Amobee、大阪観光局とのインバウンド共同研究結果を公開。ガストロノミーを通じて大阪ブランド向上を目指す
インバウンドにおける各都市の食ブランド力を比較
- 取り組み背景
大阪には100軒近いミシュラン星レストラン、割烹など付加価値の高い料理、店舗も多く存在します。また、弊局では昨年世界的の有名シェフを招聘した食のイベントを実施するなど、欧米豪の富裕層やハイエンド層に響く取り組みを実施し、『世界における食のまち・大阪』ブランディングに取り組んでいます。
これらの環境や取り組みを最大限に活用するため、大阪観光局はAmobeeと、英語圏におけるインバウンドの興味関心について共同研究を行っています。
- 【分析結果】
分析アプローチ
まず、観光において『食』目的が重要な位置を占めるアメリカ消費者を分析対象者として選択した。その上で、ガストロノミー軸での大阪ブランドイメージ、また参考にするべき都市を探索するため、国内3都市(大阪、京都、東京)と海外5都市(ロンドン、パリ、バルセロナ、香港、バンコク)を分析対象国として選定した。分析は、各都市へのブランドイメージや関心トピックを世帯年収別※で行うこととした。最後に、分析の結果から各都市の特徴、キーとなる要素を特定しブランド向上施策への示唆を整理した。
※10万USドル(約年収1,000万円以上)を『富裕層』、10万USドル未満(1,000万円未満)を『一般層』として定義した。
図:分析対象都市
『食』軸のブランドイメージ
全体ブランドイメージとして大阪と近しいと判断できるのは、国内では東京と京都、海外ではバルセロナが確認された。『食』という観点では、アメリカ消費者から国内3都市は大きく区別されていない可能性がある。
一方、『シェフ』、『ミシュラン』の2つの要素が高いとして確認されたのは欧米でロンドンとパリ、アジアでは香港という結果となった。特に香港では富裕層だけでなく一般層からも同様の結果が確認でき、幅広い層から高いブランドイメージを持たれている様子だ。同じアジア圏内でもあり、香港におけるシェフ活用や食系のブランド表現を参考にすることにブランド向上のヒントがあると考えられる。
図:アメリカ消費者視点での各都市のブランドイメージ
ブランドイメージの深掘り
全体傾向として富裕層は、ミシュランガイドは当然のこと、ヴィーガンや食材など様々な角度で食に対しての関心が高いため、考慮すべき点が多いことがわかった。また、国内都市に対しては食材への関心や注目が高いことが判明したが、その背景はアメリカ消費者にとって料理名からは具体的な食材を推測しにくいことや、素材に対する情報提供がまだ十分でない可能性も考えられた。
富裕層視点で全体イメージが近似している大阪と京都を比較すると、両都市ともミシュランと懐石に対する関心が確認された。異なる点では、大阪はたこやき、お好み焼き、串カツなどが名物料理への関心が目立つ一方、京都の湯葉やおばんざいなどはあまり確認されなかった。京都の特徴としてはベジタリアン、ヴィーガンの情報も多く触れられている様子で、幅広い食嗜好に対応できているイメージがあると考えられる。
分析結果から大阪とイメージが近しいとされたバルセロナは、富裕層もタパスやワインをカジュアルレストランで楽しむ体験に関心があることが確認された。大阪の視点でこれらの結果を参考にすると、たこやきなどのローカルフードはカジュアルなポジションとして維持・拡大すべきで、高単価なプレミアムポジションには別の食体験を据える必要があるといえる。
図:US消費者視点 食とトラベル関連での大阪に関する関心(富裕層)
分析対象期間:2020年1月10日 - 2020年2月10日
食ブランドの質向上に向けて
『食』、『観光』要素を重点的に分析を行ったため、食専門サイトやトラベルサイトを起因とする高い関心が散見された。その上で、富裕層は特に食専門サイトからの影響が強いことが判明し、トラベル系サイトだけでなく食を専門としたメディアへの露出も重要であること考えられる。
また昨今、動画配信サービスでシェフに注目したドラマ/プログラムが人気を集めており、その影響もありシェフ自体への関心が高まっていることも確認された。今まで以上に、有名シェフやユニークなシェフ等とのコラボレーションや誘致は有効になってくると考えられる。
