東京都産業労働局と株式会社Strolyによる「新宿エリアデジタルスタンプラリーを活用した観光行動データ調査」について

ストレスフリー観光の実現とマーケティングへの貢献

株式会社Stroly

東京都産業労働局および株式会社Stroly(京都市下京区、代表取締役社長:高橋真知)では、2022年9月8日(木)〜2022年11月30日(水)にかけて、東京・新宿エリアにおける訪都旅行者の快適な観光に資するためのデジタルスタンプラリーコンテンツを公開し、合わせて観光関連事業者のマーケティング等に資する利用者の行動データ等を取得・調査いたしました。
実施背景

東京都では、スタートアップ企業との官民協働による連携を目的としたピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」を2019年より開催しており、本イベントにて都政課題の解決に資すると認められた企業としてStrolyが認定され、本実証実験が行われました。

今回はStrolyの持つデジタルマップとデジタルスタンプラリーを活用し新宿区内のスポット(113箇所)を周遊するデジタルスタンプラリーを新宿区内全域で実施し、利用者の行動データの分析を行いました。

なお、本事業の成果については「東京都オープンデータカタログサイト」にて、オープンデータとして公開されています。合わせてご覧ください。

令和4年度 観光行動データを活用したマーケティング等支援事業 利用状況
https://catalog.data.metro.tokyo.lg.jp/dataset/t000012d0000000050

<概要>
開催期間:2022年9月8日(木)〜2022年11月30日(水)
開催目的:デジタルマップを用いたデジタルスタンプラリーコンテンツを利用することで、ストレスフリー観光の実現を図るとともに、観光関連事業者のマーケティング等に資する利用者の行動データ等の取得・調査を行う
公開方法:Webサイト上でのデジタルスタンプラリー
公開内容:「新宿歴史絵図スタンプラリーマップ」https://tokyo.stroly.com (現在は公開終了)
 

デジタルマップ及びスタンプラリー概要デジタルマップ及びスタンプラリー概要



期間中のアクセス状況について

期間中のアクセスユーザー数はおよそ35,000人、スタンプラリーの実参加者数についてはおよそ300人となりました。

本事業の実施にあたっては、分析に必要なデータを取得するために十分なアクセスユーザー数(スタンプラリーに参加しないユーザーも含む)およびスタンプラリー参加ユーザーの確保が必要であったため、Web広告配信を中心としたオンライン広報や、サイネージ活用といったオフライン広報の双方を実施しました。

オンラインでの広報においては、FacebookやGoogleリスティング広告(検索キーワード連動)の効果が高く、クリック率も一般的な水準(数%)を大きく上回る結果となりました。企画内容に合わせ対応キーワードを複数設定したことで、ユーザーの興味関心を引きつけることができたと考えられます。

また、アクセスユーザーの内訳は全体の約85%がモバイル環境(AndroidおよびiOS)からのアクセスでした。PCおよびMacからのアクセスは全体の約13%で、モバイル環境からのアクセスが圧倒的に多くなりました。(データソース:Stroly)
 

ユーザーのアクセス環境内訳ユーザーのアクセス環境内訳



利用時間帯に関しては日中午後帯(12時〜18時)、および夜間(18時以降)のユーザーがほぼ同数となり、合わせて全体の約4分の3を占めました。
スタンプラリースポットについては、夜間に閉館・休業している施設も多く、夜間のアクセスユーザーについては、スタンプラリーに参加するためではなく、自宅での情報収集等を目的としていたと考えられます。(データソース:Stroly)
 

時間帯ごとのアクセス内訳時間帯ごとのアクセス内訳



事業への参加状況について(スタンプラリーへの参加状況)

本事業においては、新宿区内の飲食店、文化施設や博物館、史跡(区内の歴史的スポット)に加えて、公衆浴場などのスポットを計113箇所設定し、スタンプラリースポットとしました。

実際のユーザー参加状況については、期間中のスタンプラリー参加者が292人、スタンプラリー達成まで至ったユーザーの数が202人となりました。結果としておよそ7割のユーザーが実際にスタンプラリー達成まで至っていた点を考慮すると、期間中の参加状況はかなり好調であったとみられます。

スタンプラリーの達成者については、規定回数ちょうどの「スタンプ回数5回」で達成したユーザーよりも、それを上回る「スタンプ回数6回以上」で完了したユーザーの方が多くなりました。このことから、スタンプラリーの想定を上回るような、主体的かつ積極的なユーザー周遊が実現されたと考えられます。


スタンプされた箇所上位とその傾向

新宿駅東口周辺のスポットが多くスタンプされました。(例:馬水槽、スイーツ&デリカ Bonna/ボンナ 新宿中村屋、中村屋サロン美術館など)

スタンプ傾向については、概ね新宿駅東口周辺、牛込エリア、神楽坂周辺で多くスタンプが押されたと考えられます。

スタンプユーザー数が最少となったスポットは「統計資料館」「新宿御苑 楽羽亭」で、その数は8人でした。また、スタンプユーザーが0人のスポットは存在しませんでした。(データソース:Stroly)
 

