〈中小企業の賃上げに関する実態調査〉日本経済デフレ脱却に向けて節目の2024年カギを握る賃金上昇!中小企業の半数以上が賃上げを実施!賃上げ予定の企業は6割
一方で賃上げ率は未だ低水準であり、賃上げ率の改善には生産性向上が必要に
日本経済のデフレ脱却に向けてカギを握る賃金上昇について、大企業を中心に注目度が高まっています。総務省統計局によると日本の消費者物価指数の伸び率は2月までで23ヶ月連続で2%以上となり、長年の低インフレから抜け出しつつあります。こういった前向きな変化について、カギを握るのは賃金の動向です。
今回は中小企業における賃金の動向について、実態を明らかにすべく調査いたしました。
【調査結果サマリー】 ①中小企業の半数以上が賃上げを実施、賃上げ予定の企業も61.3%に 大企業だけでなく中小企業においても賃上げが促進されている結果に! ②賃上げ率は1%~3%が38.3%、3%~5%が34.7%と大多数に 日本労働組合総連合会による2024年の平均賃上げ率の5.25%からは低い水準に ③賃上げを行えない理由TOP3としては 「業績低迷」(36.6%)「景気低迷」(26.8%)「雇用維持の優先」(26.0%)に 中小企業では依然として足元の経営の安定が必要であり、賃上げが行えていない状況 |
本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【フォーバル GDXリサーチ研究所調べ】とご明記ください。
【アンケート概要】
・調査主体 :フォーバル GDXリサーチ研究所
・調査期間 :2023年12月11日~2024年2月8日
・調査対象者 :全国の中小企業経営者
・調査方法 :ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
・有効回答数 :973
①中小企業の半数以上が賃上げを実施、賃上げ予定の企業も61.3%に
大企業だけでなく中小企業においても賃上げが促進されている結果に!
Q1. 貴社における2023年1月以降の従業員の賃上げ状況を教えてください。
日本経済にとって重要なファクターとなっている賃金上昇について、中小企業経営者に自社での賃金上昇の状況について調査を行いました。その結果、「賃上げを実施した」と答えた経営者が52.3%となりました。
Q2. 今後賃上げをする予定はありますか?
また、今後の賃上げの予定については「ある」が61.3%となり、中小企業においても賃上げが促進されている結果が確認できました。大企業に続いて中小企業においても賃金上昇が拡大していることが確認できる結果となりました。また、賃金上昇見込みの中小企業の割合は2018年以降で最も高くなる結果(出典:日本商工会議所・東京商工会議所)となりました。
②賃上げ率は1%~3%が38.3%、3%~5%が34.7%と大多数に
2024年の平均賃上げ率の5.25%からは低い水準に
Q3. 前問で「今後賃上げを行う予定がある」と回答した方に伺います。
貴社での賃上げ率を教えてください。
上記設問において、多くの中小企業が賃上げについて実施もしくは予定持っていることが明らかとなりました。ここではその賃上げ率について実態を調査しました。
賃上げ率について「1%~3%」が38.3%、「3%~5%」が34.7%と大多数の結果となりました。多くの中小企業が賃上げに取り組めているものの、平均賃上げ率の5.25%(出典:日本労働組合総連合会)と比べると低い水準の中小企業が多いことが確認されました。賃上げ率は業績との連動が想定されますが、中小企業では大企業と比べて業績の拡大ができていないことが推察されます。
③賃上げを行えない理由TOP3としては
「業績低迷」(36.6%)「景気低迷」(26.8%)「雇用維持の優先」(26.0%)に
中小企業では依然として足元の経営の安定が必要であり、賃上げが行えていない状況
Q4.前問で「今後賃上げを行う予定がない」と回答した方に伺います。
貴社で賃上げを行わない理由として、あてはまるものを全てお選びください
中小企業においても賃上げの促進がされていますが、賃上げ率は低い上、賃上げ予定がない企業は38.7%と3割以上もいるという結果となっています。
賃上げを行わない理由として、「業績低迷」(36.6%)、「景気低迷」(26.8%)、「雇用維持の優先」(26.0%)がTOP3となりました。中小企業では業績改善ができていなく、賃上げにつながっていない可能性が考えられます。賃上げ予定のある企業においても割合は多いものの、賃上げ率の低さからも、業績拡大を伴わない形の賃上げが多いことが推察されます。
業績拡大に伴うものではなく、人材確保・定着のための「防衛的な賃上げ」が多くなっていることが推察されます。持続的な賃上げ実施に向けて生産性を向上させることが必要になっていると捉えられます。
【有識者のコメント】中小企業の賃上げについて
フォーバル GDXリサーチ研究所所長
平良 学(たいら・まなぶ)
■経歴
1992年、株式会社フォーバルに入社。
九州支店での赤字経営の立て直し、コンサルティング事業の新規立ち上げ、全体統括を経て、2022年に新たに発足した中立の独立機関「フォーバル GDXリサーチ研究所」の初代所長に就任。
中小企業経営の実態をまとめた白書「ブルーレポート」の発刊、
全国の自治体と連携し、地域の中小企業経営者に向けたDX、GXの講演、
中小企業経営者向けのイベントの企画などを通じて、中小企業のGDXを世に発信している。
■コメント
昨今ニュース、報道などで騒がれている賃上げの中小企業における実態を調査しました。
今回調査した中小企業経営者の半数以上が賃上げを実施し、今後の賃上げ実施予定も6割を超える現状で、中小企業においても賃上げの実施は確実に行われています。
一報で、賃上げ率については、日本労働組合総連合会が出している平均賃上げ率5.25%からは低い状況でした。
物価高が収束しないといった世の中の流れを考慮し、業績拡大は伴わないが賃上げを実施する、防衛的な賃上げを行うケースも多々あるのでは、と推察されます。
業績が伸び悩んでいるにも関わらず無理に賃上げを行う事は、健全な企業経営とは言えません。
まずは売上・利益を向上させる、経費を削減するなどの取り組みにより経営状況を健全な状態にし、賃上げの原資を確保することが先決です。
また、デジタル技術やデータの活用により更に生産性を向上させる、環境配慮サービスの活用、脱炭素経営の実施により経営に付加価値をつける、といったGDXへの取り組みを行うことによりマーケットから選ばれる可能性が高まります。
賃上げ率の上昇や継続的な賃上げの実施のために、世の中から選ばれる企業となるために、1社でも多くの中小企業経営者がGDXへの促進を進めることを期待します。
■フォーバル GDXリサーチ研究所とは
日本に存在する法人の99%以上を占める中小企業。この中小企業1社1社が成長することこそが日本の活力につながります。中小企業が成長するための原動力の1つにGreen(グリーン)とDigital(デジタル)を活用し企業そのものを変革するGDX(Green Digital transformation)があります。
フォーバル GDXリサーチ研究所は、中小企業のGDXに関する実態を調査し、各種レポートや論文、報告書などをまとめ、世に発信するための研究機関です。「中小企業のGDXにおける現状や実態を調査し、世に発信する」をミッションに「中小企業のGDXにおいてなくてはならない存在」を目指し活動していきます。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像