生成AIとコンテンツマーケティングで地方創生に挑戦!西粟倉村での合宿型企業研修を通じた、実践的な地域活性化支援
株式会社日本SPセンターは、岡山県西粟倉村で1週間の合宿型企業研修を実施。生成AIとコンテンツマーケティングを活用し、地域事業者の課題解決に取り組み、実践的な学びと地域貢献を両立した研修となりました。

概要
1.参加メンバーは現地に宿泊しながら、役場を含む3つの事業者の課題解決に挑戦
2.生成AIと対話しながら、人間×AIの共同作業でビジネス課題の解決策を検討
3.締めくくりは一般参加型のセミナー形式で、西粟倉村の皆様に向けて成果発表
株式会社 日本SPセンターは、2025年6月2日から6日までの4泊5日間、岡山県英田郡西粟倉村で企業研修を実施。16名のプランナー(含む1名の外部講師)が、生成AIを活用したコンテンツマーケティングの研究と実践に取り組みました。
「地方の小規模事業者の活性化が、地方創成に直結する」との考えから、定期的に開催している合宿型の企業研修。これまで長野県、京都府京丹後市、千葉県南房総市で行われ、今回で4回目です。
今回の研修のテーマは「生成AIを活用した、地方の現場のマーケティング・コミュニケーション支援」です。あわくら温泉元湯、西粟倉村役場、西粟倉むらまるごと研究所の3つの事業者を対象に、それぞれが抱える情報発信の課題に対して、生成AI×コンテンツマーケティングの手法で解決策を検討。今回の研修は受け入れ事業者でもある、西粟倉むらまるごと研究所の支援の元、宿泊先や研修プログラムの選定が行われました。
研修参加メンバーは、西粟倉村が推進する「百年の森林構想」の現場を実際に体験。間伐材の燃料加工の様子、地元食材を活用した郷土料理、焚火体験など、村の魅力についても肌で感じながら課題理解を深めました。
西粟倉村の森にも入り、構想に至る背景と森林資源の管理・活用状況について身をもって体験。西粟倉発のベンチャー企業の方々や役場職員の皆様との交流を通じて、地域が抱える実情についても詳しくお伺いすることができました。

さらに、あらゆる場面で生成AIを活用。西粟倉村の観光・移住情報、各事業者の活動内容、現地でのヒアリング内容、関連する地域資源データなどを生成AIに学習させ、各チームのマーケティング企画検討を支援しました。マーケティング戦略に欠かせないペルソナの作成、課題抽出、対策案のアイデア出しなどについては、当社独自のメソッドを用いることで、短時間で質の高いアウトプットにつなげることができました。
合宿の最終日には、西粟倉村のホールをお借りして、集大成となるマーケティングプランをセミナー形式で発表。各事業者の課題に対して、発信コンセプト、ペルソナ分析、具体的なコンテンツ施策、実装の優先順位などについて発表を行いました。
共同で取り組んだ各事業者様からは「実践的で取り組みやすい内容」「AIの活用可能性が広がった」との評価をいただきました。また、西粟倉村役場からは「観光戦略を考える新たな視点を得られた」「今後の政策立案にも参考にしたい」などのコメントがありました。 今回のプレゼンテーションで終わりではなく、今後も西粟倉村へのコンテンツマーケティング支援を継続していく予定です。
本研修の特長
1. 現場に足を運ばないとわからない「一次情報」を収集
コンテンツマーケティングでは、情報の送り手の都合だけではなく、情報の受け手のニーズを踏まえることが重要です。そのために、訪問する前から西粟倉村についてのオープンデータの収集や、リモートでの事業者インタビューなど準備を進めました。
西粟倉村の滞在中には、特に「一次情報」の収集に注力しました。ありきたりではない現場で使える示唆を生成AIから引き出すには、一次情報の収集と学習が不可欠です。
一次情報は主に、事業者のみなさまからの長時間のインタビューや、実際の業務体験を通じて収集。例えば、日々の情報発信業務についての課題意識、顧客からの声、現場担当者の深い想いやこだわり、などが挙げられます。いずれもインターネットの検索結果には掲載されていない、貴重な一次情報です。

