【北海道の酒造りに新潮流】道産酒米の進化と歩みを共にする「産学連携」の深化

「北海道の酒米を語ろうin赤れんが」開催を前に、道内3酒蔵の産学連携の取り組みをご紹介

北海道庁PR事務局

北海道庁は、2026年2月19日(木)に、道内外の酒造メーカーにおける、さらなる北海道の酒米(さかまい)の認知度向上と、道内酒米生産者の意欲向上を図るため、「北海道の酒米を語ろうin赤れんが」を開催します。本イベントでは、道内酒米生産者や北海道の酒米を使用している酒蔵の杜氏など、日本酒造りに携わる関係者が一堂に会します。

北海道は寒冷地のため、原材料の酒米が育ちにくい環境でしたが、品種改良の結果、おいしい日本酒となる酒米の原料を作ることに成功。現在、北海道生まれの3品種(吟風(ぎんぷう)、彗星(すいせい)、きたしずく)が道内で生産されており、道内のみならず、全国の名だたる酒蔵から注目を浴びています。

こうした中、北海道の日本酒造りでは、酒蔵と大学や農業高校が連携した様々な産学連携の取り組みが行われています。

本リリースでは、2月19日のイベント開催に合わせ、道内3つの酒蔵(二世古酒造、髙砂酒造、上川大雪酒造)が進めてきた産学連携の具体的な成果と、取り組みの現状について紹介します。

1. 【二世古酒造 × 倶知安農業高校】循環型教育プロジェクト米作りから商品発表まで、日本酒ができる過程を実際に体験する循環型教育プロジェクト

大正5年(1916年)創業と長い歴史を持つ二世古酒造(本社:倶知安町)は、徒歩10分の距離にある倶知安農業高校と教育連携プロジェクトを7年間継続しています。

本プロジェクトは、授業等で米作りを積極的に行いながらも収穫後の加工や商品づくりといった「出口」となる活動に課題を感じていた同校の想いと、地域への技術継承を目指し学生との連携を模索していた二世古酒造の想いが合致したことから始まりました。

【活動の様子(二世古酒造)】

【ポイント】

・酒米の栽培から日本酒の販売まで一貫した体験学習と地域連携: 高校2年生を対象とした1年間のサイクルで、米の栽培から醸造、販売までを体験します。春の田植え、秋の収穫を経て、冬には蔵人と共に仕込み作業に参加。生徒たちは、発酵中のタンクの様子を毎朝撮影して学校に送信し、教室内でも醸造の変化をリアルタイムで観察しています。さらに、搾りや瓶詰め作業、そして3年生になってからの「お披露目会」での商品説明と販売まで、可能な限り全工程に関わることで、自分たちが育てた米が商品へと姿を変える喜びを学びます。

・産学連携での商品開発: 本プロジェクトから誕生した純米吟醸酒「忠(なかごころ)」は、かつて本プロジェクトの立ち上げに尽力された担当教師の名前に由来する銘柄です。このお酒のラベルデザインは、毎年生徒が自ら担当。絵の得意な学生が手掛けた作品は、プロの修正なしでそのまま商品化されるほどのクオリティを誇り、毎年異なるデザインを楽しみにするお客様も増えています。

・循環型農業への挑戦: 今年度からは使用品種を「彗星」から「きたしずく」に変更し、原料米の違いによる酒質の変化を学ぶ新たな機会を提供しています。また、今後は製造工程で出る酒粕を活用したクッキーやマドレーヌ等の副産物開発にも取り組む予定となっており、教育的価値と地域の商品価値を両立させた、より広義な「循環型農業」の実践を目指しています。

【担当者コメント:二世古酒造 杜氏 水口渉氏】

自分たちが泥まみれになって育てた米が、目の前で酒へと変わっていく。その驚きや喜びを経験した生徒たちの顔つきは、1年で大きく変わります。『忠(なかごころ)』という酒を通じて、地元の農業と伝統産業の繋がりを肌で感じ、誇りを持って地域社会へ羽ばたいてほしいと願っています。

2. 【髙砂酒造 × 旭川農業高校】旭農高日本酒プロジェクト「旭農高日本酒プロジェクト」5周年。地域企業を巻き込み生徒のキャリアを拓く

明治32年(1899)年創業の髙砂酒造(本社:北海道旭川市)が進める「旭農高日本酒プロジェクト」は、令和2年(2020年)10月の始動から5周年を迎えました。

地域資源の活用、産学連携の強化、SDGsの推進などを達成するべく始まったこの取り組みは今や地域社会を巻き込む大きなムーブメントとなっています。

【学生による稲刈りの様子】

【ポイント】

・地域全体で支える教育体制: 旭川農業高校の水稲専攻班(2・3年生最大16名)が主体となり、酒米栽培から商品化、販売までを担当。多数の企業が参画し、地域全体で次世代の担い手を支える体制を構築しています。

・5周年記念酒「想い逢い 2026」: 5周年となる今年は、通常の火入れ酒に加え、初めて「生酒」を限定販売します。商品名の「想い逢い 2026」は、生産者、消費者、学生、企業、地域、未来を繋ぐ想いを込めて、生徒たちが話し合い決定しました。

・キャリア形成への寄与:本取組への参加を通じて、地域の農業・食品産業分野において希望職種への就職を実現する生徒も出ており、地域人材の育成・定着にもつながっています。また、これらの地域活性化になりうる取組をHPなどで見て入社を希望する学生も多く、今年の4月から同社へ新卒入社を予定する学生がいるなど、地域の人材循環に大きく貢献しています。

