環境移送ベンチャーイノカ、株式会社リバネスと資本業務提携
〜リバネス無期限ファンド”ジャーミネーション1号ファンド”から第一号案件として出資。国内外企業に対し、ネイチャーポジティブの実現に向けた共創提案を加速〜
今回の資本業務提携は、リバネスが2022年12月に公表した”無期限ファンド”「ジャーミネーションファンド1号投資事業有限責任組合(以下「ジャーミネーション1号ファンド」)」からイノカへ出資することにより実現しました。
社会的背景:ネイチャーポジティブ経済への移行に向けて
ネイチャーポジティブ(Nature Positive)とは、企業・経済活動によって生じる自然環境への負の影響を抑え「生物の多様性を維持する」という従来の発想から大きく踏み込んで、「生物多様性を含めた自然資本を回復させる」ことを目指す新たな概念であり、近年、企業経営において重要性を増しています。日本においては、環境省が「ネイチャーポジティブ経済」への移行を掲げております。
気候変動対策の分野ではTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)が設立されて以降、金融機関や企業による気候変動リスクに関連する情報開示が急速に広がりましたが、自然資本・生物多様性領域では2021年6月、企業が自然への依存度や影響を把握し開示する枠組みをつくる「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」が設立され、企業経営においても重要性を増しています。
株式会社イノカおよび「環境移送技術」について
イノカは、ビジョンとして「人と自然が共生する世界をつくる」を掲げ、2019年に創業したベンチャー企業です。任意の海洋環境をモデル化し、ラボでの環境解析を可能にする独自の技術コンセプト「環境移送技術」により、「海の見える化」というミッションに取り組んでいます。
ラボに特化した環境移送技術の強みを活かし、イノカは下記のような幅広いテーマで、海のネイチャーポジティブに向けた独自性の高い貢献領域を創出しております。
■ 2022年2月、完全人工環境かつ時期をコントロールしたサンゴの人工産卵実験に世界で初めて成功。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000047217.html
■ フィールドでは検証が難しいテーマを実証可能という特性を活かし、東京都の「東京ベイeSGプロジェクト」では、東京湾のヘドロ環境改善のためのソリューション開発に取り組んでおります。
cf. 東京ベイeSGプロジェクト https://www.tokyobayesg.metro.tokyo.lg.jp/priorityprojects/priorityprojects_r4_decision.pdf
■ 海洋生物多様性の中心であるサンゴに対して、海洋流出した製品や物質がどのような影響を及ぼすかを科学的に評価。海洋生物多様性に関する指標の開発等を目指しています。
cf. 2023年4月、資生堂との連携協定 https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003603
株式会社リバネスおよびジャーミネーション1号ファンドについて
研究者集団であるリバネスは、「科学技術の発展と地球貢献を実現する」という理念のもと、大学や企業から生まれる科学・技術と異分野の知識を組み合わせ、地球貢献に資するプロジェクトを創造するサイエンスブリッジコミュニケーターとして活動しています。2014年より、アジア最大級のディープテックベンチャーの発掘育成プラットフォームを手がけております。
イノカの創業以前より、研究開発体制の強化や大企業連携による共同研究開発の推進、教育活動のサポート等を行ってきました。
■ 株式会社イノカにマリンテックグランプリ2021最優秀賞を受賞したKUAU 上田正人氏がCTOとして参画
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000047217.html
リバネスは2022年12月、情熱をもってディープイシューの解決に挑戦するアントレプレナーが創業した国内ベンチャー企業へのシード投資に特化した「ジャーミネーションファンド1号投資事業有限責任組合(通称 ジャーミネーション1号ファンド)」の組成を完了し、存続期間を”無期限”として運用を開始しました。
本ファンドは、すべての組合員が、支援者ではなく主体的にベンチャーの成長に寄与するとともに、大企業や中小企業を巻き込んだ新たなプロジェクトを仕掛けることで、保有株式の売却を第一の目的としない新しいファンドのあり方を実現を目指すものです。
今回、ジャーミネーション1号ファンドからの初の出資先として、イノカを含めた3社のスタートアップ企業への投資を実行する運びとなりました。
https://lne.st/2022/12/15/20th-germinationfund/
イノカ × リバネスによる企業との共創事例
これまでにも、イノカとリバネスの連携は、生態系を含めた地球の健康に寄与するための研究開発を推進してきました。
2022年7月には、イノカ・リバネスに、化学メーカーのDIC株式会社を交えた3社で、「フィコシアニン添加条件下におけるサンゴの白化現象の抑制効果」について、共同研究を開始しました。DICの保有する天然青色色素「フィコシアニン」がサンゴに与える影響について、リバネスの研究サポートのもと、検証を進めています。
■ 環境移送技術のイノカ、化学メーカーのDIC、人工生態系を用いた藻類由来天然素材フィコシアニンの有用性研究を開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000056781.html
資本業務提携にあたってのコメント
株式会社イノカ 代表取締役CEO 高倉 葉太より
リバネスとの出会いは2017年3月2日、リバネス主催の超異分野学会です。丸さんのプレゼンを聞き、雷に打たれたような衝撃を受けました。あの日のことは忘れません。
「台風で発電する。」「人の便は宝だ。」
信じられないようなことを連呼している丸さんの話を聞き、これが「世界を変える」ということなんだと強く思いました。
それから、自分もそっちに行きたい!!と丸ゼミに通い、イノカのアイディアが生まれ、創業し、丸さんを顧問として迎え、数々の苦難を乗り越え今に至ります。
そして、今日ついに丸さんだけではなく、リバネス全体を仲間にできること、イノカ号にお招きできることをとても嬉しく、心強く思います。
これからはネイチャー中心の社会になっていきます。この新たな時代をリバネスと共に作って参ります。
株式会社リバネス 取締役CFO / 株式会社リバネスキャピタル代表取締役 池上 昌弘 氏より
株式会社イノカは、株式会社リバネス(以下リバネス)が主催する2018年の第2回マリンテックグランプリを経て創業してから、リバネスグループが実施する中学・高校生向けのアントレプレナーシップ教育にも参画、研究機関と連携して海洋環境の健康診断技術の確立に向けた研究開発など様々な面で関係性を拡げてきました。
また、リバネスキャピタルとしても出資をさせていただいてからは、しっかりとした経営組織を構築するための支援も継続的に行ってまいりました。リバネスがグループをあげて最も関わりが深いベンチャー企業の1つです。
イノカという芽の成長をより確かなものとすべく、ジャーミネーション1号ファンドの第一号出資案件としてこれまで以上に深く深く巻き込まれながら、このイノカという船の乗組員として新たな世界へ共に飛び出していこう。
そんな覚悟で出資を決定しました。
ジャーミネーションファンド1号投資事業有限責任組合について
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