乳酸菌飲料の香りの機能性研究 「乳酸菌と酵母」で作った乳酸菌飲料の香りが自律神経に働きかけ、『癒し』効果をもたらす可能性を確認
2014年 日本農芸化学会(3月27~30日/東京)にて発表
【概要】
当社では、人々の心とからだの健康に役立つ商品・技術を提供することを目指し、乳酸菌や微生物を活用した研究に取り組んでおります。その中で、当社独自の乳酸菌と酵母を活用した乳酸菌飲料のおいしさ研究において、乳酸菌単独では作りだせない「乳酸菌と酵母」で発酵して作られる独特の“香り”が重要であることを明らかにしてまいりました。
このたび、カルピス株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:山田 藤男)発酵応用研究所は、永井克也大阪大学名誉教授の監修のもと、「乳酸菌と酵母」で発酵して作った乳酸菌飲料の香りには、自律神経に働きかけて、日周リズムの改善や不安を和らげるなどの『癒し』効果がある可能性を、動物実験にて確認しました。この研究結果を2014年3月27日から開催された日本農芸化学会(2014年度大会)で発表しました。
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【目的】
「乳酸菌と酵母」で発酵して作った乳酸菌飲料の香りが、自律神経※1を介して日周リズム※2や心理に与える影響を明らかにする。
【試験結果】
1.「乳酸菌と酵母」で発酵して作った乳酸菌飲料の香りは、自律神経調整作用を有する
乳酸菌飲料の香りを嗅がせたラットを用いて自律神経の活動を測定することで、乳酸菌飲料の香りが自律神経活動に与える影響を評価しました。その結果、交感神経活動の抑制および副交感神経活動の亢進が認められ、自律神経調整作用により『癒し』効果を有する可能性が示されました。
2.「乳酸菌と酵母」で発酵して作った乳酸菌飲料の香りは、日周リズムを改善する
乳酸菌飲料の香りを1日30分送風した部屋でラットを飼育し、1週間継続的に活動量を測定することで、乳酸菌飲料の香りが日周リズムに与える影響を評価しました。その結果、総活動量に影響を与えることなく明期の活動率が有意に低下し、日周リズムの振幅が大きくなり、改善することを確認しました。
3.「乳酸菌と酵母」で発酵して作った乳酸菌飲料の香りは、不安感を低減する
乳酸菌飲料の香りを嗅がせたマウスを用いて高架式十字迷路試験※3をおこない、乳酸菌飲料の香りの抗不安作用を評価しました。その結果、不安感の指標となる行動の有意な改善が認められ、不安感を低減することを確認しました。
●香りの自律神経調整作用評価結果(図1(a)、図1(b))
●香りの日周リズム改善作用評価結果(図2(a)、図2(b))
●香りの抗不安作用(高架式十字迷路試験)評価結果(図3)
「乳酸菌と酵母」で発酵して作った乳酸菌飲料の香りには、自律神経に働きかけて、日周リズムの改善や不安を和らげるはたらきがあることが分かりました。この作用はヒトに応用した場合でも、ストレスなどで乱れた自律神経のバランスを改善するなど『癒し』に役立つ可能性があります。今後、さらに研究をすすめ、「乳酸菌と酵母」で発酵した乳酸菌飲料の香りの作用に関する科学的な知見を深めてまいります。
<注釈>
*1:自律神経について
自律神経には、交感神経と副交感神経という、対照的な働きをしている2つの神経があります。交感神経活動の亢進時(副交感神経活動の抑制時)は、ストレス状態(興奮)であることが一般的に知られており、反対に、交感神経活動の抑制時(副交感神経活動の亢進時)は、リラックス状態(鎮静)であることが一般的に知られております。
*2:日周リズムについて
「日周リズム」とは、24時間を周期として表れる生体リズムです。ラットは夜行性なので、明るい期間(明期)が休息期間であり、暗い期間(暗期)が活動期間となっております(反対に、ヒトでは明期が活動期、暗期が休息期となっております)。自律神経の乱れ等に起因するストレス状態では、休息期間の活動率が増加するなど日周リズムに乱れが生じることが知られております。
*3:高架式十字迷路試験
動物での不安関連の評価において一般的に用いられる評価方法のひとつです。本実験装置は壁のない走行路(オープンアーム)と壁で囲まれている走行路(クローズドアーム)が十字型に交叉し、それらの走行路が床から50cmの高さに設定されております。不安感が低減されるとオープンアームへの進入回数や滞在時間が増加することが知られており、これらの指標をもとに不安感の評価をおこないます。
<本件に関するお問い合わせ先>
アサヒグループホールディングス株式会社 広報部門 電話:03-5608-5126
<お客様からのお問い合わせ先>
