【実態調査】在留外国人の賃貸契約「文化・言語の壁」で積極対応はわずか2割
トラブル1位は「生活ルール伝わらずトラブル」が最多59.8%
Renxa株式会社(所在地:東京都豊島区、代表取締役:坂本 幸司)は、不動産会社に勤めている方を対象に、「在留外国人の賃貸・ライフライン契約における課題」に関する調査を実施しました。
外国人労働者の受け入れが進む一方で、日常生活の基盤となる「住まい」の契約対応は、現場の不動産会社にとっていまだ大きな課題です。
契約時の言語の壁、文化の違い、書類の不備など、さまざまな要因が在留外国人との円滑な契約を難しくしています。
特に、電気・ガス・水道といったライフラインの契約では、「どこまでサポートすべきか」「説明が伝わらない」といった声も挙がっており、業務負担を感じる担当者も一定数います。
では、不動産会社の現場では、在留外国人との契約対応にどのような課題があり、また、生活インフラの整備支援について、どのようなサポートや外部連携が求められているのでしょうか。
<調査サマリー>
・在留外国人の賃貸契約対応件数は増加しているものの、積極的に対応している不動産会社は約2割にとどまる結果に
・在留外国人の賃貸契約に関する課題は「文化・慣習の違い」「言語の壁」「契約手続きの理解不足」が上位に
・約6割が在留外国人に賃貸契約後の電気・ガス・水道などのライフライン契約のサポートを求められた経験があることが判明
・在留外国人がライフライン契約でつまずく理由として「日本語の契約書の内容が理解できない」が最多という結果に
・在留外国人の対応において理想的な外部支援サービスは「契約手続き時の同席・通訳」「入居時の生活説明サポート」「ライフライン契約の代行」
在留外国人の契約対応、その実施状況は? 今後は積極的に取り組む体制づくりを進める企業が増加

はじめに、「あなたの勤める不動産では、在留外国人の賃貸契約対応を行っているか」について尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。
『積極的に対応している(外国語対応スタッフや対応フローも整っている)(19.7%)』
『一部対応している(物件や状況によっては対応可能)(41.7%)』
『基本的には対応していないが、相談次第で対応する場合もある(17.6%)』
『対応していない(在留外国人への賃貸は受け付けていない)(21.0%)』
在留外国人への賃貸契約に関して、約6割が積極的、あるいは一部対応しているものの、対応していないケースも一定数あるようです。
積極対応の割合が約2割にとどまることから、外国語対応スタッフの配置や体制整備が課題となっていると考えられます。
では、現在対応していない不動産会社では、今後在留外国人への賃貸契約に対応していく体制を整えたいと考えているのでしょうか。

前の質問で『基本的には対応していないが、相談次第で対応する場合もある』『対応していない(外国人への賃貸は受け付けていない)』と回答した方にうかがいました。
「今後、在留外国人への賃貸契約に対応していく体制を整えたいと考えているか」と尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。
『早期に対応体制を整えたい(3.3%)』
『条件が整えば対応したい(17.5%)』
『将来的に検討する可能性がある(26.7%)』
『対応する予定はない(52.5%)』
『早期に対応体制を整えたい』といった回答が一定数ある一方で、約半数が『対応する予定はない』と回答し、業務負荷やリスクの懸念から、現時点では積極的な整備に踏み切れない実態があると考えられます。
しかしながら、『条件が整えば対応したい』『将来的に検討する可能性がある』という回答も見られたことから、支援環境やツールの整備が進めば、対応拡大の可能性もうかがえます。
実際に、在留外国人の賃貸契約対応の件数は過去と比べてどのように変化しているのでしょうか。
在留外国人の賃貸契約対応について『積極的に対応している(外国語対応スタッフや対応フローも整っている)』『一部対応している(物件や状況によっては対応可能)』『基本的には対応していないが、相談次第で対応する場合もある』と回答した方に聞きました。
「在留外国人の賃貸契約対応件数は過去3年でどのように変化しているか」について尋ねたところ、約9割が『大幅に増加している(22.5%)』『やや増加している(66.6%)』と回答しました。
大多数が「増加傾向」にあると回答したことは、在留外国人市場の拡大が賃貸業界でも顕在化していることを裏付けています。
にもかかわらず、基本的に対応していない方は今後について『対応する予定はない』という回答が約半数であることから、現場の需要と供給体制の間にギャップがあることがうかがえます。
在留外国人への対応における課題は、「文化・慣習の違い」と「言語の壁」
では、在留外国人の賃貸契約時にはどのような課題があるのでしょうか。

