女性管理職 30%を目指す『2020年 30%』の達成率 外資系企業 17%、日系企業8%で約2倍の差

ーエンワールド・ジャパン 女性管理職 実態調査ー

エンワールド・ジャパン

日本最大級のグローバル人材に特化した人材紹介会社 エンワールド・ジャパン株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:ヴィジェイ・ディオール)は、3月8日の「国際女性デー」に先駆け、企業の人事・採用担当者に「女性管理職」についてのアンケートを行い、447名から回答を得ました。
【調査結果 概要】
■ 女性活躍についての『2020年 30%』目標、認知度は6割弱。

■ 目標を「すでに達成」している企業、外資企業は17%、日系企業は8%と2倍の差。従業員数が少ない企業ほど「すでに達成している」割合が高い。

■ 女性管理職の割合、外資系企業は「10~29%」(40%)、日系企業では「10%未満」(54%)が最多。

■ この5年間で女性管理職の割合が「増加した」企業、外資系企業社員で5割、日系企業で6割。従業員数が多い企業ほど「増加した」割合が高い。

■ 新しい女性管理職の登用方法、外資系企業では「昇格と採用の両方」(50%)、日系企業では「既存社員の昇格」(52%)の割合がもっとも高い。

■ 女性管理職に期待していること第1位は「女性を含む、多様な人材のマネジメント」。

■ 女性管理職登用でネックになっていること、第1位は「管理職を任せられる女性の人材がいない」。第2位は外資系企業で「性別を問わず、優秀な人材を管理職にしたい」(46%)、日系企業で「管理職を任せたい女性が、管理職になる意思がない」(42%) 。


-------------------------------------------------------------------------------------
【結果解説】エンワールド・ジャパン  人材紹介事業部  アソシエイトディレクター  永島 亜紀


海外では日本よりも早くから女性管理職登用に力を入れ、明確な数値目標に取り組んでいます。また、性別ではなく、能力評価、成果主義に重きを置いてきたことも要因の一つだと考えられます。

40代の転職マーケットが本格化し、日系企業も外部からの管理職採用をスタートしたのはここ数年です。一方、外資系企業には終身雇用制度という概念が低く、経験者採用がスタンダードであることから、女性管理職の登用方法のみが異なるのではなく、そもそもの文化的背景が起因していると考えています。

企業は、男女関係なく仕事や成果で評価することに加えて、管理職に起用した際の理由を社員に明確に伝えること。目指す姿、管理職のあるべき姿の共通認識をもつことも大事だと考えています。CSRの一環や表層的な数字目標ではなく、女性管理職やダイバーシティ採用の必要性を、経営層が本当に理解して登用すべきだと考えています。

管理職といわれると堅苦しく、覚悟がいることだと思いますが、最初から管理職の方はいないのです。思い切ってステージに上がってしまえば、ポジションや周囲からの期待で人は成長します。そしてチームメンバーやチーム全体の成果が出た時に、すべて自分事で喜べることが、私は一番の醍醐味だと感じています。
-------------------------------------------------------------------------------------
※「2020年30%」の目標とは?
社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする目標。
参考資料:「2020年30%」の目標の実現に向けて(内閣府男女共同参画局)
http://www.gender.go.jp/kaigi/renkei/2020_30/index.html


【調査結果 詳細】
1. 女性活躍についての『2020年 30%』目標、認知度は6割弱。(図1)

政府が掲げている女性活躍推進についての『2020年 30%』目標について知っているか伺ったところ、「知っている」と回答したのは6割弱でした。(外資系企業:57%、日系企業:56%)

【図1】政府が掲げている女性活躍推進についての『2020年 30%』目標について知っていますか。


2. 『2020年 30%』目標を「すでに達成している」企業、外資企業は17%、日系企業は8%と2倍の差。従業員数が少ない企業ほど「すでに達成している」割合が高い。(図2、図3、図4)
『2020年 30%』目標について「知っている」と回答した方に、目標が達成できそうか伺いました。
「すでに達成している」(外資系企業:17%、日系企業:8%)と回答した方は、外資系企業と日系企業で2倍以上のポイント差となり、外資系企業の取り組みの高さがうかがえます。

