生成AIで政策立案を加速──EBPM支援ツールに新機能を搭載──
~ロジックツリーやロジックモデルを自動生成、職員の“考える力”を支援~
■ 概要
Gcomホールディングス株式会社は、地方自治体のEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)を支援する分析ツールに、生成AIを活用した新機能を追加します。
本機能は、政策立案や事業評価に必要な「ロジックツリー」「KPIツリー」「ロジックモデル」をAIにより生成するもので、2026年4月より提供開始を予定しています。
本機能は、宮崎県都城市において実施した実証実験を通じて得られた現場でのフィードバックを反映し、地方自治体においてより実用的かつ効果的なサービス提供を実現します。また、通常、1つのテーマ・課題に関してロジックツリー作成・対象データ探索する場合、知識・スキルのある職員でも3時間以上の作業を要しますが、本機能を用いれば最短5秒で完了できることが確認できています。
本取り組みは、シフトプラス株式会社が提供する生成AIプラットフォーム『自治体AI zevo』を基盤として活用し、両者の技術連携により実証を実施しています。
■ 背景
全国の地方自治体ではEBPMの推進が進む一方で、
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目的・課題を整理してロジックツリーを構築するまでに多くの時間と専門知識を要する
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複数職員の認識を揃えるまでに議論が長期化する
といった課題が顕在化しています。
当社ではこうした課題解決に向け、生成AIを活用した“思考の出発点づくり”をテーマに開発を進めてきました。
■ 新機能の概要
① ロジックツリー生成AI
「役割」と「課題・問題」を入力するだけで、生成AIが自動的にロジックツリーを生成。
政策課題の構造化を瞬時に支援します。

② KPIツリー生成AI
ロジックツリーを基に、KGI・KPIを階層構造で整理し、成果指標設計を効率化します。

③ ロジックモデル生成AI
「役割」「事務分掌」「最終アウトカム」を入力することで、AIが施策ロジックモデルを自動作成。
事業の目的や成果の一貫性を可視化します。

■ 実証結果と導入効果
宮崎県都城市において実施した実証を通じて、地方自治体職員が実際に本機能を操作しながら、より実用的かつ効果的なサービス提供が可能であることを確認しました。
実証の過程では、ロジックツリーやロジックモデルの作成において、地方自治体職員のみでの対応には習熟度や作業工数の面で一定の課題が存在することが明確化しました。こうした現場の声を踏まえて開発した本機能は、実用性・有用性の両面で高い評価を得ています。
特に、本機能の導入によって得られる最大の効果は、「業務の効率化」と「習熟度に依存しない運用の実現」です。従来、1つのテーマ・課題に関してロジックツリー作成・対象データ探索する場合、知識・スキルのある職員でも3時間以上の作業を要しますが、本機能を用いれば最短5秒で完了できることが確認できています。さらに、これまでこうした作業に携わった経験のない職員でも、すぐに実践可能な設計となっています。
これにより、地方自治体における職員研修や政策立案の現場において、作業効率の向上と職員の思考支援の両立が期待されています。
■ 今後の展望
今後は、zevoをはじめとする行政DX基盤とのさらなる連携を進め、
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政策評価や施策比較へのAI活用
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地方自治体間でのモデル共有
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標準化 EBPM推進における人材育成支援
など、行政全体の知的生産性向上を支援することを目的に、従来のBIツールの枠を超え、これまで可視化や分析の限界とされていた領域にまで踏み込んだEBPM(Evidence-Based Policy Making)の実現に向けて、支援機能の実現を目指します。政策形成に必要なエビデンスの収集・評価・活用を一貫して可能にすることで、地方自治体の意思決定をより戦略的かつ実効性の高いものへと導きます。
■ 提供開始予定
2026年4月(全国地方自治体向けリリース予定)
■ 協力連携事業者
シフトプラス株式会社(LGWAN/インターネット両対応生成AIプラットフォーム「自治体AI zevo<ゼヴォ>」)
■ 本件に関するお問い合わせ
GCOMホールディングス株式会社
地方行政経営研究所(担当:土肥)
Email:ebpm@gyoseiq.co.jp
Tel:092-233-1472
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