世界のタンパク質が不足する「タンパク質危機」への国民の理解はたった11.4%、食用コオロギ国内生産No.1のグリラスが食と環境に関する意識調査を実施
2月9日(肉の日)にあわせて社会課題の認知普及を進めるべく調査結果を一般公開
牛や豚、鶏といった既存畜産に依存したタンパク質供給では、急激な増加を続けている世界人口を支えられなくなると言われており、その需要と供給が逆転する「タンパク質危機」と言われる食料問題が2025年~2030年には発生するとされています。またFAO(国際連合食糧農業機関)はこの解決策として、タンパク質が豊富でかつ、飼育に必要な水や飼料、飼育時の温室効果ガス排出量の少ない昆虫食を推奨しています※。
※国際連合食糧農業機関(FAO)「食品および飼料における昆虫類の役割に注目した報告書」
グリラスを含む昆虫食関連企業や、大豆ミートや培養肉といったその他の代替タンパク質を取り扱う企業が、タンパク質危機の解決に向けて企業活動を行う一方で、本調査の結果ではタンパク質危機に関して「知っており、内容も理解している」と回答した方が11.4%と、他の環境問題と比較して圧倒的に低い水準であることが判明しました。
また昆虫食に関する設問では、「知っている・聞いたことがある」と回答した方が全体の82.0%いる中で、既存の畜産と比較した際の環境負荷の低さに関して「知っている」と回答した方は12.6%にとどまりました。
グリラスは今回の結果を憂慮すべき事態として重く受け止め、企業や団体の垣根を越え社会全体での解決を促すべく、調査結果の公表を決定しました。また本調査結果の閲覧および2次利用を推奨しています。ご希望の際は本ページ内「調査結果の閲覧・2次利用に関して」に則ってお申し込みください。
本調査に関する概要
・調査期間 :2022年1月14日(金)~16日(日)
・調査方法 :インターネットリサーチ
・調査エリア:全国
・対象者 :15歳~60代の男女1000人 ※性別・年代で人口構成比と同等の割り付けで実施
・調査名 :株式会社グリラス「食と環境・昆虫食に関する定点意識調査2022年1月」
調査結果の閲覧・二次利用に関して
本調査結果の閲覧および二次利用等をご希望の場合、「御社名」「部署名」「ご担当者名」「ご利用目的」「媒体名(媒体への掲載をする場合)」をご記載の上、メールアドレス(pr@gryllus.jp)までご連絡をお願いいたします。また報道資料やマスメディア、ウェブサイト等での二次利用をご希望の場合は出典に本調査名をご記載の上、掲載の前に一度原稿をメールアドレス宛にお送りください。
調査結果① ~国民の環境問題・食料問題への認知・理解および行動~
タンパク質危機への理解を尋ねる設問に対して、「知っており、内容も理解している」と回答した方は全体の11.4%でした。この数字は地球温暖化や食品ロス問題といった他の環境問題・食料問題と比較しても圧倒的に低く、国内におけるタンパク質危機の啓発不足が露呈する結果となりました。
一方でタンパク質危機に対して「知っており、内容も理解している」「内容は知らないが言葉だけは知っている」「言葉を聞いたことがある程度」と回答した方503名を対象に、タンパク質危機に対する意識と行動を尋ねた設問では、47.9%の方が検索以上の行動をとっていると回答しました。この割合は他の社会課題と比較しても遜色ない数字であり、課題を認知した方の約半数が何らかの行動をとっていると判明。タンパク質危機の認知普及が日本における喫緊の課題であることが分かる結果となりました。
調査結果② ~昆虫食に対する認知およびイメージ~
タンパク質危機に対する有効な解決手段の1つとしてFAOの提唱する昆虫食ですが、全体の82.0%が「知っている・聞いたことがある」と回答し、国内における知名度の高さがうかがえる結果となりました。その一方で昆虫食に対する印象・イメージを問う設問では41.8%が「気持ち悪い」29.9%が「美味しくなさそう」と回答し、食品としての一般普及には及ばない状況だと判明しました。
また昆虫食に対して「言葉を知っている」と回答した方に、その内容を尋ねる設問では、タンパク質やビタミン、ミネラル等の栄養素が豊富な点は約27%の認知度があったものの、「既存の畜産に比べ飼育する際の環境負荷が低い」といった環境文脈でのメリットは12.6%しか知られていないことが分かりました。
現代の昆虫食や食料問題に関して
日本では100年ほど前まで昆虫が日常的に食べられており、大正時代に昆虫学者の三宅恒方によって行われた調査では、当時55種類の昆虫が食べられていたと言われています※。このような歴史的背景から国内での昆虫食に対する知名度は高く、実際に上述の「昆虫食について『知っていること』」を尋ねた設問では、「日本では伝統的に食べられてきている」が27.1%と比較的高い回答を集めました。