スタンプ数別 プロット図(円の大きな箇所は、より多くのスタンプがあったことを示す)スタンプ数別 プロット図(円の大きな箇所は、より多くのスタンプがあったことを示す)

 


参加者のスポット間移動ルートについて(参加者全体)

図における線の太さの違いは、それぞれユーザーの移動した回数を示しています。新宿駅東口や神楽坂・飯田橋エリアを中心として移動が広がっている結果が確認されます。(データソース:Stroly)
 

参加者のスポット間移動ルート参加者のスポット間移動ルート


エリア間の周遊傾向(参加者全体)

同一エリア内での移動を除くと、最も多い移動の組み合わせは「東新宿」<->「飯田橋・神楽坂・早稲田周辺」で76件、ついで「新宿駅周辺」<->「東新宿駅周辺」で58件となりました。一般的な傾向として、新宿 <->東新宿周辺 <-> 飯田橋方面を結ぶ直線上の動きが多く見られ、その他のエリア間移動は限定的でした。

すべての移動を考慮した場合、最も多いパターンとなったのは「新宿駅周辺」エリア内の移動で、その数は516件となりました。(データソース:Stroly)
 

エリア間の周遊傾向(参加者全体)エリア間の周遊傾向(参加者全体)



ユーザーの行動パターンについては、特に新宿駅周辺エリア内や神楽坂・飯田橋エリア内など、概ね同一エリア内での周遊が目立つ結果となりました。一方で複数エリアにまたがる行動については、東新宿駅周辺から神楽坂・飯田橋方面、または東新宿駅周辺から新宿駅方面に伸びるパターンが目立ち、それ以外の移動パターンの出現は少数となりました。さらに隣接していないエリア同士を直接結ぶようなパターンは殆ど見られませんでした。

今回の結果を踏まえて、ユーザーの行動パターンについては大きく2つに分けられるといえます。1時間以内という短時間で終了したユーザーと、数時間または数日にかけて参加したユーザーです。

前者については、その多くが新宿駅東口周辺の比較的狭いエリアをコンパクトに周遊し、他のエリアへの移動はほとんどみられませんでした。しかしながら後者については新宿駅周辺を中心として放射状に広がる行動パターンが多く見られました。


今後について

今回の実証実験においては実際の移動データを元にした参加ユーザーの行動に関する知見を多数得ることができたものの、十分に情報を取得できなかった内容も存在しました。

また、デジタルスタンプラリー機能によるデータ取得と分析のみでは、ユーザーの観光行動を理解する上で十分とは言えず、「アフターコロナ時代の観光に関する検討」という点において異なる角度からの調査も必要であると考えられます。具体的には「なぜその場所へ行ったのか」「どの程度滞在し、何をしていたのか」という点において、アンケート調査やヒアリングを実施しながらユーザー心理の理解を深めるなど、複数の分析方法を組み合わせることで、移動の動機についても知見を得ることができると考えられます。

また、スタンプラリースポットとして選択された113箇所のラインナップ(内容やその場所)についても、新宿区内を訪れるユーザーの観光目的に合致したものであるかどうかの検証が必要といえます。今回のスタンプラリーにおいては、5-10分という極めて短い参加時間でスタンプラリー自体を達成したユーザーも見られたため、一定時間のエンゲージメントを創出しながら、地域内での周遊行動を実現させることが課題と考えられます。

しかしながら、約3ヶ月の実証実験期間においてユーザーの参加を一定レベルで確保することができ、また参加者のうち約7割が無事にスタンプラリーを達成するという非常に高い水準での参加を実現できたことは、ストレスフリーに新宿エリアを周遊するという観点において、本企画の果たした役割が大きかったことを示唆する結果といえます。


Strolyについて

Stroly = Stroll + Story、コンセプトは「世界の見え方を共有しよう」私たちは地図のもつメディアとしての可能性を信じ、それを最先端の技術で進化させることで、世界の創造性と多様性に貢献することを目指します。
Strolyのマップでエリアの魅力を最大化することで、利用者は地域文化を楽しみながら滞在・周遊できます。世界唯一のイラストマップと位置情報技術を組み合わせたプラットフォームとして、すでに、東京都、京都市、SXSWなど多数の導入実績があります。テクノロジーとクリエイティブを組み合わせた新しい体験を提供します。
StrolyはUpgrade with Tokyo 第一回優勝企業、SXSW Pitchでの日本企業初のファイナリスト、J-Startup選定企業です。

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https://corp.stroly.com

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会社概要

株式会社Stroly

9フォロワー

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URL
https://biz.stroly.com/
業種
情報通信
本社所在地
京都市下京区猪熊通塩小路上る金換町109番地1
電話番号
-
代表者名
髙橋真知
上場
未上場
資本金
-
設立
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