外科消化器肛門クリニック 院長 岡崎啓介先生と共同で実施されました。
論文著者について
岡崎外科消化器肛門クリニック 院長 岡崎啓介
医学博士、日本大腸肛門病学会評議員 肛門外科領域専門医、日本外科学会 外科専門医、日本消化器病学会 消化器病専門医、日本臨床肛門病学会 技能指導医
1990年3月 産業医科大学医学部卒 第一外科入局、産業医科大学病院、九州労災病院
1994年4月-1998年3月 産業医科大学大学院 大腸癌転移機構の研究 大腸癌細胞株PMF-ko14樹立
1998年6月-2000年3月 米国Yale大学Postdoctoral associate(博士研究員)
2002年4月-2004年3月 チクバ外科胃腸科肛門科病院などを経て
2009年4月 姫路市で岡崎外科消化器肛門クリニックを開院
ビオフェルミン製薬について
1917年2月に創立したビオフェルミン製薬株式会社は、「乳酸菌のくすりで、おなかの健康を守り、すべての人が健やかに暮らせる社会に貢献する」ことを創業以来の理念とし、100年以上、乳酸菌を用いたくすりの研究・開発に取り組んでいます。
会社名: ビオフェルミン製薬株式会社
設立 : 1917年(大正6年)2月12日
本社住所: 〒650-0021 神戸市中央区三宮町一丁目1番2号三宮セントラルビル12階
会社HP :https://www.biofermin.co.jp
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