使用済み紙資源や間伐材を「汎用性の高い紙袋の取っ手」に 松浦産業がアップサイクルを“ものづくり”の力で支援
サステナビリティに業界横断で取り組む『一般社団法人アップサイクル』に参画
紙袋用取っ手の国内トップメーカーの松浦産業株式会社(香川県善通寺市、代表取締役:松浦公之)は、一般社団法人アップサイクルに2024年7月から参画し、使用後回収された紙資源と未利用間伐材からできた紙糸を「紙袋の取っ手」としてプロダクト化する支援を開始いたします。
使用後の紙製容器や放置された間伐材を回収し、紙製の取っ手「アップサイクルペーパースピンドル」に加工、企業や団体にとって汎用性が高く、全て紙製のため廃棄時分別不要なため生活者にとっても優しいMade in Japanの紙袋に生まれ変わらせることで、循環型社会づくりの促進・サポートをしてまいります。
※アップサイクルとは、本来であれば捨てられてしまう廃棄物や不用品を価値のあるものに変え、新しい製品として再循環する活動のこと。
■ペーパースピンドルについて
松浦産業の「紙製の組み紐」の総称が『ペーパースピンドル(PAT.P)』です。紙の取っ手の製作には多くの課題がありましたが、日本の“水引き”の技術を活かして開発に成功し、環境配慮型の製品の第一弾として「FSC®認証(FSC®-C143206)ペーパースピンドル」を6月から上市しています。
今回は第二弾として、一般社団法人アップサイクルの「TSUMUGI」プロジェクトと連携し、アップサイクルされた紙糸を利用した「アップサイクルペーパースピンドル」として8月から取り扱いを開始いたします。
■取り組みの経緯
ペーパースピンドルの開発成功により、“オール紙製の紙袋”を積極的に企業やブランドにご提案できるようになりましたが、「環境配慮型の紙袋の取っ手がある」ということを、より多くの方々に認知していただくことも必要でした。サステナビリティへの意識が高く、持続可能な社会の実現を目指す企業・団体が、業界を超えて参画している一般社団法人アップサイクルの活動を知ったとき、アップサイクルされた「紙糸」を松浦産業ならではの技術で製品化するお手伝いができると確信し、取り組みの連携をご提案いたしました。
松浦産業は、わら縄ロープ生産からスタートし、様々な業界の紙袋の取っ手を作っていますが、脱プラの流れや原料高騰などの逆風もあります。そのような状況でも、世の中に求められる製品づくりに日々取り組んでいます。オール紙製の紙袋を可能にするために挑戦していた技術が、この度の「アップサイクルペーパースピンドル」に繋がりました。
一般社団法人アップサイクルを通じ、各企業や団体から回収された使用済みの紙資源や未利用の間伐材から、幅広い用途で使用できる紙袋の取っ手に製品化することで、アップサイクルの一環を担うことができることを大変光栄に思います。
松浦産業は、「私たちは、幸せを運んでいる。」をビジョンに掲げています。紙パックなどが紙袋の取っ手にカタチを変え、様々な方々の想いや幸せを運ぶバトンとなることを願っています。
【製品に関するお問い合わせ先】
松浦産業株式会社
本社営業部 TEL:0877-62-2555/東京営業部 TEL:03-5445-1567
■一般社団法人アップサイクルについて
循環型社会づくりのハブとなり、参画企業・団体それぞれのもつ資源や優れた技術やものづくりの力、サービスなどを結集し、新たな価値を生み出すことを目指し2023年7月に設立。
廃棄される資源や食品残渣のリサイクル率向上を推進する企業連携のプラットフォームで、「アップサイクル:資源の有効活用と新たな価値の創出」という創造的なアプローチによる持続可能な社会づくりに共感した35の企業・団体が参画(2024年6月現在)。
【アップサイクルプロジェクト「TSUMUGI」】
一般社団法人アップサイクル設立とともにスタートしたプロジェクトで、使用後の紙資源や未利用な間伐材を「紙糸」にアップサイクルすることで資源を有効利用していく活動。
■アップサイクルペーパースピンドルができるまで(3ステップ)
(1)資源回収
【紙資源】
一般社団法人アップサイクルの紙資源回収拠点から、使用済みの紙パックなどを回収
※紙資源はリサイクルされているイメージが広くありますが、紙製容器包装でみると日本のリサイクル率はわずか約3%で、多くは焼却されているのが現状
・回収拠点(2024年5月現在):神戸市資源回収ステーション・スーパーマーケット・参画企業オフィス(ネスレ日本株式会社、日本ロレアル株式会社、メットライフ生命保険株式会社等)
【間伐材】
兵庫県神戸市の六甲山より回収
※防災や保全上、定期的に木を伐る必要がありますが、搬出コスト等から一部は山林に放置されているというのが現状
(2)アップサイクルの糸に再生紙化
1_資源の紙化:回収した廃棄紙資源や未使用間伐材から、混抄紙をつくる
2_紙糸化:混抄紙を細いスリットテープ状に裁断、撚り加工を施し強度のある紙糸が完成
(3)アップサイクルペーパースピンドルにプロダクト化
出来上がったアップサイクルの紙糸を使って松浦産業が自社工場にて組紐に製作
■会社概要
会社名:松浦産業株式会社
代表取締役社長:松浦公之
本社所在地:香川県善通寺市上吉田町270-1
創業:1932年4月25日
資本金:8,000万円
従業員数:50名(2023年2月現在)
事業内容:PP・PE延伸テープ及びロープ、紙袋用把手、タックハンドル、SP(販促商品)、成型品
1932年にわら縄ロープ生産からスタートした松浦産業株式会社は、1966年からPP・PE延伸ロープ生産を始め本格的にプラスチック業界に進出しました。現在は紙袋用取っ手の国内トップシェアメーカーとして、食品・アパレル・小売など様々な業界の紙袋の取っ手やタックハンドル(ダンボールなどに直接貼るシールタイプの取っ手)を生産しています。また、プラスチックの成型技術を生かして、大型テーマパークのプラスチック容器や企業の販促商品なども生産しています。
「私たちは、幸せを運んでいる。」をビジョンに掲げ、松浦産業株式会社は創業から約90年、皆さまの直接手に触れる取っ手という商品を作ってまいりました。今後は、ニッチトップメーカーとして多様化する取っ手ニーズに対応しながらも、人々にとってより身近な衛生用品やプラスチック成型品事業、D2C事業に注力していきます。2021年にはトイレのふた裏に貼る消臭・抗菌・抗ウイルスシートを使った「アドレット®」による広告事業をスタート。2023年にはうどんが食べやすいよう人間工学に基づいて設計したプラスチック製容器「『とって』屋さんが作った『とって』おきのうどん鉢」で自社初のクラウドファンディングに挑戦、開発のきっかけや「取っ手」繋がりでの商品開発が各メディアで話題となった。
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