〈イベントレポート〉現場業務時間の見える化、流通支援価値創造業事例、NO.1ブランドについて講演。さらに、最新システム・取り組みを見学。タナベ経営主催「第5期 物流経営研究会 第5回」
「持続可能な物流」を学ぶ。2020年11月30日(月)12月1日(火)大阪開催
日本の経営コンサルティングファームのパイオニアである株式会社タナベ経営(本社:大阪市淀川区・東京都千代田区、代表取締役社長:若松 孝彦、以下「タナベ経営」)は、2020年11月30日(月)、12月1日(火)に「第5期 物流経営研究会 第5回」を開催いたしました。/物流経営研究会:https://www.tanabekeiei.co.jp/t/lab/logistics.html
- 1日目
―ゲスト:株式会社日通総合研究所 福井 康雅 氏
現場業務を見える化し、ムリ・ムダのない働き方を実現。業務見直しにより生産性の高い現場への変革を支援している株式会社日通総合研究所 福井 康雅 氏にご講演いただきました。下記、講演内容より抜粋して記載させていただきます。
1.現場業務時間の見える化
残業時間・休日出勤の削減やテレワーク導入など、働き方改革推進における第一ステップとして、現場の現状を正しく知ることが最重要です。現場業務時間を見える化し、定量的に現場を把握することで、「ムダ・ムリ・ムラ」が少ない、生産性の高い現場への改善につながります。
2.改善活動に対する現場社員の理解を得る
唐突な現場改善では現場社員の理解が得られず、失敗に終わるケースも少なくありません。現場社員の理解を促進し、現場改善を成功に導くための手段の一つとして、現場業務の見える化を行い、現場の現状を定量的に示すことが有効に働きます。
3.業務時間分析を活用した業務改善の例
物流現場では、①保管・ピッキング・梱包などの庫内作業における業務改善、②ドライバーや荷待ち時間などの業務時間削減を実現。現場改善に向けた取引先企業との交渉におけるエビデンスとしての活用も可能です。
管理・事務業務では、①多能工化率やRPA導入の費用対効果算出に活用、②日常のオペレーション業務削減によるマネジメント業務時間の創出が可能。付加価値業務への時間配分のため、「ムダ・ムリ・ムラ」を削減します。
講演②「新たな価値に挑戦し続け、物流会社らしくない会社へ」
―ゲスト:株式会社物研 代表取締役 土肥 克次 氏
付加価値サービスを提供することで粗利率50%、経常利益率9% を達成している株式会社物研 代表取締役 土肥 克次 氏にご講演いただきました。下記、講演内容より抜粋して記載させていただきます。
1.流通支援価値創造業
「物流はバリューチェーンの最後の砦」という考えのもと、物流にとらわれず、顧客の流通を支援する“流通支援価値創造業”として、流通加工を含めた付加価値サービスを提供し、顧客満足向上に向けた取り組みを行っています。2.一社依存からの脱却
当社は2003年時点で一社依存率が90% を超えていました。危機感を抱き、メイン荷主との決別を決断。パート社員を営業社員に抜擢しながら、約2年で一社依存率を10% 以下に低減しました。
3.ITの積極的な導入と活用
EC物流も手掛ける当社はITを活用し、商物一体のサービス「フルフィルメントサービス」を提供しています。ネット通販専用WMSを活用し、ペーパレス化も実現。また、エンドユーザーとの接点を持つことで、従業員の意識をBtoBtoCの意識へと変革し、顧客満足向上につなげています。
4.アパレルロス削減による社会貢献
アパレルロスの多くは、新製品のトレンドロスや在庫ロスによる廃棄です。そこで、当社が立ち上げた“green:Tag project ”というエシカルブランドを活用し、オフプライス価格で販売することで、環境保全活動という社会貢献に取り組んでいます。これらの取り組みに対する社会的な評価が従業員満足につながっています。
5.体験型マーケティング
現場作業体験や朝礼参加、スタッフ紹介など、ユーザーを招き、各工程の作業を見学していただく活動を行っています。現場の実情を理解していただくことで、クレーム減少や顧客満足の向上につながっています。年間200件の視察受け入れを目標に取り組んでいます。
- 2日目
―タナベ経営 ナンバーワンブランド研究会 リーダー 平井 克幸
企業の未来に向け、新たなブランディングの可能性を探る、タナベ経営 ナンバーワンブランド研究会 リーダー 平井克幸が講演いたしました。下記、講演内容より抜粋して記載させていただきます。
1.ブランド力=価格決定の主導権
ブランドは他社との「差別化の目印」であり、品質を保証する「顧客との約束」、そして付加価値につながる「イメージの蓄積」です。専門性を際立たせることで特定分野の№1として認識され、顧客からの引き合いを増やすことにつながります。
2.ブランドコンセプトの確立
独自性、普遍性、必然性、創業の原点といった視点からブランドコンセプトを確立し、世界観や価値観をわかりやすく表現することが重要です。
3.アウターブランディングとインナーブランディング
ブランドの価値を正しく伝えるため、HPやオウンドメディア、企業や地域間のオープンシステムを駆使して発信することが重要です。また、ブランディングは全社員活動であり、社内の理解が不可欠です。ブランド理念や行動基準を明確化し、それに基づく教育の徹底と、ブランドに貢献した人材を高く評価する必要があります。
見学:「トヨタL&F 物流システムショールーム見学」
トヨタL&F(ロジスティクス&フォークリフト)物流システムショールーム(大阪府・吹田市)を見学いたしました。
