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「出張に関する定量調査」を発表 若年層ほど出張に対する否定的な意識が高い傾向

一方、出張には 「新たな気づき・学び」「前向きな態度変容」などの副次的な効果も

株式会社パーソル総合研究所

株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役社長:萱野博行)は、「出張に関する定量調査」の結果を発表いたします。

テレワークの浸透や経費削減などの影響もあり、多くの企業で出張業務(予算)が見直され、一部はオンライン会議などに代替されています。しかし、出張には現地・現物を確認し、取引先等と対面することで業務遂行を円滑にするといった直接的な成果だけでなく、新たなビジネス機会の創出や個人としての気分転換、学び・成長機会といった副次的な効果も期待できます。また、出張先地域の地方自治体において出張者は、観光客とは異なる潜在的な関係人口として期待される貴重な存在ともいえます。

本調査では、企業などにおける出張業務に着目し、組織と個人、そして出張先の地域にとっての副次的な効果について確認し、組織と従業員にとって有意義な出張の在り方、出張者の地域貢献意識を高めるための観点などを探ることを目的に実施しました。

出張への意識をみると、出張前・後のいずれのタイミングでも、出張を肯定的にとらえる割合は若年層で低い傾向。また、出張前⇒出張後の意識変化(肯定意識の落差)は、若年層で大きい傾向。

■主なトピックス ※トピックスの詳細については「主なトピックス(詳細)」をご確認ください

<組織向けの示唆>

1.     出張前に出張を前向きにとらえている層は75.8%。一方、出張を終えた後に、出張を前向きにとらえている層は50.4%に低下。

2.     出張に行きたいと思わない理由の上位は「長距離の移動が面倒くさい」「移動時間が無駄だと思う」。また、「同行者がいると気疲れする」「慣れない場所でのストレスは避けたい」などの理由は、若年ほど高い傾向。

3.     出張の効用・メリットについて尋ねると「その場の雰囲気を肌で感じられる」が77.0%。次いで「相手とコミュニケーションが取りやすい(76.2%)」、「相手との信頼関係を築ける(74.6%)」が続く。

4.     出張の効用・メリットと「企業・チーム/個人にとっての出張メリット」の関係性を分析した。双方のメリットに対する影響度が高いものは、共通して、 新たな気づきを得る機能【新たな気づき】、仕事への態度を前向きに変容する機能【前向きな態度変容】、偶発的にビジネスを拡大させる機能【偶発的なビジネス拡大】であった。

5.     出張移動中の過ごし方を行きの移動/帰りの移動それぞれで見た。行き/帰りともに「特に何もしていない(寝ていた)」が最も多く、帰りの移動で特に多い。また、行きの移動では「スマホやノートPCで仕事をしていた」割合が高い。

6.     出張移動中の過ごし方別に「新たな気づき」機能(新しいアイデアや考え方が生まれる/仕事における学びがある)の度合いを比較した。行きの移動中に「自己研鑽」を行っている人ほど「新たな気づき」機能のスコアが高い傾向。

7.     出張業務外の過ごし方の実態を見た。「出張業務の関係者(社内)との懇親」が28.5%で最も多く、次いで「特に何も行っていない」が続く(26.5%)。

8.     出張中の業務時間外の過ごし方を4群(「巣籠り」「懇親のみ」「娯楽のみ」「懇親&娯楽」)に分類し、各群の3つの出張機能(「新たな気づき」「前向きな態度変容」「偶発的なビジネス拡大」)の度合いを比較した。いずれの出張機能も、「巣篭り」群で最も低く、「懇親&娯楽」群で最も高い傾向。

<地方自治体向けの示唆>

9.     出張に関する支出金額は、交通費や飲食・宿泊費、娯楽サービスなども含めた合計で62,216円。その内、自己負担の支出額は12,471円。(交通費を除き、地域での消費額は34,284円)

10.     出張したことにより、出張先地域に対する貢献意識は「地域の消費に貢献したい意識」、「ふるさと納税を利用したい意識」、「イベントやボランティア活動に参加したい意識」のいずれも2割強が高まったと回答。

11.     出張先への訪問回数別に地域愛着の高まり度合いを比較すると、1回目(今回の出張が初めて)→2回目→3回目との回数を重ねるごとに地域愛着は高くなるが、4回目以降で下がる傾向が見られる。

