【wevox】テレワークによるエンゲージメントの低下とその対処法

〜テレワーク専門組織ワークスイッチコンサルティングと共同分析〜

People Tech事業を運営するアトラエは、総合人材サービスのパーソルプロセス&テクノロジー株式会社のコンサルティング部門であるワークスイッチコンサルティングとテレワークとエンゲージメントの関係について共同分析を行ったことをお知らせいたします。
本共同分析の結果、テレワークの継続により、エンゲージメントが低下するパターンが少なくとも2つあることがわかりました。なお、本分析では低下したエンゲージメントに対して有効であったと思われる対処法も判明しましたので合わせてお知らせいたします。

※エンゲージメントとは
組織に対する自発的な貢献意欲や、 主体的に仕事に取り組んでいる心理状態を指標化したもの。

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■背景
現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止のため、多くの企業がテレワークの緊急導入に迫られています。しかし、遠隔でのコミュニケーションや労働実態の管理、新入社員や異動した社員の定着支援などマネジメントの困難さ[i]を理由に、テレワークの導入が容易ではないこともまた事実です。

そこで、2015年よりテレワークを実施しているワークスイッチコンサルティングのテレワークに関するデータと、アトラエの運営するエンゲージメント解析ツール「wevox(ウィボックス)」のエンゲージメントデータをもとに、テレワークとエンゲージメントの関連についての共同分析を実施いたしました。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、全世界で同時多発的に、歴史的な危機に直面している今、私たちにできる最大の貢献を果たすべく、本共同分析の実施および結果の公表を決めました。この結果が多くの企業様の検討に役立ち、この危機的状況に柔軟かつ適切に対処できることを切に願っています。

■分析概要
対象者
ワークスイッチコンサルティング内でテレワークを実践している社員を約20名選出
Group1 : テレワークを実施しており、2019年10月に人事異動があった組織
Group2 : テレワーク実施中の組織(同10月には大きな人事異動なし)
※約半数が4月入社の新卒メンバー

分析対象期間
2019年10月〜2020年03月
※直近の人事異動があった期間が調査対象

テレワーク実施状況
今回の調査対象のチームでは、週4~5回のテレワークを実施

エンゲージメントデータ
2019年10月〜2020年03月の分析対象期間の「wevox」のエンゲージメントスコアを活用
 
調査結果
  • テレワークの長期継続は、組織への共感度合いやチームワークが悪化する場合がある
  • テレワークと異動が重なると、エンゲージメントが悪化する場合がある
  • 上記いずれの場合でも、エンゲージメントの向上につながると考えられる対応策がある
  • 特に今回の場合においては、オンラインでの1on1実施や、組織方針の明確化と共有などが有効だったと考えられる

■詳細
テレワークの長期継続による組織への共感とチームワークへの悪影響
下記グラフは、wevoxのエンゲージメントスコアを5つの要素に分解し、その推移を今回の調査対象の部署(group_2)についてプロットしたグラフである。

 この部署においては、「チームワーク」と「組織への共感」のエンゲージメントスコアが長期的に下降トレンドであることがわかる。これは多くの人々が懸念する通り、長期間のテレワークにより人と人とが直接会えない時期が続くことで、人とのつながりが弱まってくる可能性があることを示唆している。
 

新入社員・異動した社員のエンゲージメント低下について

次のグラフは、wevoxで測定されるエンゲージメントスコアの推移を、調査対象の2部署に対してプロットしたものである。2019年10月の前後で、異動があった group_1 の部署のみスコアが急落している。

詳細を確認すると、 group_1 のみ仕事への熱中度合いが低下していることがわかる。

 


以上の事実を総合すると、
テレワークの実施と人事異動が重なると、仕事への熱中度合いが低下する事がある
ことを示している。(※)

※同時期に group_2 のスコアに変化はないので、全社的な要因ではなく、 group_1 に固有である異動が原因であると考えられる。


これは、テレワークによって次の2つの実施が困難であったことが理由として推察される
  1. 新しい業務について、自分のやるべき仕事やその意義を明確にしていくこと
  2. 新しい環境において、一緒に働くメンバーの人となりを知っていくこと

上記は、この4月に入社した新卒・中途の社員でも当てはまる可能性が高いと考えられ、何らかの対応が求められる。本共同分析では、実際に効果があったと思われる施策が見つかったので、それを次に示す。
 

 


エンゲージメント低下へ対するテレワーク時の対処について
group_1 の場合も、2019年11月以降、仕事への熱中度合いが回復したのみならず、他のほぼすべての項目で状態が改善している。