1.最新の技術を学ぶ
大物品、小物品のそれぞれ、入荷~出荷までの一連のフローにおける自動化を学び、最新のシステムを見学させていただきました。
2.物流現場改善の取組みを学ぶ
従業員の安全意識や行動、品質を高めるための教育について、具体的な取り組みを学びました。すべての基礎には安全があり、その後、品質がついてきます。生産性向上はその次のステップであり、まずは従業員の安全意識を高める取り組みが重要。また、自動化設備の導入が難しい場合、知恵を凝らし身近なものを使い改善ができないか考えることが必要です。
(例)洗濯ばさみをピッキングミス防止に活用 等
- タナベ経営「物流経営研究会」とは
全ての企業や人にとって、なくてはならない基幹産業・物流業。
近年のEC拡大に伴う取扱量の増加に加え、コロナ禍による「巣ごもり消費」も支えています。 一方、業界では、増え過ぎた仕事量に対する働き手不足、「荷待ち」「ラストワンマイル」など業界特有の業務効率の悪さ、それに伴う労働環境の悪化などが大きな課題です。
「物流クライシス」が懸念される現場の課題と向き合い、物流を持続可能にするために知恵を絞る企業の取り組みに迫ります。
過去の視察先は、DHL Supply Chain、株式会社丸和運輸機関、株式会社ハマキョウレックス、大塚倉庫株式会社、シーアール物流、Being group 等。また、2020年に5月に「持続可能な物流」をテーマとした「ロジスティクスフォーラム」を開催し、300名以上の方々にご参加いただきました。
物流経営研究会:https://www.tanabekeiei.co.jp/t/lab/logistics.html
- タナベ経営「戦略ドメイン&ファンクション研究会」とは
タナベ経営は、顧客価値を創造できるドメイン(業種・事業領域)やファンクション(経営機能)とは何かを追究し、顧客企業と共に新たな事業価値の創造を目指す研究活動「戦略ドメイン&ファンクション研究会」を開催しており、これまでの参加社数は1,300社以上、視察先は1,350件以上に及びます。
「物流経営研究会」のほか、29のテーマで日本全国の「ファーストコールカンパニー」(業種・事業領域において顧客から一番に選ばれる企業)の先進事例、成功事例を研究しており、ゲスト企業による実践型講義・現場視察から成功談・失敗談を踏まえた現場の“リアルなポイント”を学ぶことができます。さらに、トップコンサルタントがゲスト企業の講演・視察を専門的な視点でわかりやすく解説することで、自社のビジネスに活用できるようサポートしております。
また、同じ志を持つ多種多様な参加企業・参加者との情報交換も自社のビジネスに活かしていただけます。さらに、新たなアプローチにも繋がります。
- タナベ経営 概要
タナベ経営は、1957年(昭和32年)に創業し、今年創業63年を迎えた日本の経営コンサルティングのパイオニアです。「企業を愛し、企業とともに歩み、企業繁栄に奉仕する」という経営理念のもと、「ファーストコールカンパニー 100年先も一番に選ばれる会社」の創造をミッションとしています。グループで400名を超えるプロフェッショナル人材を擁し、「経営者の戦略パートナー」として中堅企業を中心に約7,000社の支援実績があり、その中には上場企業や業界ナンバーワン企業、地域の優良企業が多数含まれます。
「C&C(コンサルティング&コングロマリット)戦略」(コンサルティング領域の多角化)および「コンサルティングプラットフォーム戦略」(全国において高付加価値のコンサルティングを均質に提供)を推進しており、住まいと暮らし・食品&フードサービス・ヘルスケア・物流・ライフ&サービス等のドメイン(業種・事業領域)、中期ビジョン・組織人事・財務・マーケティング・DX・M&A・事業承継等のファンクション(経営機能)、そして業界で唯一、北海道から沖縄までの全国主要10都市に密着するリージョン(地域)の3つの観点でコンサルティングメニューを拡大しています。
コンサルティングスタイルとしては、クライアント企業の課題に合わせてこの「ドメイン×ファンクション×リージョン」の3つの観点から複数名のコンサルタントを選定してチームを組成する「チームコンサルティング」を推進しています。
「All for Our Clients すべてはクライアントのために」という徹底したクライアント中心主義であり、60年以上の歴史で培ってきた実証済みの戦略メソッドを駆使し、的確な判断で最適な解決策を導き出しています。
■ We are Business Doctors
――日本で、経営コンサルティングがはじまった。
「私が勤めていた会社が倒産した」これは創業者:田辺昇一の原体験。
会社がつぶれるということは、働く社員が路頭に迷い、取引先にも大きな迷惑をかける。
どんなに規模が小さくとも、すべての企業には命がある。
田辺昇一は、企業を救う医師「Business Doctor」として企業とともにその命を守っていこうと決心しました。
「会社はつぶれるようにできている」「この国には企業を救う仕事が必要だ」
この思いから、1957年10月16日に「田辺経営相談所」を創業。日本の経営コンサルティングのパイオニアとして60年以上、その精神と使命は脈々と受け継がれ、「ファーストコールカンパニー 100年先も一番に選ばれる会社」を創造する活動へと続いています。
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