12.     出張先への訪問回数と地域愛着の関係性について、出張業務外の過ごし方別に比較した。「巣籠り」群では、回数によらず地域愛着は低い。「娯楽のみ」群と「懇親のみ」群では、4回目以降の下落幅が大きい。「懇親&娯楽」群では4回目以降の下落幅は比較的小さい傾向。

■主なトピックス(詳細)

<出張と組織>

1.     出張前に出張を前向きにとらえている層は75.8%。一方、出張を終えた後に、出張を前向きにとらえている層は50.4%に低下。

2.     出張に行きたいと思わない理由の上位に、「長距離の移動が面倒くさい」「移動時間が無駄だと思う」が挙げられる。                               
また、「同行者がいると気疲れする」「慣れない場所でのストレスは避けたい」などの理由では、若年ほど高い傾向。

3.    出張における効用・メリットに関して、最も「あてはまる」の回答が多い項目は「その場の雰囲気を肌で感じられる」で77.0%。次いで「相手とコミュニケーションが取りやすい(76.2%)」、「相手との信頼関係を築ける(74.6%)」が続く。図表は31ある出張機能の上位10項目。

4.    出張の機能と「企業・チーム/個人にとっての出張メリット」の関係性を分析した。双方のメリットに共通して、 新たな気づきを得る機能【新たな気づき】、仕事への態度を前向きに変容する機能【前向きな態度変容】、偶発的にビジネスを拡大させる機能【偶発的なビジネス拡大】との関係が強い傾向。

5.     出張移動中の過ごし方の実態を行きの移動/帰りの移動それぞれで見た。行き/帰りともに「特に何もしていない(寝ていた)」が最も高く、帰りの移動で特に高い。また、行きの移動では「スマホやノートPCで仕事をしていた」割合が高い傾向。

6.    出張移動中の過ごし方別に「新たな気づき」機能(新しいアイデアや考え方が生まれる/仕事における学びがある)の度合いを比較した。行きの移動中に「自己研鑽」を行っている人ほど「新たな気づき」機能のスコアが高い傾向。

7.    出張業務外の過ごし方の実態を見た。「出張業務の関係者(社内)との懇親」が28.5%で最も多く、次いで「特に何も行っていない」が続く(26.5%)。

8.     出張業務外の過ごし方について、4群(「巣篭り」「懇親のみ」「娯楽のみ」「懇親&娯楽」)で3つの出張機能(「新たな気づき」「前向きな態度変容」「偶発的なビジネス拡大」)の度合いを比較した。いずれも「巣籠り」群で最も低く、「懇親&娯楽」群で最も高い傾向。

<出張と出張先地域>

9.     出張に関する支出金額は、交通費や飲食・宿泊費、娯楽サービスなども含めた合計で62,216円。その内、自己負担の支出額は12,471円。

10.     出張者の出張先地域に対する貢献意識を確認した。地域の消費に貢献したい意識、ふるさと納税を利用したい意識、イベントやボランティア活動に参加したい意識のいずれも2割強が高まったと回答。

11.     出張先への訪問回数別に地域愛着の度合いを比較すると、1回目(今回の出張が初めて)→2回目→3回目との回数を重ねるごとに地域愛着は高くなるが、4回目以降で下がる傾向が見られる。

12.     出張先への訪問回数と地域愛着の関係性について、出張業務外の過ごし方別に比較した。「巣籠り」群では、回数によらず地域愛着の高まりは低い。「娯楽のみ」群と「懇親のみ」群では、4回目以降の下落幅が大きい。「懇親&娯楽」群では4回目以降の下落幅は比較的小さく、高い水準で推移している傾向。

■調査結果からの提言

企業など組織への示唆

出張は「現地・現物確認」「他者との信頼関係構築」など、業務を円滑に遂行するための重要な機会である。しかし、価値観の多様化やコロナ禍を経て、オンライン会議でも事足りると考える傾向も確認された。この傾向は特に若年層において顕著であった。

他方で、出張業務の成果とは目下の業務遂行だけにとどまらない。出張者は出張を通じて「新たな気づき」や「仕事への前向きな態度変容」、「偶発的なビジネス拡大」といった組織や個人にとっての副次的な意義を見出していた。とりわけ、「新たな気づき」は、移動中に行う学びの時間や、業務後に地域と関わる時間の中で生まれる可能性が示唆されている。