この背景には、ワークスイッチコンサルティングにて行われているいくつかの施策があると考えられる。
  • オンライン通話サービスを利用した 1on1
  • 週次の部署全体のオンラインMTG
  • 月次のワークショップ 
等によって組織方針の共有を密に実施していた。

特に 「仕事への熱中」に関するスコアの低下を察知した後、 1on1 等の施策を通して目標設定を集中的に行うことで、2019年12月以降には、異動前と同等レベルかそれ以上を達成している。これらは、パーソルP&Tのコンサルティング事業を通して有用性が確認されている施策であり、自社内で再度効果が確認された事例と言える。

 また、先程 group_2 での低下が指摘されていた「組織への共感」や「チームワーク」の項目もともに改善していることが確認できる。これは、テレワーク環境下で直接顔を合わせることができなくとも、 1on1等のコミュニケーション を適切に実行することで、組織への共感やチームワークを維持・強化することが可能であることを示している。

本共同分析の結果は、この緊急時においてもオンラインでのコミュニケーション等を工夫し活用することで、エンゲージメントの低下を防ぎ、活き活きと仕事を行うことが可能であることを示唆する貴重な結果となったと考える。

wevox 学術顧問:慶應義塾大学 島津 明人教授より
新型コロナウイルスの感染が拡大している現在,十分な準備体制が整わないまま,主に在宅勤務によるテレワークを実施せざるをえない企業が増えています。本調査結果は,テレワークを行っていても,オンラインを活用したマネジメントの工夫によりワーク・エンゲイジメントが維持される可能性を示唆しています。

社会的距離を保つことが要請されている状況では,職場の仲間とのオンラインを通じたコミュニケーションが,人間が持つ「人と関わりたい」という「親和欲求」を満たしていると思われます。




■最後に
人類は、気候変動や疫病、世界大戦等、これまでにも多くを喪失する事態を経験してきましたが、そのいずれの場合においても、与えられた環境の中で創意工夫を凝らし、不屈の努力を積み上げることによって、毎回必ず立ち直ってきました。

今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における被害も極めて深刻で、未だ全容を計り知れませんが、私たちは必ず克服しまた立ち上がることができると信じています。

目下、テレワークの実施や組織課題への対処が、我々の前に大きな壁として立ちはだかっておりますが、この壁は私達の創意工夫によって乗り越えることができる壁であることが本共同分析によって明らかにされたと考えています。

私たちは今後も引き続き、この世界的危機への対処に資する情報が見つかり次第、継続して分析研究を実施・発信していく所存でございます。
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#今だからこそ対話をしよう
 

● 慶應義塾大学 島津 明人教授について
所属:慶應義塾大学 総合政策学部 教授
専門学科:臨床心理学、精神保健
研究・活動内容:職場のメンタルヘルスの研究と実践、従業員と職場組織の活性化に関する研究と実践
主な著書
ワーク・エンゲイジメント~ポジティブメンタルヘルスで活力ある毎日を~
ワーク・エンゲイジメント~基本理論と研究のためのハンドブック
職場のストレスマネジメント セルフケア教育の企画・実施マニュアル 他多数

 
●ワークスイッチコンサルティングについて<https://www.persol-pt.co.jp/ws/
ワークスイッチコンサルティングはパーソルプロセス&テクノロジー株式会社のコーポレートベンチャーであり、パーソルグループにおける生産性向上の専門家集団です。「はたらく人々や企業へ働き方の転換を」をコンセプトに、「業務」「テクノロジー」「プロジェクトマネジメント」からアプローチし、クライアントの直面している、また将来起こる課題に対し、共に考え、共に打ち手を決め、共に実行し、共に成果を創出いたします。


●アトラエについて<https://atrae.co.jp/
「世界中の人々を魅了する会社を創る」をビジョンに掲げ、全ての社員が誇りを持てる組織と事業の創造にこだわり、顧客や株主にとどまらず、広く関わる人々がファンとして応援したくなるような魅力ある会社をめざします。そして日本を代表するグローバルカンパニーとして、世界に広く価値を届けられるようアトラエメンバー全員で挑戦し続けます。
 

〈本件に関するお問合せ〉
広報担当 pr@atrae.co.jp
 

[i] Gajendran, Ravi S., and David A. Harrison. "The good, the bad, and the unknown about telecommuting: Meta-analysis of psychological mediators and individual consequences." Journal of applied psychology 92.6 (2007): 1524.
学術研究に於いても、2007年に、週2.5日以上のテレワークがチームワークへ悪影響を及ぼすことがあると示されている。
 
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