公共行動の科学『公共の利益を創造できるリーダー開発』発売

~旧制高校にみるリベラルアーツの習得環境の再現~

組織行動科学®︎

2026年10月26日 改訂|2021-08-05の発表をもとに、読者の仕事や暮らしでの使い方と、現在の公開コンテンツへの案内を充実しました。

自分の役割を果たす、その先にも人がいる

職場や地域で決定を進めるとき、自分の担当としては合理的でも、別の人には新しい負担が生まれることがあります。「この案で誰が何を担うのか」「その人はどう受け止めているのか」。決める前に、一人ひとりの仕事や暮らしまで想像する機会をつくれないでしょうか。

当社は2021年、「公共の利益を創造できるリーダー開発」の提供開始を発表しました。旧制高校や予備門の学びに着想を得て、書物に触れ、異なる考えの人と関わりながら、人が共に生きることを問い続ける経験を、既存のリーダー開発の実践をもとに組み込んだプログラムです。


約20年のリーダー開発を、公共の利益を考える経験へ

このプログラムは、当社が企業・組織のリーダーと実践を重ねてきた「需要創造リーダーの開発®」をベースにしています。2021年の発表時点では、同プログラムを約840社へ提供していました。その経験をもとに、公共の利益を創造できるリーダーの開発へ広げ、提供を開始しました。現在も、企業・組織の具体的な仕事を通じた実践と開発・提供を続けています。

約20年にわたってリーダー開発に関わる中で当社が大切だと考えるに至ったのは、目の前の処理能力に加え、「人が共に生きるとは何か」「この判断は誰の利益をつくるのか」を問い続けることです。旧制高校や予備門の学びに着目したのも、知識を増やすことと、人と関わる中で自分の判断をつくることを結びつけたかったためです。

次の世代を送り出せる社会にしたい

この開発の背景には、甲畑智康が現場で関わり続ける中で抱いてきた願いがあります。自分の子供が大人になるまでに、子供たちが暮らす組織や社会を少しでも善くしておきたい。そのために、目先を切り抜ける対応だけで終わらず、相手の問題を解き、その先にいる人の暮らしまで考えて行動するリーダーを育てたい。この願いを、公共の利益を考えるリーダー開発と、現在も続く実践の目的につなげています。

相手の問題を解くために、三つの点を確かめる

一つ目は、説明と実際の行動をそろえることです。いま伝えていることは事実と合っているか。率先して示した行動を続けているか。その場を収めるだけでなく、問題の解決まで進んでいるか。人に見られていない場面でも、相手に説明できる行動を選んでいるか。まず一件の仕事で、説明と実行を並べて確かめます。

二つ目は、難しい状況でも具体的な相手との関わりを続けることです。都合が悪いときも相手の前に立ち、提言には実現の見通しを添える。反論されたら一般論で終えず、その人の事情と問いに応える。問題が起きたときに責任を誰かへ集中させたり、有利な立場へ移るだけになったりしていないかを確かめ、自分が担うことを明らかにします。

三つ目は、説明や謝罪を、相手への対応と問題解決につなぐことです。相手にどんな迷惑や負担が生じたかを覚えておき、自分が引き受ける責任を確かめる。「科学的な事実はない」という言葉や、整った謝罪文だけで対応を終えず、相手に起きたことを具体的に確かめ、次に何を行うかを伝える。この三つは、原発表に挙げた13の行動上の問題を、読者が仕事で確かめ、前へ進むための問いにしたものです。

分業の先にいる、特定の相手を見失わない

組織が効率を求める中で分業が進み、目先の処理や対処を繰り返すことが習慣になる。その結果、仕事の先にいる特定の相手が見えにくくなり、相手の事情を想像する機会が減って、悪気なく自分たちの都合を押し付けてしまう。この連なりを、原発表は現場での問題として取り上げました。処理を正確に速く進める力は必要です。その力を、誰のどの問題を解くために使うかを見失わないことが、リーダーの役割だと考えています。

原発表では、当時の現場で関わってきたオペレーターの「9割以上」に、処理・対処が常識となり、相手のことを想像しないまま自分たちの都合を押し付けても、違和感が起こらない状況を見ていたと記しています。当時の関わりの中で捉えた状態として、対象と時期を分けて伝えます。

組織は、誰か特定の相手の問題を解決するためにある。だからこそ、分業された担当の範囲だけで判断せず、相手の仕事や暮らしを想像し、問い続ける教養のあるリーダーが必要になる。この考えを、現在も実践と開発・提供につなげています。

リクエスト株式会社 代表取締役
甲畑智康

実践を、研究の知見と照らして考える

GrantとBerry(2011)は、職場の調査と実験から、仕事への関心、他者に役立ちたい動機、他者の視点と創造性の評価との関係を検討しています。公共の利益を考える当社の実践では、「誰のどんな暮らしや仕事を良くするのか」を、自分の経験と結びつけて考えます。知識を学ぶことと、実際の相手に関わることを行き来する際の、別の研究分野からの参考になります。

