鳥取・田中農場「天空源流こしひかり」2年ぶり復活―過酷な気候と向き合った2025年の稲作
鳥取・田中農場は、2025年の稲作を振り返り挑戦を重ねた一年の歩みを報告します。クラウドファンディングの支援を受けて復旧した「天空源流こしひかり」の復活など、成果と今後の展望をご紹介します。
9月上旬から稲刈りが始まり、10月には酒米の収穫もスタート。新米の出荷が始まる中、この1年の稲作を振り返りながら、天候との闘い・新たな挑戦・そして成果についてお伝えします。
春:順調なスタートとスムーズな田植え
3月から苗づくりをスタート。
4月・5月は天候にも恵まれ、田植えまでの準備がスムーズに進みました。計画どおり、6月20日過ぎにはすべての田植えを完了。大きなトラブルもなく、比較的スムーズな春作業となりました。



初夏:史上最速の梅雨明けと猛暑の夏
6月半ばに梅雨入りしたものの、ほとんど雨が降らないまま6月27日に梅雨明け。 これは過去最速の記録で、その後は連日の猛暑。雨もほとんど降らず、水の確保に奔走する夏となりました。
水不足との闘い:エンジンポンプ10台で乗り切る
梅雨明けと同時に川の水位がどんどん下がり、用水路の水も減少。
水系の末端の田んぼでは水が届かない状況に…。
そこで、上流から流れていく水路にポンプを設置し、水をくみ上げて再利用。
10台ほどのエンジンポンプを稼働させ、なんとかこの危機を乗り切りました。

雑草との戦いと猛暑の試練
水不足で田んぼが乾くと、普段は水田に生えない畑雑草が発生。
ドローンを使った除草剤散布で対応しましたが、それでも追いつかず…。
最終的には、人の手による「人海戦術」での草取り。炎天下の中での作業は過酷でしたが、チーム一丸となって乗り越えました。さらに、繁殖力の強い外来種の雑草も出現。これまでにない課題に直面しながらも、経験として次につなげていきたいと思います。

カメムシ被害は最小限
近年問題となっている収穫量が激減してしまうカメムシも一部確認されましたが、今年は大きな被害もなく、無事収穫までたどり着くことができました。
猛暑の影響と収穫量
今年の夏は記録的な猛暑。お米の「高温障害(白濁米)」が心配されましたが、夜間の気温がギリギリ熱帯夜に届かず、被害は最小限ですみました。収穫量も、日照時間に恵まれたおかげで計画通り。
品質・収量ともに満足のいく結果となりました。

高温に負けないお米づくりの工夫
土づくりの継続
長年取り組んできた「土づくり」。
完熟たい肥や油かす、鶏糞などの有機肥料を活用し、深く耕すことで土の力を高めています。
これが高温障害を防ぐ大きな要因になったと感じています。
ポット育苗と密苗で省力化
みのる式のポット育苗で、丈夫な苗を育成。
さらに「密苗」に挑戦し、苗箱の数を減らす省力化にも取り組みました。
初挑戦ということもあり、雑草対策での課題もありましたが、来年に向けた良い学びとなりました。
3つの直播に挑戦
・乾田直播:好天に恵まれ、良好な出来栄え
・湛水直播:課題も見つかり、次に活かせる経験に
・節水型乾田直播(新技術):水が足りない田んぼで挑戦したが、極端な乾燥で生育が不十分。今後の研究課題です。
2年ぶりに復活!「天空源流こしひかり」
令和5年の大雨で、「天空源流こしひかり」を育てていた姫路高原の田んぼは、水路を含め大きな被害を受けました。
その後、クラウドファンディングでは200名を超える方々から約200万円のご支援をいただき、国や鳥取県の災害復旧支援のもと、姫路地区の皆さんとともに復旧に向けた取り組みを進めてきました。
クラウドファンディングの支援だけで全ての修復ができるわけではありませんが、その思いと資金が地域の大きな励みとなり、再開への後押しになりました。


まず水路は無事に復旧し、扇ノ山の清らかな水を再び田んぼに引き入れることができました。
一方で、圃場の一部ではのり面の工事が間に合わず、今年度は全面復旧とはなりませんでした。
それでも整備を終えた一部の区画で栽培を再開。標高600メートルの涼しい気候のもと、非常にきれいなお米を収穫することができました。
このお米は「天空源流こしひかり」として、2年ぶりに販売を開始します。来年度は残る区画の復旧を完了させ、全面での栽培再開を目指しています。姫路高原・標高600mの「天空の田んぼ」で、2年ぶりにお米作りを再開!令和5年の大雨被害を乗り越え、クラウドファンディングのご支援で復旧が完了しました。

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YouTube ▶ https://youtu.be/mGJVPSMxK5E
ブログ記事▶ https://www.farm-tanaka.jp/blog/2025/10/02/interview-vol-3/
有限会社田中農場について
鳥取県八頭町の山間、120ヘクタールの農地で、特別栽培農産物を生産しています。化学肥料や農薬をできる限り使わず、堆肥などの有機肥料にこだわった土づくりで、安心・安全な作物をお届けしています。
■お問い合わせ
有限会社田中農場
〒680-0426 鳥取県八頭郡八頭町下坂442番地
URL:https://www.farm-tanaka.jp/
運営代行:株式会社ダブルノットに繋がります
TEL: 050-3198-9749 担当:谷野(たにの)

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