【慢性的な腰痛と「うつ状態」の因果関係が明らかに】脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニア・坐骨神経痛などの腰痛疾患を抱える患者におけるうつ傾向に関するテスト
BDI(ベックうつ病調査表)から明らかになった心理状態と腰痛の関連性
「腰痛治療の効果 100%を目指してよりラクにリスクの少ない治療を安心・納得して受けていただく」を理念に掲げる ILC 国際腰痛クリニックは、脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニアなどの腰痛疾患を抱える患者様を対象に、BDI テスト*¹を実施した結果、「疲労感」「自殺念慮」「食欲の変化」「興味喪失」の 4 項目で、腰痛との因果関係があることが明らかになりました。
「腰痛疾患を抱える患者様への BID テスト」 概要
調査対象: ILC国際腰痛クリニック(東京院、大阪院)を受診した男女(男女比:56:44)
調査期間: 2024 年 3 月~2025 年 4 月
調査方法: 問診時にアンケート用紙に選択式で任意回答
調査人数: 448 名
調査の経緯
当院の理念である腰痛治療効果 100%を目指すためには、痛みに関するあらゆる要因の可能性を考え、対処法について検討を重ねる必要があると我々は考えています。
「痛みの恐怖―回避モデル」*²という慢性疼痛研究における最も影響力のあるモデルがありすが、これは痛みへの恐怖心から活動を避け(回避行動)、その結果、筋力低下や気分障害を招き、さらに痛みを感じやすく、悪化させてしまうという悪循環を指しています。
この回避モデルは、腰痛のような慢性疼痛の治療において、痛みの原因となる身体的な問題だけでなく、患者の心理的な側面(恐怖、不安、破局的思考)にアプローチすることの重要性を示しています。
心理社会的な要因のなかでこれまで最も多く検討されてきたのは「不安」や「うつ」であることから、今回当院の腰痛患者様に BDI テストを実施し、腰痛との因果関係を統計的に分析することにいたしました。
*¹BDI テストとは:認知行動療法を提唱したアメリカの精神科医アーロン・T・ベック博士によって考案された抑うつの程度を客観的に測る自己評価表で、うつ病の診察の最初のセッションで用いられる質問表。
*²痛みの恐怖―回避モデル

心因的な理由に相互関係 腰痛を悪化させていると想定される結果に

疲労感については、酸化ストレスによる椎間板組織へのダメージと神経損傷が痛みを増強させている可能性があります。自殺念慮に代表されるうつ状態では、脳の疼痛抑制システムが機能低下し、痛みが慢性化しやすくなります。食欲の変化は、活動量低下による栄養不足や自律神経系の乱れと関連し、組織の回復力を低下させます。そして興味喪失は、引きこもりによる筋力低下と姿勢悪化を招き、脊椎への負担を増大させます。
これらは単独ではなく、相互に影響し合いながら腰痛を悪化させる悪循環を形成していると推察されます。
疲労感・自殺念慮・食欲の変化・興味喪失の順で腰痛との因果関係が強い
1. 疲労感と腰痛の悪循環
疲労感の高い患者で腰痛が強くなるのは、活性酸素(フリーラジカル)の影響が類推されます。
激しい運動や強いストレスが加わると、体内で活性酸素が大量に発生します。この活性酸素は細胞のタンパク質や遺伝子を傷つけ、細胞機能を低下させる原因となります。特に脊椎疾患患者においては、椎間板組織へのダメージが蓄積し、炎症性サイトカインの産生を促進することで、本来であれば抑制されるべき痛みの信号が脳に伝わりやすくなり、痛みがさらに増強される可能性があります。
2. 自殺念慮と下行性疼痛抑制系の機能低下
うつ状態では、セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の働きが低下します。これらの物質は下行性疼痛抑制系において重要な役割を果たしており、脳から脊髄への痛み抑制信号を伝達しています。神経伝達物質の機能低下により、本来であれば抑制されるべき痛みの信号が脳に伝わりやすくなり、結果として痛みが慢性化・増強すると考えられます。つまり、精神的苦痛が神経生理学的なレベルで身体的な痛みを強めている可能性が示唆されます。
3. 食欲の変化と栄養・消化機能の問題
食欲の減退が見られる患者で腰痛が強い背景には、活動量の低下と過敏性の問題が関与している可能性が考えられます。
腰痛による運動不足で活動量が減少すると、エネルギー消費が少なくなり、結果として食事量が減少します。これにより必要な栄養素が不足し、組織の修復能力や抗炎症機能が低下する可能性があります。また、高感受性(HSP)傾向のある患者では、生活環境の刺激に過敏に反応し、自律神経系のバランスが崩れることで消化不良を起こしやすくなります。消化機能の低下は栄養吸収を妨げ、身体の回復力をさらに低下させる要因となります。
4. 興味喪失と身体機能の低下
興味喪失のスコアが高い患者で腰痛が強い理由として、引きこもり傾向による身体的デコンディショニングが挙げられます。
日常的な活動や趣味への興味を失うことで、引きこもり傾向が強まり、活動量が著しく低下します。その結果、筋力が低下し、正しい姿勢を維持することが困難になります。特に体幹筋の弱化は脊椎への負担を増大させ、腰痛を悪化させる要因となります。
さらに、社会的役割を失うことで生じる無気力感は、活動意欲そのものを低下させ、リハビリテーションや運動療法への取り組みを阻害します。この悪循環が腰痛の慢性化と重症化を招いていると考えられます。
調査結果における臨床的意義
本調査結果は、脊柱管狭窄症・・椎間板ヘルニアなど腰痛疾患を抱える患者の治療において、身体的側面だけでなく、心理的・精神的側面への包括的なアプローチの重要性を示す調査結果となりました。疲労管理、精神的サポート、栄養指導、そして社会的活動の維持といった多面的な介入が、腰痛の軽減につながる可能性があります。
認知行動療法・自律神経を整えるプログラム(マインドフルネスなど)・集団運動療法といった方法により、痛みに対する適応力を高め、再発防止や長期的な痛み管理、日常生活や活動性が向上することを目指し、痛みからの回復を支援しています。
引き続き、ILC 国際腰痛クリニックでは、これらの知見を活かして、患者様ひとりひとりに向き合い、統合的な治療プログラムの開発を行ってまいります。

