退職代行サービスに関する調査

~退職代行、使うのは若手男性?退職代行サービスの利用実態とは~

株式会社アイディエーション

マーケティングリサーチ事業を行う株式会社アイディエーション(本社:東京都渋谷区、代表取締役:白石章兼)は、 日本在住の20代から50代に対して「退職代行サービスに関する調査」を実施しました。この調査は 2025年4月30日(水)~5月13日(火)の期間、実施しました。

調査背景・目的

2010年代後半に登場し、近年、SNSやメディアでの露出により、関心が高まってきている「退職代行サービス」。利用者が増加しているといわれる中、実際にどのような人たちがどのような理由で使っているのか、そして利用しない人たちはなぜ使わなかったのか、その実態を明らかにすべく調査を実施しました。

なお、本調査は直近1年以内(2024年5月~2025年5月)に退職した方を対象としています。

退職経験について

はじめに、「自分の意思による退職経験」の有無について調べました。

「退職経験がある」と回答した人は全体の 56%、「退職経験がない」と回答した人の割合が44%と全体の半数以上の方が退職を経験していることがわかりました。

また、全体の9%が「直近1年以内に退職した」と回答しました。

退職理由について

次に、直近1年以内に退職した人を対象に退職理由を調べました。

最も多かったのは「他にやりたい仕事・新しい挑戦をしたかった」が36%、次いで「労働時間や給与など勤務条件に不満があった」が34%、「職場の雰囲気・社風が合わなかった」が29%との結果になりました。

退職代行サービスの認知率

次に、退職代行サービスの認知状況について調べました。

全体では「サービス内容の詳細まで知っている」が21%、「サービス内容は大体知っている」が41%と、全体の62%がサービスについて認知していることがわかりました。

年代別でみると、「サービスの詳細まで知っている」と回答した割合は20代男性が32%と最も高く、40~50代では男女ともに5~10%程度と認知度に差がある傾向がみられました。

退職代行サービスの利用率|全体

次に、退職代行サービスの利用状況を調べました。

全体では「利用した」が14%、「検討はしたが利用はしなかった」が10%、「サービスは知っているが、利用していない」が60%、「サービスそのものを知らなかった」が16%との結果となりました。

退職代行サービスの利用率|年代別

また、年代別でみると20代男性の利用率が28%と最も高く、全体に比べ+14pt高い結果となりました。次いで30代男性が15%と全体を上回っており、他の年代と比較して若年層男性の利用率が高い傾向にあることがわかりました。

退職代行サービスの利用時期

次に、退職代行サービス利用者の利用時期を調べました。

最も多かったのが「2024年5月」が28%、次いで「2024年6月」が24%と、退職がこの時期に集中する傾向があることがわかりました。

退職代行サービス利用者の雇用形態・在籍期間

次に、退職代行サービス利用者の利用当時の雇用形態と、在籍期間を調べました。

利用当時の雇用形態は「正社員(一般職)」が76%と最も多く、次いで「正社員(主任/課長/部長)」が10%との結果になりました。

在籍期間では、全体の53%が「在籍3ヶ月未満」のタイミングで退職代行サービスを利用しており、入社から短期間での退職に至るケースが多い傾向にあることがわかりました。

退職代行サービスの利用理由

次に、退職代行サービス利用者の利用理由を聴取しました。

利用理由として「退職意思を伝えた際にパワハラ/嫌がらせを受ける不安があった」が34%と最も多く、次いで「即日で退職をしたかった」が25%、「直接会社に退職の意思を伝えることに抵抗があった」、「退職代行を利用すれば確実に辞められると思った」がそれぞれ24%との結果になりました。

退職代行サービスを利用しようと思ったエピソード

次に、退職代行サービス利用者に退職代行サービスを利用しようと思ったエピソードを聴取しました。

不当な退職時期の引き延ばしや、入社間もない社員への教育体制の不備、さらに上司からのパワハラや同僚からの嫌がらせなど、職場環境や人間関係トラブルが動機になったというエピソードが挙がりました。

