ベネッセ シニア・介護研究所 認知症ケアメソッド®の活用を促進するオンライン講座の効果について、第12回IAGGアジア/オセアニア国際老年学会議(IAGG-AOR2023)にて発表
オンライン講座が認知症ケアメソッド®の実践を後押しできる可能性を示唆、英語版の認知症ケアメソッド®も初公開
認知症ケアメソッド®とは、ベネッセスタイルケアの300を超える高齢者向けホームでの、認知症の方をはじめとする様々なご入居者様にうまく寄りそうことのできた事例を集め、うまくいった理由や背景を紐解き共通項でまとめ、パターン・ランゲージ注2の手法を用いて「ノウハウ」「コツ」といった実践知を言語化することで、再現可能にしたものです。全40個のメソッドは、職員が「できそう」「やってみたい」と思い、すぐに具体的な行動に移せるよう、ホームとご入居者様を取り巻く状況と、その状況において起こりがちな問題、その問題を解決に導くための具体的な方法、その方法によってもたらされる結果を、わかりやすく記述しています。冊子とカードの形で配布して各ホームでの実践をスタートさせたうえで、さらなる活用を促進するために活用講座をスタートしました。
コロナ禍のためオンライン形式とした1時間の講座では、認知症ケアメソッド®の概要説明と活用事例の紹介等を行っていますが、一方通行にならないよう、インタラクティブな仕掛けも導入しています。その結果、事後アンケートに回答した介護職員等782名のうち95.7%が、認知症ケアメソッド®の活用にさらに意欲的になったことが確認できました。その理由としては、「認知症ケアにおいて大事なポイントがまとまっているから」「やってみたいと思えるメソッドがあったから」「(メソッドが)当てはまりそうなご入居者様が思い浮かんだから」「取り組みやすそうだから」などが挙げられており、講座を通じて職員の実践を後押しできる可能性が示唆されました。今後は、この結果を反映して認知症ケアメソッド®の活用講座をブラッシュアップしていく予定です。
図1:認知症ケアメソッド®活用講座の様子
図2:認知症ケアメソッド®の例(上:日本語版、下:英語版)
上記成果は、2023年6月12日~14日にパシフィコ横浜ノースにて開催された第12回アジア/オセアニア国際老年学会議(IAGG-Asia/Oceania Regional Congress 2023)において、”Promotion of Dementia care Method® “Words to create a world for living together with you”: Effect of the online training course”(筆頭発表者:福田亮子)と題して発表いたしました。発表に合わせ、英語版の認知症ケアメソッド®も作成し、当該学会にて初公開いたしました。
ベネッセスタイルケアは、これからも「その方らしさに、深く寄りそう。」を実現するための取り組みを推進するとともに、その効果を検証し広く発信してまいります。
注1: 日本語版はhttps://www.benesse-style-care.co.jp/method03/ にて公開中
注2: 1970年代に、都市計画・建築家のクリストファー・アレグザンダー氏が提唱した、建築・都市計画法において真の住民参加を実現するための共通言語を構築・活用する理論
ベネッセ シニア・介護研究所
https://www.benesse-style-care.co.jp/lab/
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株式会社ベネッセスタイルケア 社長室広報 TEL 03-6836-1111
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