エバーブルーテクノロジーズ、無人自動除雪ドローンの実証実験に成功、2023年冬商品化
〜自動操船技術を陸上に応用、寝ている間に除雪される安心を提供〜
雪国において冬の「雪かき」は必要不可欠な作業であると同時に課題も抱えています。
幹線道路などの公共エリアは国や市区町村のサポート範囲として除雪機などが活躍していますが、自宅や会社などの私有地敷地内に関してはその範囲でなく、各所有者それぞれが玄関から道路までの通路を作るため、また駐車場などの敷地内のエリアを使用可能にするために小型の除雪機やシャベルを使って人力で行わなければなりません。その作業はかなりの体力を使うもので負担の大きい作業となっています。この除雪作業の負担は、社会全体の高齢化問題もあり深刻な課題となっています。
弊社ではこれまで、帆船型ドローンや高機動型水上ドローンといった水上でのドローン開発に取り組んできました。弊社水上ドローンを動かすコア技術となる自動操船ユニット「eb-NAVIGATOR」および連携するオリジナルスマホアプリ「eb-CONNECT」はユニット構成のため、機体・船体形状に依存せず汎用性が高いことからさまざまな用途での展開が容易で、技術開発の過程において陸上でのドローン(ローバー)の実験も行っておりました。
このたび、雪国の生活必需品となっている小型除雪機のドローン化(自動化)に関してご要望ご相談をいただき、これをきっかけに小型除雪ドローンの商品化の可能性を模索、商品化にさきだち、商品仕様の策定などを目的に、PoC(Proof of Concept)開発および、北海道滝川市の協力会社敷地内にて、無人化した除雪機による自動除雪の実証実験を実施いたしました。
<実証実験概要>
最初のアプローチとして、既存の小型除雪機を遠隔操作ができるように改造し弊社の自動操船ユニットeb-NAVIGATORを接続、搭載することで自動操縦化しました。オリジナルスマートフォンアプリeb-CONNECTにより、自車位置のテレメトリー、経由地と目的地を設定しての自動操縦が行えることを確認しました。
今までの水上利用とは異なり、今回の無人自動除雪ドローンは陸上での利用シーン、庭先や駐車場などで使用が想定されるため、今まで以上の細かな位置精度が重要となってくると考え、RTK GNSS基地局を利用しセンチメーター単位の誤差に収まるよう調整しています。
<実証実験結果>
期間:2023年2月下旬、2日間
場所:北海道滝川市協力会社事業所敷地内(私有地)
確認事項:
・雪上での自動直進、右旋回、左旋回など機動性を確認
・センチメーター単位での位置精度、安定性を確認
・除雪性能が人力で操作する場合と同等であること(実用的であること)を確認
・スマートフォンアプリeb-CONNECTによる遠隔からのテレメトリー、ルート設定、自動運転ができることを確認
・マニュアル操作の切替ができることを確認
・自動運転終了後、自動的に停止することを確認
地図:Google Earth
無人自動運転時の速度
最高速度 0.37m/s (1.3km/h)
平均速度 0.08m/s (0.3km/h)
<今後の展開>
今回自動化テストに使用した市販小型除雪機は、当然ながら人が操作するために最適化された形状・操作インターフェースとなっており、遠隔化、自動化することに対して最適な形状、機能ではないことを改めて確認しました。
従来の人力による除雪の方法と、除雪ドローンを利用した場合の最適な除雪方法は必ずしも一致しないという結果を得て、除雪ドローンを開発するにあたって、最適な形状、運用方法を考慮した仕様を検討する必要性があると考えています。
エバーブルーテクノロジーズでは今後、今回の実証実験の知見をもとに最適化した除雪ドローンの商品プロトタイプを製作し、2023年冬頃を目途に商品化する予定です。
<解決すべき社会課題>
北海道など豪雪地帯では人口減少や高齢化が進む中で、冬季には除雪作業が必須となっています。
大量の雪が長時間にわたって降ることから、除雪が行われないと生活に大きな影響が出ます。企業の敷地においても、数時間ごとに人の手による除雪が求められており、特に大型の重機が入れない建物の壁際や出入り口の周辺では、人力や小型機械による除雪が必要となります。雪がたまると扉や窓の開閉に影響が出るため、場合によっては雪の重みにより建物の破損に繋がるため除雪は建物の壁際まで行う必要があります。
このような課題を解決するため、私たちは雪のある建物周辺の自動・遠隔操作による正確な除雪ドローンの開発を行い、建物の周辺を正確に除雪することにより除雪作業に伴う負担を軽減し、最終的に雪国の除雪作業人員不足を解消することで持続可能な社会の実現に貢献します。
<想定する活用方法>
住宅地の自宅駐車場と玄関までの敷地内通路や大型除雪機が入れない商業施設、公共施設の敷地、駐車場、歩行者用通路で利用することを想定しています。除雪ドローンを夜間を含めて常に稼働させることで、いつでも除雪されている状態を維持し、積雪や凍結を防止することを目的としています。
<実証実験動画>
本プロトタイプは、6月26日から幕張メッセにて開催される「Japan Drone 2023」にて展示ご紹介いたします。ご来場の際にはぜひともお立ち寄りくださいませ。
<Japan Drone 2023 | 第8回>
会期 2023年6月26日(月)~28日(水)
時間 10:00~17:00
会場 幕張メッセ(〒 261-8550 千葉市美浜区中瀬 2-1 )
エバーブルーテクノロジーズ ブースNo. BK-3
<参考:自動操船ユニットeb-NAVIGATOR 概要>
遠隔から自動操船するコントローラーと通信部分をユニット化した製品です。
誰でも簡単に既存のボートやヨットなどの舟艇を無人・自動化することが可能になり、小型の魚群探知機や海洋調査機材などの計測機器を搭載し、水上・水中を長時間調査したり、人件費や燃油代といったコストをかけずに、水上パトロールや運搬、輸送、移動手段にするといったシーンでご活用いただけます。
<参考:オリジナルスマホアプリ eb-CONNECT 概要>
クラウドサーバーと連携し、一般的な携帯電話回線である4G/LTE/3Gサービスエリアにユーザーと水上ドローンの所在地があれば、世界中どこからでもリアルタイムで状況を把握できるテレメトリーが可能です。
プログラムによる自動帆走、遠隔操船も可能。機体が4G/LTE/3Gサービスエリア外になっても、水上ドローンの自動操船は継続されるため、心配はいりません。これまで専門的知識が必要だったプロポ(無線操縦用送信機)や操作が難しい専用ソフトを不要とし、誰でも簡単に水上ドローンを操作することができます。
【エバーブルーテクノロジーズについて】
[会社名]エバーブルーテクノロジーズ株式会社
[代表者]野間 恒毅(のま つねたけ)
[設 立]2018年12月
[本社所在地]東京都調布市緑ヶ丘二丁目67番地1号フェリーチェ緑ヶ丘A2
[活動拠点]逗子海岸、御前崎、シンガポールなど
[事業概要]帆船型ドローンの製造販売、帆船型ドローンを利用したサービス、ソリューション提供、自動帆走技術の提供などを主な事業とし、カーボンフリーな世界の実現を目指します。将来的には海上の再生可能エネルギー、潮力、波力、風力由来の電力を使用して水素を製造し、エネルギー消費地へ自動運搬する水素エネルギーサプライチェーン「Hydroloop(ハイドロループ)」の実現を構想しています。
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