【調査レポート】“子どもの腸内フローラ大調査”初回調査結果発表 加東市特産品「もち麦」の発酵性食物繊維で腸内環境改善を目指す
マルヤナギと医薬基盤・健康・栄養研究所が実施、加東市民は脂質過多・食物繊維不足傾向明らかに
この研究において4月に実施した被験者の腸内細菌叢検査と生活習慣に関する調査の結果、腸内細菌叢においては、加東市の子どもは、日本人の肥満を改善する候補菌として注目されている” ブラウティア菌”の割合が成人の全国平均の値よりも高い割合であること、食生活の面では脂質過多・食物繊維不足の傾向にあることが分かりました。この結果をもとに、もち麦にも含まれる「発酵性食物繊維」を意識的に摂取することによる腸内環境の改善を目指し、今後も観察研究を続けると共に加東市民全体の健康維持・増進に努めてまいります。
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初回結果 概要
・兵庫県加東市の子どもは“ブラウティア菌”が全国平均より多いことが判明
2023年4月に実施した被験者148名の腸内細菌叢調査の結果、加東市の子ども67名は”ブラウティア菌”の割合が平均7.20%と、全国平均5.77%より高い割合であることが分かりました。(全国平均:NIBIOHN調べ)
また、大人81名の”ブラウティア菌”の割合は平均5.44%と、全国平均とほぼ同割合であることが分かりました。
ブラウティア(Blautia)菌は、人を対象にした複数の調査研究から、肥満の人でその割合が少ないことが明らかになっており、肥満などの私たちの体質や健康状態と関わっている可能性があると言われています。
また、ブラウティア菌の保有が6%を超える人は肥満や糖尿病のリスクが低いという調査結果もあります。
(出典:Hosomi K et al, Nat Commun(2022) )
・加東市民の食生活は脂質過多・食物繊維不足傾向
2023年4月に実施した被験者の食事調査の結果は以下の通りです。
(目標値:日本人の食事摂取基準2020年版より該当年齢の目標値をもとに算出)
・たんぱく質:目標値内の割合は76%で、その他は不足傾向
・脂質 :目標値内の割合は39%で、その他は過多傾向
・炭水化物:目標値内の割合は64%で、その他は若干不足傾向が多い
・食物繊維:目標値を満たす割合は24%で、その他は不足
加東市の特産品である「もち麦」には水溶性食物繊維の「大麦β-グルカン」が含まれています。水溶性食物繊維は腸内細菌のエサとなり腸内細菌を元気にするだけでなく、発酵性食物繊維とも呼ばれ、腸内で発酵されやすく、その際に短鎖脂肪酸が産出されます。この短鎖脂肪酸が腸内環境の改善や肥満・糖尿病の改善にも関係していると言われています。
今回の調査結果より、加東市の子どもはブラウティア菌の割合が全国平均より高い割合であること、加東市民の食生活は脂質過多、食物繊維は不足傾向(たんぱく質と炭水化物も不足傾向)であることが分かりました。今後、特産品のもち麦をはじめとする発酵性食物繊維を含む食材を意識的に摂取することにより、腸内環境が改善する可能性が期待されます。
これからも、加東市民への食生活や生活習慣のアドバイスを継続的に行い、来年度も腸内細菌叢と食生活検査を実施することで、加東市民の健康維持・増進に繋げてまいります。
「兵庫県加東市に住む子どもの腸内フローラ大調査」調査スケジュール
1) 調査期間 :2023年4月1日~2024年8月31日
2) 被験者 :兵庫県加東市在住の子ども(3~13歳)67名、そのご家族81名 総計148名
3) 試験方法 :検便と生活習慣に関するアンケートを1回目(2023年4月)、2回目(2024年4月)と同月の2年間調査し、腸内フローラの変化について観察研究を実施する。
2023年3月: 「おなかと健康」セミナー、食習慣チェック、検査内容の説明、検査キットの配布
2023年4月: 検便
2023年9月: 結果説明会(1回目)、タイプ別食習慣のご提案
2024年3月: 食習慣チェック、検査内容の説明、検査キットの配布
2024年4月: 検便
2024年9月: 結果説明会(2回目:1年目との変化点など)
「兵庫県加東市に住む子どもの腸内フローラ大調査」研究経緯・前回の加東市職員を対象とした調査詳細
マルヤナギは兵庫県加東市にあるJAみのりの協力を得、2017年よりもち麦の栽培を行っています。このもち麦を活かし、マルヤナギと加東市は、2019年「SDGs を踏まえた地域活性・市民の健康増進・農業振興等の連携協定」を締結いたしました。
この連携協定にかかる取組のひとつとして2020年10~12月に加東市役所職員60名を被験者として実施した「もち麦喫食が腸内環境や食生活におよぼす影響」の調査によると、厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」にて食物繊維の摂取目標量は、18歳~64歳では1日あたり男性21g以上、女性18g以上と定められていますが、加東市職員の摂取量は男性10.1g、女性8.8gと少ない状態でした。その後もち麦を2ヶ月間喫食すると1日の食物繊維摂取量が平均3g増加しました。
また腸内細菌叢の多様性についても喫食前は平均約770種類でしたが、約880種類に増加しました。
(参考:腸内細菌叢には非常に多くの微生物が存在しており、その腸内細菌の種類が多い方が良いと言われています。特定の菌だけに偏るよりも、様々な菌が多種いる方が良いので、腸内細菌の多様性を高めることが重要です。)
この結果より、食生活改善が腸内環境に影響を与える可能性があると考え、食生活を変えるには子どものころからの実施がより理想的で、子どもの食生活に影響を与えるのは保護者であることから、学校給食や食生活に地域産もち麦を取り入れる加東市に住む子どもとその家族の観察研究をする運びとなりました。
子どもを含めた親子での腸内細菌叢の観察研究は国内でも例が少なく、子どものころからの食生活が腸内環境へどのように影響を与えるかを示す貴重な研究になります。
株式会社マルヤナギ小倉屋について
「伝統食材の素晴らしさを次の世代へ」をメインテーマに、長年取り扱ってきた昆布、豆、もち麦などの穀類、野菜などの伝統食材が持っている健康価値やおいしさを生かした新しい食の提案に取り組み、次の世代へしっかりと伝えてゆきたいと考えています。
【会社概要】
社名:株式会社マルヤナギ小倉屋
本社所在地:神戸市東灘区御影塚町4丁目9番21号
代表取締役社長:柳本 勇治
事業内容: 蒸し豆・佃煮・煮豆の製造・販売
創業: 1951年12月26日
HP:https://www.maruyanagi.co.jp/
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