※三宅恒方「食用及薬用昆虫に関する調査」
当時の昆虫食は採取による収穫がほとんどであり、食べ方も佃煮やかば焼きなどの見た目が残る方法がメインでした。一方で現在普及しつつある昆虫食は、養殖による安心安全な生産とパウダー加工等によって見た目にも配慮した商品が多く、既存の昆虫食に対する「気持ち悪い」「不潔そう」といったイメージの払拭を目指すものも散見されます。
昆虫食や食料問題を取り巻く現状には、このような認知不足に起因したイメージと実情の乖離が多数あり、その一端が今回の調査結果をきっかけに露となりました。グリラスはこのようなギャップを埋めることで社会課題の解決を目指すべく、今後も引き続き定点観測を行い、その結果を公表していきます。
食用コオロギ関連事業の背景について
2019年6月に国連より発表された報告書によると、今後30年で世界人口は77億人から97億人への増加が見込まれ、急激な人口増加に伴う飢餓や栄養不良といった食料問題への対応が喫緊の課題です。特に動物性タンパク質の不足は顕著であり、その解決策としてFAO(国際連合食糧農業機関)は昆虫食を推奨しています。昆虫は既存の畜産と比べて、1kgのタンパク質の生成に必要な餌や水の量が圧倒的に少ないため、限りある資源の有効活用が可能です。加えて温室効果ガスの排出量も少なく、環境負荷の低いタンパク源といえます。
また日本を含めた多くの国々では年間13億トンにも上る食品ロスが発生しており、その量は全世界で生産されている食品の約3分の1に相当します。コオロギは雑食の昆虫であるため餌の制限が少なく、世界中で発生している食品ロスを餌として飼育することが可能です。これらの特徴からグリラスは、捨てられるはずの食品ロスを新たなタンパク質へと循環させることのできる食用コオロギを、循環型の食品“サーキュラーフード”と位置付け、食用コオロギ関連事業を行っています。
サーキュラーフードについて
サーキュラーフードとは、持続可能な社会の実現にあたり、環境負荷の低減を目指し、かつ食品ロスを主要原料として活用すべく開発された新技術を用いて生産された循環型の食材及び食品のことを指します。サーキュラーフードの普及は、SDGsのターゲット12.3「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品の損失を減少させる。」への寄与が見込めます。
またグリラスは、サーキュラーフードの推進を通じて、2040年までに国内における年間253万トンの食品ロスの活用・循環を目指す「サーキュラーフード推進ワーキングチーム」の幹事企業です。
※サーキュラーフード推進ワーキングチームの詳細はこちらhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000070046.html
グリラスオリジナルブランド「C. TRIA」について
グリラスではサーキュラーフードをコンセプトとしたオリジナルブランド「C. TRIA(シートリア)」を自社ECサイト「グリラスオンライン」(https://gryllus-online.jp/pages/ctria)を中心に展開しています。現在は日本経済新聞社「2021年日経優秀製品・サービス賞 日経産業新聞賞」を受賞した2種のお菓子に加え、主食主菜となるカレーやパンを取り扱っています。また「C. TRIA」に使用しているコオロギ原料のブランド「C. TRIA Originals(シートリアオリジナル)」を2021年12月に設立しました。
株式会社グリラスについて
グリラスは、徳島大学における30年近くに及ぶコオロギ研究を基礎とした、世界でもトップレベルの知見やノウハウを持つフードテックベンチャーです。2020年5月より株式会社ジェイテクトと業務提携を行い、食用コオロギの自動生産システムを開発しています。また徳島県美馬市の2つの廃校をそれぞれ生産拠点・研究拠点として整備し、品種改良をはじめとした研究開発から、食用コオロギの生産、食品原料や商品の開発・販売までを一貫して国内で行っています。
・社名 :株式会社グリラス(https://gryllus.jp/)
・事業内容 :⾷⽤コオロギの⽣産
⾷⽤コオロギを⽤いた⾷品原材料および加⼯⾷品の製造、販売
⾷⽤コオロギの飼育管理サービスの開発、販売等
・代表取締役 :渡邉 崇人
・所在地 :徳島県鳴門市撫養町黒崎字松島45-56
・生産拠点 :徳島県美馬市美馬町字南原22-1
・研究拠点 :徳島県美馬市美馬町入倉657
・資本金 :2億8,200万円(資本準備金等を含む)
・設立 :2019年5月
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