退職代行サービス非利用理由|全体

次に、退職代行サービスを利用せずに退職した人の理由を調べました。

退職代行サービスを利用しなかった理由として「利用する必要性を感じなかった」が40%と最も多く、次いで「自分で退職の意思を伝えるべきだと思う」が33%、「退職の相談ができる職場環境だった」「費用が高いと感じた」がともに20%との結果になりました。

退職代行サービス非利用理由|TOP3

次に、退職代行サービスを利用しなかった理由の上位3項目について年代別に調べました。

男性は年代が上がるにつれて「自分で退職の意思を伝えるべき」と回答する割合が高くなり、特に40~50代男性では半数以上の方が回答する結果となりました。

一方で、女性は年代による差があまり見られず、特に「退職の相談ができる職場環境だったから」と回答した方は、どの年代でも約20%にのぼる結果となりました。

今後の退職代行利用意向について

最後に、今後の退職代行サービスの利用意向について調べました。

全体では「利用したい」と回答した割合が19%、「場合によっては利用したい」が42%、「利用したくない」が39%と、「場合によっては利用したい」と回答する割合が高い傾向にありました。

女性は年代に関係なく「場合によっては利用したい」と回答した割合が高く、サービスへの利用意向がある様子がうかがえました。

一方、40~50代男性は「利用したい」と回答した割合が8%、「場合によっては利用したい」が33%と、20代や30代に比べて利用意向が低い傾向であることがわかりました。

総論

若年層ほど退職代行サービスの利用率が高く、特に女性よりも男性の利用傾向が強いことが明らかになりました。また、利用理由としては「退職の意思を伝えた際にパワハラや嫌がらせを受ける不安がある」といった声が多く、職場環境や人間関係による精神的負担の大きさが背景にあることがうかがえます。

一方、退職代行サービスを利用しなかった人の多くは「利用する必要性を感じなかった」と回答しており、人間関係が良好で、職場環境も整っているケースが多いと推察されます。

さらに、年代が上がるにつれて「自分で退職の意思を伝えるべき」と考える人が多い傾向にあり、退職代行サービスに対する認識に世代間の違いが見られました。


退職代行サービスは、まだ認知・利用の面で十分に広がっているとは言えませんが、今後の退職時の選択肢のひとつとして存在感を増しつつあります。

それに伴い、退職代行サービスの適切な使い方や、企業が従業員とどう向き合っていくべきかといった点についても、社会全体で考えていく必要があるのではないでしょうか。

調査概要

調査対象:全国20代~50代の男女

調査手法:インターネットリサーチ


スクリーニング調査期間:2025年4月30日(水)~5月2日(金)

スクリーニング調査|6602サンプル 

20代|男性:1,100サンプル、女性:1,100サンプル

30代|男性:1,100サンプル、女性:1,100サンプル

40~50代|男性:1,101サンプル、女性:1,101サンプル


本調査期間:2025年5月9日(金)~5月13日(火)

本調査|470サンプル 

20代|男性:92サンプル、女性:124サンプル

30代|男性:67サンプル、女性:77サンプル

40~50代|男性:60サンプル、女性:50サンプル


調査主体:株式会社アイディエーション

 株式会社アイディエーションについて

 アイディエーションは、企業の商品開発、プロモーション活動を支援するアイデア開発会社です。生活者の声や日常を徹底的に聴取・観察し、そこで集めたファインディングスから次の一手となるアイデアを開発し、クライアント企業のビジネスを成功に導くことをミッションとしています。

本件に関する報道関係からのお問い合わせ先

広報担当:牟田(むた)

TEL:050-5212-8112

e-mail: pr-ml@ideation.co.jp

※引用・転載時のクレジット表記のお願い※

本プレスリリースの引用・転載の際には、当社クレジットをご明記いただきますようお願い申し上げます。

 例:「マーケティングリサーチ会社のアイディエーションの調査結果によると・・・」

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

株式会社アイディエーション

0フォロワー

RSS
URL
https://www.ideation.co.jp
業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区恵比寿4-6-10 恵比寿ホークビル7F
電話番号
050-5212-8112
代表者名
白石章兼
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2015年11月