従業員数別では、外資系企業、日系企業ともに、従業員数が少ない企業ほど「すでに達成している」と回答した割合が高い傾向がみられます。(従業員数:外資系企業、日系企業 / 100人未満:23%、20%、100人以上~499人未満:17%、3%、 500人以上~999人未満:16%、14%、 1,000人以上~4,999人未満:12%、8%、5,000人以上:14%、4%)

【図2】女性活躍推進についての『2020年 30%』目標について「知っている」と回答した方に伺います。
『2020年 30%』目標は達成できそうですか。(企業の資本形態別)

*小数点第一位を四捨五入しているため、合計は100%にならない場合があります。
 

 

【図3】女性活躍推進についての『2020年 30%』目標について「知っている」と回答した方に伺います。
『2020年 30%』目標は達成できそうですか。(外資系企業、従業員数別)

*小数点第一位を四捨五入しているため、合計は100%にならない場合があります。

【図4】女性活躍推進についての『2020年 30%』目標について「知っている」と回答した方に伺います。
『2020年 30%』目標は達成できそうですか。(日系企業、従業員数別)

*小数点第一位を四捨五入しているため、合計は100%にならない場合があります。


3. 女性管理職の割合、外資系企業は「10~29%」(40%)、日系企業では「10%未満」(54%)が最多。(図5)​
現在の女性管理職の割合を伺うと、外資系企業では「10~29%」(40%)、日系企業では「10%未満」(54%)の割合が最も高くなりました。

【図5】あなたの会社の女性管理職の割合は何%ですか。

*小数点第一位を四捨五入しているため、合計は100%にならない場合があります。


4. この5年間で女性管理職の割合が「増加した」企業、外資系企業で5割、日系企業で6割。従業員数が多い企業ほど「増加した」割合が高い。(図6、図7、図8)
「この5年間で、女性管理職の人数に変化はありましたか」と伺ったところ、外資系企業、日系企業ともに過半数が「増加した」 (外資系企業:51%、日系企業:60%)と回答しました。現状やや遅れを取っている日系企業が、女性管理職の登用に比較的積極的に取り組んでいることが見て取れます。

従業員数別では、外資系企業、日系企業ともに、従業員数が多い企業ほど「増加した」と回答した割合が高い傾向がみられます。(従業員数:外資系企業、日系企業 / 100人未満:36%、48%、100人以上~499人未満:47%、51%、 500人以上~999人未満:63%、71%、 1,000人以上~4,999人未満:72%、59%、5,000人以上:63%、74%)

【図6】この5年で、女性管理職の人数に変化はありましたか。(企業の資本形態別)

*小数点第一位を四捨五入しているため、合計は100%にならない場合があります。

【図7】この5年で、女性管理職の人数に変化はありましたか。(外資系企業、従業員数別)

*小数点第一位を四捨五入しているため、合計は100%にならない場合があります。

【図8】この5年で、女性管理職の人数に変化はありましたか。(日系企業、従業員数別)​

*小数点第一位を四捨五入しているため、合計は100%にならない場合があります。


5. 新しい女性管理職の登用方法、外資系企業では「昇格と採用の両方」(50%)、日系企業では「既存社員の昇格」(52%)の割合がもっとも高い。(図9)
この5年間で女性管理職が「増加した」と回答した方に、どの様に女性管理職を増やしたか伺ったところ、外資系企業では「昇格と採用の両方」(50%)がもっとも多かった一方、日系企業では「既存社員の昇格」(52%)が過半数を占め、女性管理職登用の方法に傾向の違いがあることがうかがえました。