医療法人OJ会 ILC国際腰痛クリニックについて
日本で唯⼀!「椎間板を修復する治療・セルゲル法」を提供している腰痛治療に特化した専門クリニックです。医師が患者様一人ひとりに対して30分以上の時間をかけ、痛みや症状を丁寧にお伺いし、治療についてじっくりご相談いただいています。
セルゲル法は、欧州を中⼼に世界54ヶ国以上で導⼊されている先進的な腰痛治療法で、世界で45,000
件以上の治療実績があります。
【このようなお悩みの方に】
・痛みで長時間立っていられない、座れない
・長い距離を歩くことができない
・ゴルフなどのスポーツを楽しめない
・手術や入院は避けたい、したくない
腰痛の改善は、症状を理解し、正しい対処・治療を行うことが重要です。
日常生活の動作に不安がある、腰痛が消えない…そんな方は先ずご自分の腰の状態を知ることをお勧めします。
医療法人OJ会 ILC国際腰痛クリニック 概要
日帰り可能な海外の先進的腰痛治療法「セルゲル法」「フローレンス法」「Qフローレンス法」などを中心に行っているクリニックです。 公式HP: https://ilclinic.or.jp/
<東京院>
クリニック名:ILC国際腰痛クリニック東京
所在地:東京都港区港南1-8-15 Wビル1階
電話番号:03-6712-3520
診療時間:月・火・水・金・土 9:00~17:00
(祝日・年末年始除く)

<ウェルネスクリニック東京院>
クリニック名:ILCウェルネスクリニック東京
所在地:東京都中央区日本橋3-3-12 E-1 BLDG. 3F
電話番号:03-6712-3520
診療時間:火・水・木・金・土 9:00~17:00
(祝日・年末年始除く)

<大阪院>
クリニック名:ILC国際腰痛クリニック大阪
所在地:大阪府大阪市淀川区西中島5-4-20 新大阪駅前中央ビル1階
電話番号:06-6829-7662
診療時間:月・火・木・金・土 9:00~17:00
(祝日・年末年始除く)

<名古屋院>
クリニック名:ILC国際腰痛クリニック名古屋
所在地:愛知県名古屋市中村区名駅4-6-23 第三堀内ビル1階
電話番号:052-526-1699
診療時間:月・火・木・金・土 9:00~17:00
(祝日・年末年始除く)

<上記に関するお問い合わせ先>
■医療法人OJ会 ILC国際腰痛クリニック
■担当:伊藤
■TEL:03-6712-3520
■Email:info@ilclinic.or.jp
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