企業などの組織では今後、出張業務の目的や内容を機能面から再評価し、オンラインで代替可能な業務については積極的にオンライン会議を活用する方針が強化される動きは進むだろう。他方で、今回の調査結果にあるような副次的効果を含めて、出張機会を奨励する姿勢を維持することも重要と考える。

就業者が出張を肯定的に捉え、自身の学びや成長機会とするためにも適度な余白時間を大切にしたい。業務外に人との交流や娯楽を通じて、新たな気づきや仕事への前向きな姿勢(ワーク・エンゲイジメント)を促す効用が期待できるのであれば、出張中やその前後に休暇取得を許容(奨励)することも一案である。

また、出張とは、捉え方次第で職場内では得難い多様な学びを促進する越境的な学習機会ともなり得る。このため、出張後のリフレクションは重要である。上司との1on1や組織内で体験共有機会を設けるなど、個人の成長と組織全体のナレッジ向上を図ることを提案したい。

地方自治体関係者への示唆

関係人口創出政策において、来訪実態を把握し難い企業等の出張者は、これまで主たるターゲットとはなっていなかったかもしれない。しかし、オンライン会議が普及する今日、組織が出張経費を支出してまで地域を訪れる人物は、地域に新たな刺激を持ち込む可能性をも秘めている。

 

調査結果では、交通費を除き一時的な滞在費として平均34,284円(支出総額62,216円-交通費27,932円)を支出しており、出張を通じて地域における消費やふるさと納税、イベント参加などに対する意識が高まったと述べる出張者が2割弱確認された。さらに、出張者は業務終了後の飲食・娯楽を通して地域住民と交流することで、地域への愛着が高まることが示唆された。

ただし、地域への愛着は訪問3回目でピークとなり、この間に有効な地域とのつながりを結べなかった出張者の愛着は、その後薄れていく傾向が確認された。その際、地域とのつながりを媒介する《つなぎ役》の存在は重要であり、《つなぎ役》として期待される人物には、ほがらかな人柄、ないしはビジネスを促進し得る知見を有するなどの特徴が示唆された。

地域政策として、出張者向けの地域情報発信や地元消費を促進するキャンペーンを展開することは有効だろう。さらに、出張者が業務終了後に街に出るきっかけを作るにはどうすればよいかを考えてみたい。例えば、出張者が気軽に立ち寄れるコワーキングスペース等を活用し、ビジネスラウンジ的機能を付加することを提案したい。執務空間の提供のみならず、来訪者同士(出張者や地元企業)を自然に引き合わせたり、当日参加可能な地域イベントや人気の飲食店の紹介などを行うことも有効と考える。ただし、その場を機能させるには、先述の特徴を有する《つなぎ役》の存在がカギとなりそうだ。

上記は一案だが、地域ごとに様々な工夫の余地のある観点であろう。

本調査を引用いただく際は、出所として「パーソル総合研究所」と記載してください。

●調査結果の詳細については、下記URLをご覧ください。

 URL: https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/business-trip.html

●構成比の数値は、小数点以下第2位を四捨五入しているため、個々の集計値の合計は必ずしも100%とならない場合があります。

                                  
■調査概要

■【株式会社パーソル総合研究所】<https://rc.persol-group.co.jp/>について

パーソル総合研究所は、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、調査・研究、組織人事コンサルティング、人材開発・教育支援などを行っています。経営・人事の課題解決に資するよう、データに基づいた実証的な提言・ソリューションを提供し、人と組織の成長をサポートしています。

■【PERSOL(パーソル)】<https://www.persol-group.co.jp/>について

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。

人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」、BPOや設計・開発など、人と組織にかかわる多様な事業を展開するほか、新領域における事業の探索・創造にも取り組み、アセスメントリクルーティングプラットフォーム「ミイダス」や、スキマバイトアプリ「シェアフル」などのサービスも提供しています。

はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」 を実感できる社会を創造します。

 

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会社概要

株式会社パーソル総合研究所

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業種
情報通信
本社所在地
東京都港区南青山一丁目15番5号 パーソル南青山ビル
電話番号
-
代表者名
萱野博行
上場
未上場
資本金
1億円
設立
1989年09月