カルピス株式会社 お客様相談室 フリーダイヤル:0120-378090
当社では、人々の心とからだの健康に役立つ商品・技術を提供することを目指し、乳酸菌や微生物を活用した研究に取り組んでおります。その中で、当社独自の乳酸菌と酵母を活用した乳酸菌飲料のおいしさ研究において、乳酸菌単独では作りだせない「乳酸菌と酵母」で発酵して作られる独特の“香り”が重要であることを明らかにしてまいりました。
このたび、カルピス株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:山田 藤男)発酵応用研究所は、永井克也大阪大学名誉教授の監修のもと、「乳酸菌と酵母」で発酵して作った乳酸菌飲料の香りには、自律神経に働きかけて、日周リズムの改善や不安を和らげるなどの『癒し』効果がある可能性を、動物実験にて確認しました。この研究結果を2014年3月27日から開催された日本農芸化学会(2014年度大会)で発表しました。
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【目的】
「乳酸菌と酵母」で発酵して作った乳酸菌飲料の香りが、自律神経※1を介して日周リズム※2や心理に与える影響を明らかにする。
【試験結果】
1.「乳酸菌と酵母」で発酵して作った乳酸菌飲料の香りは、自律神経調整作用を有する
乳酸菌飲料の香りを嗅がせたラットを用いて自律神経の活動を測定することで、乳酸菌飲料の香りが自律神経活動に与える影響を評価しました。その結果、交感神経活動の抑制および副交感神経活動の亢進が認められ、自律神経調整作用により『癒し』効果を有する可能性が示されました。
2.「乳酸菌と酵母」で発酵して作った乳酸菌飲料の香りは、日周リズムを改善する
乳酸菌飲料の香りを1日30分送風した部屋でラットを飼育し、1週間継続的に活動量を測定することで、乳酸菌飲料の香りが日周リズムに与える影響を評価しました。その結果、総活動量に影響を与えることなく明期の活動率が有意に低下し、日周リズムの振幅が大きくなり、改善することを確認しました。
3.「乳酸菌と酵母」で発酵して作った乳酸菌飲料の香りは、不安感を低減する
乳酸菌飲料の香りを嗅がせたマウスを用いて高架式十字迷路試験※3をおこない、乳酸菌飲料の香りの抗不安作用を評価しました。その結果、不安感の指標となる行動の有意な改善が認められ、不安感を低減することを確認しました。
●香りの自律神経調整作用評価結果(図1(a)、図1(b))
●香りの日周リズム改善作用評価結果(図2(a)、図2(b))
●香りの抗不安作用(高架式十字迷路試験)評価結果(図3)
【まとめ】
「乳酸菌と酵母」で発酵して作った乳酸菌飲料の香りには、自律神経に働きかけて、日周リズムの改善や不安を和らげるはたらきがあることが分かりました。この作用はヒトに応用した場合でも、ストレスなどで乱れた自律神経のバランスを改善するなど『癒し』に役立つ可能性があります。今後、さらに研究をすすめ、「乳酸菌と酵母」で発酵した乳酸菌飲料の香りの作用に関する科学的な知見を深めてまいります。
<注釈>
*1:自律神経について
自律神経には、交感神経と副交感神経という、対照的な働きをしている2つの神経があります。交感神経活動の亢進時(副交感神経活動の抑制時)は、ストレス状態(興奮)であることが一般的に知られており、反対に、交感神経活動の抑制時(副交感神経活動の亢進時)は、リラックス状態(鎮静)であることが一般的に知られております。
*2:日周リズムについて
「日周リズム」とは、24時間を周期として表れる生体リズムです。ラットは夜行性なので、明るい期間(明期)が休息期間であり、暗い期間(暗期)が活動期間となっております(反対に、ヒトでは明期が活動期、暗期が休息期となっております)。自律神経の乱れ等に起因するストレス状態では、休息期間の活動率が増加するなど日周リズムに乱れが生じることが知られております。
*3:高架式十字迷路試験
動物での不安関連の評価において一般的に用いられる評価方法のひとつです。本実験装置は壁のない走行路(オープンアーム)と壁で囲まれている走行路(クローズドアーム)が十字型に交叉し、それらの走行路が床から50cmの高さに設定されております。不安感が低減されるとオープンアームへの進入回数や滞在時間が増加することが知られており、これらの指標をもとに不安感の評価をおこないます。
<本件に関するお問い合わせ先>
アサヒグループホールディングス株式会社 広報部門 電話:03-5608-5126
<お客様からのお問い合わせ先>
カルピス株式会社 お客様相談室 フリーダイヤル:0120-378090
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