【図9】この5年で、女性管理職の人数が「増加した」と回答した方に伺います。女性管理職はどの様に増やしましたか。

*小数点第一位を四捨五入しているため、合計は100%にならない場合があります。


6. 女性管理職に期待していること第1位は「女性を含む、多様な人材のマネジメント」外資系企業、日系企業で共通。(図10)
「女性管理職に期待していることは何ですか」と伺ったところ、外資系企業、日系企業ともに第1位は「女性を含む、多様な人材のマネジメント」 (外資系企業:27%、日系企業:22%)でした。選んだ理由を伺うと“ダイバーシティーが企業成長につながる”という意見が多くみられました。

「その他」の回答では“性別に基づく期待はない”という回答が約半数を占めました。

【図10】女性管理職に期待していることは何ですか(複数回答可)


▶「女性を含む、多様な人材のマネジメント」を選んだ理由(フリー回答)
・性別、年齢、国籍などに関わらず、能力のある方に活躍していただける職場であって欲しいから。多様性ある組織は魅力的なので。(外資系企業)
・ダイバーシティの推進が会社発展に貢献するとの考え方であるため。(日系企業)

▶ 「その他」(フリー回答)
・特に「女性」であることに対する期待は無く、男女を問わず優秀なリーダーであることを期待している。(外資系企業)
・ 男性管理職に求めるものと同じ(日系企業)


7. 女性管理職登用でネックになっていること、第1位は「管理職を任せられる女性の人材がいない」。第2位は外資系企業で「性別を問わず、優秀な人材を管理職にしたい」日系企業で「管理職を任せたい女性が管理職になる意思がない」。(図11、図12)

「女性管理職登用でネックになっていることはありますか」と伺ったところ、外資系企業では5割、日系企業では6割が「ある」と回答しました。

具体的な回答の第1位は外資系企業、日系企業ともに「管理職を任せられる女性の人材がいない、見つからない」(外資系企業:48%、日系企業:59%)でした。第2位は外資系企業で「性別を問わず、優秀な人を管理職にしたい」(同:46%、33%)、日系企業では「管理職を任せたい女性が、管理職になる意思がない」(同:36%、42%)と逆転しました。外資系企業の成果・能力主義の文化的背景が起因していると推察できます。

「その他」では、“市場に女性が少ない” 、“産休育休時のポジション空席”などの懸念点とともに、 “男性管理職が女性管理職の登用に積極的でない”、など、一部ネガティブな声も見受けられました。

【図11】女性管理職の起用でネックになっていることはありますか。

【図12】女性管理職の登用でネックになっていることが「ある」と回答した方に伺います。どの様な点がネックになっていますか。(複数回答可)


▶ 「その他」(フリー回答)
・そもそも女性が少ない (外資系企業 / 製造業・工業・自動車)
・女性管理職の扱いに戸惑う、もしくは抵抗する男性社員がまだ見受けられる。(外資系企業 / 製造業・工業・自動車)
・男性管理職が殆どで女性管理職受け入れに積極的でない。(外資系企業 / 建設・不動産)
・産休育休などでポジションが空席になってしまう。 (日系企業 / IT・通信)
・選ぶ側の視点がまだまだ、従来の男性基準目線。 (日系企業 / IT・通信)
・男性にとって、女性登用の利点がまだ腹落ちしていないのではないかと考えている。 (日系企業/ 製造業・工業・自動車)

------------------------------------------------
【調査概要】
調査方法:インターネット調査                         
調査地域:全国
企業比率:外資系企業 60%、日系企業 40%    
調査実施期間:2020年3月3日~3月5日
従業員数比率 (外資系企業、日系企業):
100人未満:30%、20% 
100人以上~499人未満:33%、28% 
500人以上~999人未満:10%、12%
1,000人以上~4,999人未満: 20%、15% 
5,000人以上:8%、25%
------------------------------------------------

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

URL
http://enworld.com/jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都中央区京橋3-1-1 東京スクエアガーデン12階
電話番号
03-4578-3500
代表者名
金 太浩
上場
未上場
資本金
6500万円
設立
1999年10月