「在留外国人の賃貸契約時に感じた・想定している課題」について尋ねたところ、『文化・慣習の違い(51.6%)』と回答した方が最も多く、『言語の壁(43.1%)』『契約手続きの理解不足(26.7%)』となりました。
文化や言語、契約知識の壁が上位に挙がっていることから、情報や認識のズレがトラブルの温床になりやすい構造が浮き彫りになりました。
『文化・慣習の違い』が最多だった点は、制度やルールの説明だけではカバーしきれない日常的な価値観の相違が、現場に影響を与えていることを示しているといえます。
そのような課題を感じた・想定していることから、日本人との賃貸契約対応と比べて心理的・業務的にハードルが高いと感じている方はどの程度いるのでしょうか。

「在留外国人の賃貸契約対応は、日本人と比べて心理的・業務的にハードルが高いと感じるか」と尋ねたところ、約9割が『非常に高いと感じる(35.4%)』『やや高いと感じる(52.3%)』と回答しました。
大多数が「心理的・業務的なハードルの高さ」を感じている現実は、在留外国人の対応が現場の大きな負担となっていることを示しています。
ハードルの要因は、課題として挙げられた「文化の違いや言語の壁」だけでなく、対応にかかる時間的コストや説明責任の重さなども含まれている可能性があります。
実際に、言語・コミュニケーションのハードルによってどのようなトラブルが発生した・想定しているのでしょうか。
「言語・コミュニケーションのハードルによって発生した・想定しているトラブル」について尋ねたところ、『ゴミ出し・騒音など生活ルールの説明が伝わらずトラブルに発展(59.8%)』が最多で、『契約内容の誤解(契約期間・更新・解約条件など)(46.0%)』『退去時の原状回復に関する認識の違い(36.6%)』となりました。
日常生活のルールや契約内容に関する誤解が、トラブルの大半を占める要因であることがわかりました。
これらはすべて「言葉による説明がうまくいかない」ことに起因しており、外国語対応やビジュアル資料の活用など、伝達手法の見直しが必要とされているといえるでしょう。
在留外国人へのライフライン契約サポートの必要性は?
前問までは不動産会社に勤める方が感じる、在留外国人の賃貸契約対応においての課題や発生したトラブルなどがわかりました。
では、在留外国人本人からライフライン契約のサポートを求められることはあるのでしょうか。
在留外国人の賃貸契約対応について『積極的に対応している(外国語対応スタッフや対応フローも整っている)』『一部対応している(物件や状況によっては対応可能)』『基本的には対応していないが、相談次第で対応する場合もある』と回答した方にうかがいました。

「在留外国人に賃貸契約後の電気・ガス・水道などのライフライン契約のサポートを求められることはあるか」と尋ねたところ、約6割が『よくある(15.8%)』『ときどきある(46.1%)』と回答しました。
電気・ガス・水道などのライフライン契約のサポートを「求められることがある」と回答した方は多く、賃貸契約後も不動産側がライフライン契約に関わるケースも多いようです。
具体的に、どのような内容の支援サポートを求められるのでしょうか。
前の質問で『よくある』『ときどきある』と回答した方に、「ライフライン契約のサポートについて、在留外国人からどのような要望があるか」と尋ねたところ、『トラブル時の連絡窓口(母国語対応)の案内(54.6%)』『契約手続きの詳細な説明(48.9%)』『契約時の同席・通訳(37.3%)』が上位になりました。
トラブル発生時や契約時に「その場で説明・対応してくれる人」を求めているという回答が多数を占めました。
これは、事前の書面やFAQではカバーしきれない不安感の存在を物語っているともいえます。
在留外国人がライフライン契約でつまずく理由は「契約書の理解不足」が最多に!
では、在留外国人がライフライン契約において支援サポートを求める理由は何だと感じるのでしょうか。

