ポーラ化成工業が日本化粧品技術者会 第24回優秀論文賞を受賞
肌の細胞画像で疲労状態を推定する方法を確立
●受賞論文
日本化粧品技術者会誌(SCCJ誌)2022 Vol.56 No.2 p141~149
「角層細胞画像による疲労状態の推定」
本川智紀1、加藤朋美1、宮本寛気2、溝手竜2、彦坂修平2
1ポーラ化成工業株式会社 フロンティアリサーチセンター
2ファーストループテクノロジー株式会社
●研究概要
疲労は、多くの人が日常生活で感じている、身体的および精神的要素が含まれる生理現象の1 つです。疲労の蓄積が原因で疾患発症や事故を引き起こすこともあり、疲労状態の把握は重要な課題です。現在は企業においてもアンケートによるモニタリングなどが行われつつありますが、年に1~2 回に留まっていることがほとんどで、実効性を高めるためには、手軽で精度の高いモニタリング技術が必要です。
一方、「肌は内面を表す鏡」とも言われるように、疲労と肌状態の関係は深いと言われていることから、肌情報を元に、疲労状態を把握する技術を作ることができるのではないかと考えました。「深層学習」という技術を用いた検討の結果、肌の一番表層から粘着テープで薄く剥がしとった角層細胞の「カタチ情報」から、主観的な疲労の指標や、血液・尿から得られる生理的な疲労の指標などを複数同時に推定する技術の構築に成功しました。これは、角層細胞で疲労状態を推定した初の技術です。
●筆頭著者 本川上級主任研究員のコメント
ポーラ化成工業の強みである肌分析技術を応用してウェルビーイングな世界を作りたい!と6年前から開始した研究成果の一つです。今後も肌の特性を利用したウェルビーイング技術を積極的に発表していきます。今後の研究発表にもぜひご期待ください。
【補足資料1】2022年日本化粧品技術者会 優秀論文賞について
2022年に日本化粧品技術者会誌(SCCJ誌、Journal of the Society of Cosmetic Chemists of Japan)に掲載された原著と短報を対象として、優秀論文選考委員会による選考にて決定しました。なお、12月7日の第1回日本化粧品記述社会学術大会の最終日には、受賞講演が予定されています。
【補足資料2】 筆頭著者紹介
本川智紀(もとかわ とものり)
ポーラ化成工業 フロンティアリサーチセンター 上級主任研究員
東北大学大学院 医学系研究科 非常勤講師
ポーラ・オルビスグループのウェルビーイング研究のスペシャリスト。入社以来美白の研究に従事しつつも、化粧品技術を活用したウェルビーイング実現の可能性にいち早く着目。6年前から研究を立ち上げ推進してきた。
2021年には、顔分析による体内状態の推測技術と、五感によるウェルビーイング体験を組みわせたウェルネステックプロジェクト「me-fullness」のファウンダーとしても活動を開始。その第一弾として、アプリの開発と実証試験を進め、多くの有用性データを取得している。また、研究知見を活かし、ポーラエステの監修にも関わるなど、ポーラ・オルビスグループのウェルビーイングに広く携わる。
また、これらの研究活動により、2023年4月からは東北大学大学院 医学系研究科 非常勤講師に就任。さらなる研究を進めている。
me-fullness 公式ホームページ: https://me-fullness.com/
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