【担当者コメント:髙砂酒造 取締役企画部 廣野徹氏】

この5年間は、生徒たちと向き合う中で、彼らの柔軟な発想や情熱に私たち社員も大きな刺激を受けてきました。旭川という土地で育った米と生徒たちの想いが詰まった「想い逢い 2026」が、地域を繋ぐ架け橋となることを確信しています。卒業生が業界の担い手として戻ってきてくれることは、蔵にとっても最高の喜びです。

3. 【上川大雪酒造 × 帯広畜産大学】碧雲蔵(へきうんぐら)教育・研究・人材育成の三位一体。大学構内の酒蔵「碧雲蔵」が拓く実学の姿

令和元年(2019年)7月の連携協定締結から6年、帯広畜産大学のキャンパス内で創業した上川大雪酒造株式会社(本社:上川町)の「碧雲蔵(へきうんぐら)」は、学術的な知見と酒造りの現場が「徒歩圏内」で融合する、全国的にも稀有な産学連携の拠点となっています。

【昨年の活動の様子(上川大雪酒造)】

【ポイント】

・教育実績: 上川大雪酒造の代表取締役副社長兼総杜氏が帯広畜産大学の客員教授として、同大学教員と協力・日本酒関連の講義を担当し、6年間で延べ837名の学生が受講しました。さらに令和7年度からは「清酒学」「清酒醸造実習」を新設。体系的に学べる教育体制を整え、これまでの関連講義・実習の受講者は累計1,171名に達しています。

・研究実績: 酒造と大学の共同研究契約に基づき、蔵由来の微生物叢(そう)の解析、十勝由来の清酒酵母の探索、酒粕の農畜産分野への利用など24件の研究課題に取り組んでいます。令和7年秋からは月に一度、大学の発酵学研究室のゼミを蔵内で開催し、現場と研究の密接なフィードバックを行っています。

・人材育成:令和3年度から毎年実施している「学生の酒造りプロジェクト」には延べ36名が参加。インターンシップとして米洗いからラベル貼りまでの全工程を実際に体験し、畜大酒を製造しました。畜大酒の売上の一部は大学へ寄付され、さらなる研究活性化に繋がる循環型モデルを確立しています。アルバイトとして製造・製品・販売に携わる学生もいて、実際に卒業生2名が同社へ就職しました。また、社員1名が社会人大学院生として博士後期課程を修了し、副杜氏に就任するなど、高度な双方向の人材交流を実現しています。

・将来の展望: 今後は教育面では大学との連携をさらに円滑にし、学生のアルバイト雇用や卒業生の採用を継続することで、「醸造家・研究員」の育成を加速させます。また、現在大学では「大学内での米造り計画」が進行中であり、原料から醸造までをキャンパス内で完結させる実学の導入を目指します。研究面では、研究成果の実用化として、新たな日本酒の開発や、チーズや肉等の清酒業界の枠を超えた展開を目指します。

【上川大雪酒造 副杜氏山根桃華氏のコメント】

大学構内に蔵があることで、日本酒離れが進んでいる若い世代にも日本酒の美味しさや、古くから受け継がれてきた日本酒造りに触れる機会を提供することができます。また、研究面での連携により、職人の経験則だけではなく、科学的視点から日本酒を見る人材の育成にも繋がります。次世代の醸造界を担う人材を十勝から輩出できるよう、尽力していきたいと考えています。

■ 参考:「北海道の酒米を語ろうin赤れんが」開催概要

日時: 令和8年(2026年)2月19日(木)14:00~18:30(受付13:30~)

会場: 北海道庁赤れんが庁舎(旧本庁舎)2階 ホールA(札幌市中央区北3条西6丁目1番地)

内容:

第1部:セミナー 14:00~16:00

・情報提供

①酒販店から見た酒米、日本酒のブランド化について 株式会社はせがわ酒店(東京都酒販店)

②卸と酒蔵が一体となった日本酒造り、ブランド化について 株式会社アスク(山形県米卸)

③酒販店と酒蔵との関係性について 有限会社小山商店(東京都酒販店)

④北海道米を使用した酒造りについて 富久千代酒造有限会社(佐賀県酒蔵)

⑤北海道の酒米と歩んだ酒造りについて 小林酒造株式会社(栗山町酒蔵)

・トークセッション 「北海道の酒米を使った日本酒の魅力について」

ナビゲーター 銘酒の裕多加 熊田 架凜氏(札幌市酒販店)

登壇者 上川大雪酒造株式会社(上川町・帯広市酒蔵)、龍神酒造株式会社(群馬県酒蔵)

第2部:交流会(立食形式)16:30~18:30

全ての道内蔵及び当日出席いただいた道外酒蔵の道産酒米を使用したおすすめの日本酒と北海道産美味しい食材をつまみに交流会を実施

その他:会場には駐車場がありませんので、お車でお越しの場合は、近隣の時間貸し駐車場等をご利用ください。また、入館には通常入館料がかかりますが、本会に参加される方には無料で専用の入館証(二次元コード)を発行します。

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会社概要

北海道庁広報広聴課

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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
北海道札幌市中央区北三条西6
電話番号
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代表者名
鈴木直道
上場
未上場
資本金
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設立
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