Grant & Berry(2011)の原典

知識を、いま出会っている問題と行き来させる

原発表が着目したのは、旧制高校・予備門で、外国語による専門課程へ進むために、哲学・文学・歴史を読み、言葉を調べて文脈を理解していく学びでした。英語・ドイツ語・フランス語を身に付けるという目的の過程で、時間をかけて人間の生き方や時代背景を考える。その非効率にも見える経験から、相手の立場で考える習慣や大局観が育つという着想です。

原文は、その学びの環境を同世代の「1%未満」、期間を「3年間」と記し、現在の高校3年・浪人1年・大学教養課程1年に重ねて説明しました。ここでは原発表の歴史への着想として示し、今回あらためて検証した教育史上の統計としては扱いません。

また原発表では、旧制高校出身者の全員が同じ教養を備えたわけではないとの留保を置き、リーダーの違いについて「2:6:2(現実は1:8:1)」という比率にも言及しました。これは当時の比較の見立てであり、測定対象や方法が示された効果データではありません。大切にしたのは、知識や思想だけで止まらず、実際に人と関わり、自分を押し殺さず相手を傷つけずに共働する経験を通じて、自分の判断の軸をつくることでした。

哲学や文学、歴史に触れることを、知識を披露する準備にとどめず、目の前の一件の見方を広げる機会として扱います。同じ出来事について、どの立場から見ているか、何を大切にしているかを話すと、自分の案で見落としていた影響を考えられます。

結論を急ぐ前に、相手が経験していることを聞く。自分たちの想定を言葉や図で示す。まだ分からないことを残し、試す範囲を相談する。本稿では、こうした経験と学びをつなぐことを提案しています。

身近な暮らしの違いから、対話を考える

「公共行動研究室®」では、家庭・学校・地域の場面から、相手の事情と自分の事情を確かめ、安心して関われる条件を考える材料を公開しています。近い一場面を読むところから、「相手のことを考える」を何に目を向けることなのかへ具体化できます。

いまの問いを、別の見方から考えたいときに

「アート思考」のページには、提案資料を直す説明例があります。完成前の案を相手と見たことで、「説明をどう直すか」から「誰が何を担えば動き出せるか」へ問いが加わります。自分の仕事にも、最初の問いの外にある事情がないか、比較しながら読めます。

人と共に生きる問いを、実践へつなぐ

旧制高校の学びから現在のリーダー開発への接続は、当社による着想と実践提案です。人と関わる実践と、自分の判断の軸を育てる学びをつなぐ参考として紹介しています。いま関わっている相手と、その先にいる人の暮らしを考える問いとしてお使いください。

原点と実践から考える資料(8ページ)

実践資料の1ページ目の見本(全8ページ)

約20年のリーダー開発の原点、甲畑智康の願いと署名、当時の現場での観察、三つの観点と13項目を8ページにまとめました。相手の仕事や暮らしへの影響を確かめ、書物からの学びと実際の判断を行き来するための資料です。

原点と実践から考える資料を読む・保存する(8ページ)

関連する実践・開発

公共行動の科学『Behavior Based Public Policy』開始

発表時の会社紹介


【会社概要】
社名: リクエスト株式会社 URL:https://requestgroup.jp
代表者: 代表取締役 甲畑智康 URL:https://requestgroup.jp/profile


著書:「教える技術 外国人と働く編(かんき出版)」
「現場を上手にまとめる介護リーダーの8つの技術(中央法規出版)」など

【研究機関】
ABA(応用行動分析学)オペレーションズ研究センター
(ABA Operations Research®)
スマートクリエイティブマネジメント総合研究所
(smart creative management®)
公共行動研究室
(Behavior Based Public Policy)

【担当】:末光
e-mail: request@requestgroup.jp
問合フォーム: https://requestgroup.jp/request

リクエスト株式会社について(2026年10月時点)

リクエスト株式会社は、980社・33.8万人の働く人のデータを研究・教育開発の基盤に、組織行動科学®の知を仕事で使える形にしています。「成果につながる方法を、本人が使える仕事へ。」を軸に、図解資料と実践室を公開しています。

会社名:リクエスト株式会社
代表者:代表取締役 甲畑 智康(こうばた ともやす)
本社:東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F

会社公式サイト

本件に関するお問い合わせ

資料の内容、自社の仕事や暮らしでの活用、取材についてのお問い合わせをお受けしています。気になっている一場面からご相談ください。

リクエスト株式会社
メール:request@requestgroup.jp

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会社概要

URL
https://requestgroup.jp
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F
電話番号
090-4183-2525
代表者名
甲畑智康
上場
未上場
資本金
-
設立
2020年10月