- 分析結果に対する大阪観光局の評価
大阪観光局でガストロノミー領域を担当する中村 哲也氏は以下のように述べています。
「アメリカ市場において、富裕層と富裕層以外の人の興味や検索内容の違いは、プロモーション展開において非常に参考になる。国内外の他都市との比較も非常に参考になり、ブランディング展開においても発信すべきヒントがデータから分析できることが有益である。有効なチャネルが把握できる点も今後の具体的な打ち手に活用できる情報だ。
香港や東京で、検索ワードとしてシェフなどが入るが、やはり有名シェフによるイベントや海外シェフと現地シェフとのコラボ企画など、都市ならではの状況も検索ワードから想像できる。他都市との比較から、食のまちブランディングのための方策理解の糸口が掴めると感じている。
上記のようなブランド軸は観光消費額と違い測定することが難しく、Amobeeソリューションが参考になる。一方、ブランドと消費額との関係性についてはまだ不明な点も多く、さらなる検討が必要。また異なる時期、期間でもリサーチを実施し、精微な分析結果を持つことが重要であるため引き続き研究を進めていきたい」
- 【分析要項】
- ソリューション:ブランド・インテリジェンス
- 分析対象国:アメリカ
- 分析対象期間:2018年12月31日 - 2019年12月29日(特に明記ない場合)
- 分析内容:TravelとFoodに関するブランド分析
- 分析実施機関:Amobee Japan、大阪観光局
【Amobee Brand Intelligence(ブランド・インテリジェンス)について】
ブランド・インテリジェンスは、エンゲージメントの高いコンテンツと消費者関心を時系列でもリアルタイムでも分析できるソリューションです。ブランド企業はブランド・インテリジェンスにより、速やかに特定のターゲット層の関心のあるコンテンツやトピック、トレンドなどを見つけることができます。直近では、インバウンド分析、新型コロナウイルスによるトラベル関心への分析や、回復局面でのリーディングセグメントの分析を提供しています。
【Amobee(アモビー)について】
Amobeeは広告主や広告会社、放送局へ広告ソリューションを提供する世界最大規模の独立系マーケティングプラットフォームです。Amobeeの包括的なマーケティングテクノロジープラットフォームが提供するインサイトにより、マーケティング担当者はコンシューマージャーニーの全体で企業のマーケティングメッセージを管理できるようになります。
独自データやAI、高度な分析によって、広告主はマルティデバイスをまたいだコンシューマージャーニーを理解でき、従来型メディアでは多くみられた重複する投資を削減することができます。
Amobeeは世界最大級のテレコム企業であり数億人のモバイル加入契約者を抱えるシンガポール・テレコム(Singtel)の完全子会社です。北米、ヨーロッパ、中東、アジア、オーストラリアにわたって事業を展開しています。詳細はhttps://amobee.jpをご覧いただくか、@amobeeをフォローしてください。
【大阪観光局について】
大阪観光局は、大阪府・大阪市・経済界によるオール大阪体制で観光振興に取り組むため、観光戦略の策定・実行・効果測定を担う組織として設立されました。2016年からは地域連携DMOとして、大阪・関西における観光産業を総合的成長産業へ成長させることを最大の目標としています。
3つのコンセプトとして、①24時間観光都市 ②関西・西日本観光のハブ ③多様性あふれる街 を掲げ、・DMO事業戦略の策定とそのための自主財源の確保、・戦略的マーケティングの実施、・情報ネットワークのワンストップ化、・観光案内のワンストップ化、・戦略に基づく新たなプロモーション、・戦略的MICE誘致の推進、といった施策を進めています。
【本件に関するお問合せ先】
Amobee Japan合同会社 高井裕基
電話:03-4577-7567 メールアドレス:japan-pr@amobee.com
大阪観光局 マーケティング戦略室 木村
電話:06-6282-5917
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像