【ミンテル COSME Week Tokyo 2024にて講演】ジェンダーレスコスメで男性が表現したいのは、「男性らしさ」ー日本におけるジェンダーレス美容のビジネスチャンスを解説
注目はZ世代男性と家族みんなで使用するシェア美容
プレゼンテーション資料のダウンロードはこちら:https://japan.mintel.com/genderless-beauty-0124
取り上げたトピック
日本のSDGs達成目標における課題とジェンダーギャップ指数の低さ
ジェンダーレスコスメで男性が表現したいのは、「男性らしさ」
日本におけるジェンダーレスコスメ:家族全員にやさしい商品をみんなで使用する「シェア美容」
世界のジェンダーレスビューティー:背景には圧倒的な「多様性」訴求が存在する(思想・社会・イデオロギー)
河端はまずはじめに、世界で比率を高めつつあるジェンダーレスコスメ新製品のBPC(ビューティー&パーソナルケア)新製品に占める割合を、ミンテル世界新商品データベース(GNPD:Global New Products Database)から抽出したデータを基に解説しました。現在は男女共通コスメの割合はどこの国でも少ないものの、「フレグランス製品」で増えていることを示し、今後の別カテゴリーの製品でも伸びしろがあるのではないかと示唆しました。
続いて、世界と日本のジェンダーレスビューティーを語るうえでの一番の違いとして、背景にある「多様性」訴求とそれを支える思想や社会、イデオロギーについて触れました。これは特に欧米社会に顕著で、BPCブランドの広告コミュニケーションには男女や中性的なモデルが登場しています。
また、多様性に配慮する海外のジェンダーレスコスメには、「誰にとっても使いやすい」というコンセプトがあるとし、製品例として、「19歳から99歳まで使える」がコンセプトの米国のメイクアップブランド「19/99」のマルチユースペンシルなどを紹介しました。
日本のジェンダーレスビューティー:社会的思想は無し、「ジェンダーレス」という言葉も響かない
次に河端は、日本市場における「ジェンダーレス」の意識について解説し、日本ではジェンダーレスビューティーに「社会的思想・イデオロギーはない」としました。そもそも日本ではジェンダーレスコスメの認知度自体が低く、2023年にミンテルが行った調査では、56%の人が「聞いたことがない」と回答。この背景にある日本の事情を説明するため、河端はSDGs(Sustainable Development Goalsー持続可能な開発目標)における「目標5:ジェンダー平等」や「日本のジェンダーギャップ指数」についても触れました。
「SDGsの評価項目であるジェンダー平等で日本は低評価を受けており、また、ジェンダーギャップ指数は先進国の中でも最低レベルです。こういったことから見てもジェンダー平等は、日本で率先して取り組むべき課題であると言えます。しかし、ミンテルが行った調査によると日本でジェンダー平等に関心のある人はわずか20%。すぐに消費者の意識に変革が起きるとは思えない状況です。日本では、社会的思想の観点からジェンダーレスという言葉は響かないと言ってよいでしょう。」
「日本のジェンダーギャップ指数は0.650、146ヵ国中116位。韓国や中国よりも低い数値。世界経済フォーラム(WEF)Gender Gap Report 2022に基づき、ミンテルにて作成した図」
日本では男女ともにBPC製品で表現したいのは、男性らしさ・女性らしさ
日本人のジェンダーレスに対する一般的な消費者意識や社会背景を踏まえ、河端は次にBPC製品に対する消費者調査のデータを提示し、「日本では男女ともにBPC製品で表現したいのは、男性らしさ・女性らしさである」とし、「ジェンダーレス」という言葉にはやや否定的であるとしました。
日本におけるジェンダーレスコスメの方向性1:Z世代の男性をターゲットにする
最後のセクションで河端は日本におけるジェンダーレスコスメの方向性を2つ示し、ミンテルの行った消費者調査の結果を示しながら、プレゼンテーションを締めくくりました。
「ジェンダーレスコスメの認知度は女性の方が高く、若い年齢層ほど高い傾向です。しかし、使用意向では男性の方が高い傾向にあり、更に若い年齢層ほど高いという結果が出ています。男性の18~29歳の何らかのジェンダーレスコスメを使用してみたいと意向のある人は71%。女性で最も使用意向が高いのも18~29歳(58%)ですが、男性には及びません。こういったデータから、ジェンダーレスコスメはZ世代の男性をターゲットにすると良いことが読み取れます。」
河端は、「しかし、ここまで見てきたデータを踏まえると、このZ世代の男性消費者とのコミュニケーションにおいても、ジェンダーレスであることをうたうのは効果的ではないでしょう。日本流のジェンダーレスコスメにおいては、あえてジェンダーレスという言葉は使用しない方が効果的であると考えます。」とし、メジャーリーガーの大谷選手を起用し、男性らしさの表現を保持したことで成功した、コスメデコルテの製品を例として挙げました。
日本におけるジェンダーレスコスメの方向性2:家族みんなで使う「シェア美容」
河端:「パートナーとシェアできるジェンダーレスコスメは、女性にとっても魅力的である、とミンテルの消費者調査の結果から出ています。こういったデータから言えることは、日本では家族に注目し、家族全員で使用できるシェア美容にジェンダーレス製品の開発の余地があるのではないかということです。」
【家族をターゲットにしたBPC製品の例ー家族みんなで使える日焼け止め】
本講演では、こちらのプレスリリースでご紹介している他にも、世界と日本の消費者調査の結果から、日本とそれ以外の地域におけるジェンダーレスコスメ製品開発の方向性をさらに詳しく解説しています。本講演内容に関するお問い合わせやアナリストへの取材のお申し込みは「メディア関係者限定公開情報」にございますお問い合わせ先までお願いいたします。
プレゼンテーション資料のダウンロードはこちら:https://japan.mintel.com/genderless-beauty-0124
本講演の基となるデータを収録する、ミンテルジャパンレポートについて詳しく知りたい方は以下よりお問い合わせください。
「ミンテルジャパンレポート」2024年カタログのダウンロードおよびお問い合わせ先:
https://japan.mintel.com/japan-report-0124
ミンテル出展ブースの様子
【ミンテルジャパンについて】
ミンテルジャパンは、ロンドンに本社を置く大手市場調査会社「Mintel Group」の日本法人です。専門分野のアナリストと新商品の調査員を世界各国に配置し、独自の消費者調査や新商品情報の収集を行っております。
その独自のデータを基にした消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測に強みがあります。日本では主に「美容・化粧品」「食品・飲料」「ライフスタイル」の3分野に注力し、サービスを展開しています。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像