子育て期の女性によるNPO支援活動が「東京都女性活躍推進大賞」を受賞
育休中や復職を目指すママの参加による「復職への不安解消・キャリアへのポジティブな変化」を評価
日本における「プロボノ」の草分けとして国内最多のコーディネート実績を持つ認定NPO法人サービスグラント(東京都渋谷区、代表理事:嵯峨生馬 以下、サービスグラント)が運営する、子育て期の女性の参加活躍により非営利組織を支援するプロボノプログラム「ママボノ」が、令和6年度「東京都女性活躍推進大賞 特別賞<地域部門>」を受賞しました。
※プロボノ=経験やスキルを活かすボランティア活動
ママボノ:https://mamabono.org/
東京都女性活躍推進大賞:https://www.seikatubunka.metro.tokyo.lg.jp/danjo/jokatsu/taisho.html
結婚や出産・子育てによる離職が約3割。復職する約8割が「復職に不安」
サービスグラントは2005年に活動を開始し、NPO等の非営利組織へ2,000件を超えるプロボノ支援を提供し、様々な社会課題の解決を後押ししてきました。その活動の中で、参加者にとってのプロボノ活動は、自身のスキルや経験を活かして社会貢献できるというだけでなく、社会に関する学びや自身のキャリアに対する気づき等を得られる機会となっていることが明らかになってきています。
サービスグラントは、日本における社会課題のひとつである女性の活躍推進においてもプロボノ活動の体験が役立つのではないかと考え、2013年度からママによるプロボノ=「ママボノ」の取り組みを開始しました。
日本では、結婚や出産・子育てのために離職をする人は30.5%(内閣府 男女共同参画白書 令和5年版)おり、また、復職をするとしても、81.6%の女性が復職に不安を感じている(育休コミュニティMIRAIS 育休経験者400名の実態調査 2020年)という課題があります。
育休中・離職中のママによるプロボノで、復職へのウォーミングアップに
「ママボノ」では育休や子育てを理由に離職中の女性同士でチームを編成することで、子どもがいながらでも参加しやすいプロボノプログラムとして開始しました。仕事上の経験やスキル、ママとして、生活者としての目線を活かしてNPO法人等の課題解決に取り組みます。同時に、チーム活動の中で気付いたお互いの強みを伝え合う振り返りの機会等も設け、仕事に対する自信を取り戻したり、異なる業種のママたちの働き方から学びを得られたりと、越境学習の機会ともなるのが特徴です。
プロジェクト期間中は、プロジェクトのタスクを遂行するために子育てや家事についてのパートナーとの話し合いや協力も必要となり、スムーズな復職に向けて、子育てと仕事を両立させるシミュレーションの機会ともなっています。また、業種や業界を超えて出会ったチームメンバーとは、プロジェクト終了後も復職にあたってお互いを激励し合う仲間として縁が繋がっているという報告も多数受けています。
このように「ママボノ」は、社会課題解決の推進に寄与すると同時に、支援をする側である女性の活躍をも支援するプログラムとして、多くの参加希望者・支援希望団体のもと、2024年度で12年目を迎えています。2023年度までに755名(東京都在住の参加者は380名/全体の50.3%)が参加し、117の団体(東京都内の団体は71団体/全体の60.7%)を支援してきました。
ママボノ参加者の約8割が「復職に向けた不安が解消された」と回答
2023年度までのママボノ全参加者のうち、参加後のアンケートで99.7%がプロジェクトについて、「良い印象をもっている」と回答しています。さらに、離職期間中に、異業種の経験を持つチームでのプロボノプロジェクトに参加をすることで、復職時の不安を解消できた人が77.2%に上りました(アンケートで「復職に向けた不安が解消された」と回答)。また、普段の職場ではできない、社会課題解決に取り組む支援先団体やチームメンバーとの交流、課題解決のプロジェクト経験を通して、98.7%の参加者が、「視野が広がったり、人間的な成長につながった」と回答し、85%の参加者が「ママボノに参加し復職した後、キャリア面でポジティブな変化があった」と回答しました。慣れた職場では気づかなかったスキルを客観的に評価されることで、自分の強みに気づき自信を持てる機会となっています。
加えてママボノは、特に子育て期の女性が職場で経験しにくいと言われている、リーダーとしての経験を積むこともでき、自信を持てる機会ともなっています(55%の1人目育児の参加者が「管理職やリーダーの機会があればよい影響が与えられる」と回答 ※WEB調査群は25%)。また、プロジェクト終了後も、オンライン等での交流や情報交換が行われ、積極的に社会で役立ちたいという女性同士のネットワーキングにもなっています。
今回の受賞においては、このような、ママボノ参加者の復職への不安払しょくやキャリアへのポジティブな変化が評価されました。
参加ママの声:https://mamabono.org/entry/voice/
復職後のママたちの活躍機会も創出
ママボノ参加経験があり社会貢献に関心が高い女性たちも、復職をすると、仕事と家事と子育てとの両立の中で社会貢献や自己探求の時間を割けなくなっていく現状があります。そこで、2022年度より、過去のママボノ参加者を対象としながら、復職済みの女性でも参加しやすいように活動内容や活動時間に配慮したプロボノプログラムを実施中です。
具体的には、NPOの代表やスタッフに対するメンタリングを行う「NPOメンタリングプログラム」や短期間でのプロボノプロジェクトです。2024年12月時点で参加者58名、18団体の支援を行ってきました。
今後は、参加対象者をママボノ経験者以外にも開き、より多くのプロジェクトを実施するとともに、復職後も社会貢献に関心がある女性たちが活躍し、加えて、新たなネットワークがつくれるようなプロジェクトを増やしていきます。
NPOメンタリングプログラム:https://mamabono.org/post-3177/
認定NPO法人サービスグラントについて
認定NPO法人サービスグラントは、日本における「プロボノ」のフロンティアとして2005年より活動を開始。"社会課題を前に、誰もが行動を起こし、違いや可能性を活かしあいながら協働できる社会"を目指し、主に、社会人の経験やスキルを活かした「プロボノ」によって非営利組織が抱える課題の解決を目指す、プロジェクト型支援のコーディネート等に取り組んできました。2024年7月現在、サービスグラントの登録者は延べ約9000人、実施プロジェクト数は約1900件となりました。これらの実績を通じて、多様な主体が境界を越えて協働する社会のしくみを探求しています。
【本リリースに関する報道お問い合わせ先】
認定NPO法人サービスグラント(ママボノ担当 栗原・津田)
TEL: 03-6419-4021
e-mail: mamabono@servicegrant.or.jp
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