再び全員に、「在留外国人がライフライン契約でつまずく理由は何だと感じるか」について尋ねたところ、『日本語の契約書の内容が理解できない(60.3%)』が最多で、『対応窓口での言語対応が不十分(33.7%)』『本人確認手続きが難しい(31.9%)』となりました。
ライフライン契約においても「言語の壁」が最大の障壁となっているようです。
さらに、本人確認や書類の準備といった手続きの細かさが、慣れない在留外国人にとって心理的な負担となっている可能性があります。
対面支援だけでなく、事前準備を支援する仕組みも有効かもしれません。
そのような背景から、在留外国人の対応においてどのような外部支援があると理想的だと思うのでしょうか。
「在留外国人の対応に関して、どのような外部支援サービスがあると理想的か」と尋ねたところ、『契約手続き時の同席・通訳(47.8%)』『入居時の生活説明サポート(44.0%)』『ライフライン契約の代行(40.3%)』が上位になりました。
最も多く選ばれた『契約手続き時の同席・通訳』からは、言語の壁を人を介して乗り越えたいというニーズが強く示されています。
『入居時の生活説明サポート』『ライフライン契約の代行』も上位に挙がっており、契約前後の実務に対する支援が求められていることがわかりました。
まとめ:共生に向け、在留外国人に必要な外部支援が明らかに
今回の調査で、在留外国人の賃貸契約件数が増加している一方で、それに対応する不動産業界側の支援体制が追いついていないことが明らかになりました。
過去3年で対応件数が「増加している」と回答した方が多いものの、「積極的に対応している」とした企業は少なく、今後の対応についても「予定はない」とする企業が約半数に及びました。
この背景には、文化の違いや言語の壁、手続きに関する理解不足など、対応に伴う心理的・業務的な負担があると考えられます。
実際に、在留外国人の賃貸契約対応について「心理的・業務的にハードルが高い」と感じている方は約9割に達しており、生活ルールの伝達不足や契約内容の誤解など、具体的なトラブルも発生しているようです。
さらに、賃貸契約後のライフライン(電気・ガス・水道)契約においても、「日本語の契約書の内容が理解できない」「対応窓口での言語対応が不十分」「本人確認手続きが難しい」といった障壁が顕在化しています。
そのため、在留外国人から「トラブル時の連絡窓口(母国語対応)の案内」や「契約手続きの詳細な説明」「契約時の同席・通訳」など、より人的な支援を求められる場面が多いことがわかりました。
そのような背景から、理想的な支援策として「契約手続き時の同席・通訳」が最多になり、「多言語対応ツール」よりも“人による支援”のニーズが高いことがわかりました。
今後、在留外国人の賃貸契約や生活支援がさらに一般化していく中で、不動産業界としては制度的対応だけでなく、現場負担を軽減する外部支援インフラの整備が必要だといえるでしょう。
海外から日本に移住される外国の方に向けたサービス「Lifestyle Advisor Global」
今回、「在留外国人の賃貸・ライフライン契約における課題」に関する調査を実施したRenxa株式会社(https://renxa.co.jp/)は、海外から日本に移住される外国人の入居された後の生活を母国語でサポートする新サービス「Lifestyle Advisor Global(ライフスタイルアドバイザーグローバル)」を提供しています。
「Lifestyle Advisor Global(ライフスタイルアドバイザーグローバル)」は、海外から日本に移住される外国人に向けたサービスです。
生活に必要なライフラインの利用開始手続きを母国語による会話で受付することで、コミュニケーションをスムーズにし、外国の方が日本で快適且つ安心して生活を送れるようにサポートをいたします。

<対応できる言語>
日本語、英語、中国語、韓国語、ベトナム語、ヒンディー語、ネパール語、ミャンマー語、タガログ語、インドネシア語、スペイン語、ポルトガル語、広東語、タイ語、シンハラ語
<サービス掲載・提携のお問い合わせ窓口>
電話番号:0120-989-757(受付時間10時~18時)
法人のお客様 お問い合わせフォーム:Renxa株式会社(https://renxa.co.jp/contact)
掲載・提携につきましては、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせ・ご相談下さい。
調査概要:「在留外国人の賃貸・ライフライン契約における課題」に関する調査
【調査期間】2025年8月18日(月)~2025年8月19日(火)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,008人
【調査対象】調査回答時に不動産会社に勤めていると回答したモニター
【調査元】Renxa株式会社(https://renxa.co.jp/)
会社概要
会社名:Renxa株式会社(Renxa Inc.)
代表取締役:坂本 幸司
所在地:東京都豊島区東池袋三丁目13番3号 いちご東池袋三丁目ビル3F
設立年月日:2017年4月3日
会社URL:https://renxa.co.jp/
※登録商標「Lifestyle Advisor」「Lifestyle Advisor Global」のご使用に関するお願い
「Lifestyle Advisor」「Lifestyle Advisor Global」は、Renxa株式会社の登録商標です。ご使用の際は、事前にお問い合わせくださいますようお願い申し上げます。
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