2. 生成AIを活用して、様々なデータから価値ある情報を抽出
生成AIのプラットフォームとしては、「ChatGPT」「Claude」「Gemini」「Perplexity」「Notebook LM」等、様々なツールを比較・併用しました。
ただし今回は、現場での導入のしやすさを重視し、コスト面も考慮して各生成AIサービスの標準機能のみを使用しました。現場の担当者だけで運用できるようにするため、外部エンジニアを必要とするRAG(Retrieval-Augmented Generation)の構築等は行っていません。このような制約の中では、取得した一次情報を生成AIが処理しやすい形に整えることが重要ですが、その情報加工のプロセスも生成AIに任せることで、限られた時間内で効率的に実施しました。
生成AIに一次情報を読み込ませた後、具体的な課題の解決や示唆の抽出を行いました。このプロセスでは、大量に生成された出力を精査し、精度の高い情報を選び抜くことが不可欠です。その際、生成された内容を生成AI自身に評価させる方法が非常に効果的でした。また、その結果をチーム内で共有し、多角的な視点から検討を重ねました。特に、生成された内容が現場で実際に活用可能かどうかを判断するためには、事業者と直接議論しながら適用可能性を確認するステップが重要な役割を果たしました。
さらに、生成AIで得られた情報を活用し、具体的なマーケティング施策の提案も行いました。たとえば、発信内容の改善や、より効果的なコミュニケーション戦略の立案などがその一例です。これらの提案は、西粟倉村の事業者との丁寧な対話を通じて得た洞察と、生成AIの能力を最大限に引き出した結果として生まれたものです。


3.日々の仕事を見つめなおす。世代・キャリアを超えたコラボレーション
研修参加メンバーは20代~40代と世代・キャリアがばらばらでした。また、対象となる事業者も経歴や価値観が様々です。
こうした様々なバックグラウンドを持つメンバーとよく意見を出し合うことで、問題を解決する新しいアイデアが見つかりました。こうした話し合いを通じて、それぞれの仕事についての理解も深まり、普段の仕事をもっと意味のあるものとして捉えることができました。最終的には、いろんな視点が合わさってたくさんの新しいアイデアが生まれ、事業者にとっても役立つ提案ができるようになりました。
コロナ禍を経てリモートワークが進んだ現在では、同僚や先輩社員が悩み試行錯誤をしている様子や、ありきたりなアイデアにならない発想のジャンプの方法など、会議や成果物だけでは見えにくい仕事のノウハウや醍醐味を共有する場が減っています。一方で生成AIの一般化によって、新しい情報の収集やノウハウの蓄積と社内共有がますます重要になってきています。
今回、日々の都会の仕事から離れ、普段と異なる環境で新たな課題に向き合うことで、変化の激しい生成AI時代を乗りこなすために必要な、知識の共有の重要性と、そのために必要な良好な関係性作りを学ぶことができました。
研修参加メンバーからは「より広い視野で物事を捉えられるようになった」「ふだんの仕事では学べない重要な体験だった」「これからも生成AIの現場活用に取り組みたい」といった声がありました。
地方創生を含む様々なビジネスにおけるマーケティングに活用いただけるよう、日本SPセンターは、生成AIを活用したコンテンツマーケティングの研究と実践に引き続き取り組んでまいります。
※今回の取り組みの詳細は2025年11月に開催予定の、弊社主催イベント(CONTENT MARKETING DAY 2025)にて一般公開予定です。

株式会社日本SPセンターについて
1967年創業のマーケティング・エージェンシー。大手企業のマーケティング・プロモーションを中心に、国内外の実績多数。マーケティング戦略立案から、WEBサイトやカタログ、動画などのプロモーションコンテンツ制作まで幅広く対応可能です。2010年頃からはコンテンツマーケティングの研究・実践に取り組んでおり、コンテンツマーケティングのビジネスアカデミー「CONTENT MARKETING ACADEMY(コンテンツマーケティング・アカデミー)」を主催し、国内最大規模のコンテンツマーケティングのコニュニティイベント「CONTENT MARKETING DAY(コンテンツマーケティング・デイ)」を毎年開催しています。
生成AIを活用した地方創成とコンテンツマーケティングについては近年の研究テーマのひとつです。マーケティング業界と地方の事業者や自治体をつなげる活動を今後も進めていきます。
関連リンク
一般財団法人 西粟倉むらまるごと研究所
あわくら温泉 元湯
西粟倉村役場
https://www.vill.nishiawakura.okayama.jp/wp/
株式会社日本SPセンター
https://nspc.co.jp/
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