「2025年 シチズン・オブ・ザ・イヤー®」受賞者決定
~市⺠社会に感動を与えた良き市⺠3組を表彰~
シチズン時計株式会社(本社:東京都西東京市、社長:大治良高)は、本年1月5日に選考委員会を開き、「2025年 シチズン・オブ・ザ・イヤー®」受賞者を下記のとおり決定しました。
この賞は、市民社会に感動を与えた良き市民を1年単位で選び顕彰するもので、当社が1990年から主催し、本年で36回目となります。
各受賞者には、副賞として賞金100万円と時計が贈られます。

2025年 シチズン・オブ・ザ・イヤー®受賞者
▽ 置田和永(おきたかずなが)さん 75歳、起美(きよみ)さん 67歳 岐阜県岐阜市
ミャンマーの若者たちに、日本語教育をはじめ留学や就労支援を続け、ミャンマーの未来の平和を願う

▽ 食事サービス ふたばの会 宮城県仙台市
30年にわたり、真心こもる手作り弁当を届けるとともに、日々の見守りによって地域の高齢者の暮らしを支える

▽ NPO法人こどもサポートステーション・たねとしずく 兵庫県西宮市
社会から孤立しやすいひとり親家庭や困窮世帯の親子の支援をするとともに、地域の子どもたちが安心して過ごせる居場所を提供している

〔順不同〕
置田和永さん・起美さん

■行為
岐阜市在住の置田和永さん(75歳)、起美さん(67歳)夫妻は、ミャンマーから来日する若者を支援するボランティアに奔走している。日本語やパソコンを教えたり、留学、就労支援など、個人の力でできることを地道に続け、来日した若者からは「先生」と呼ばれ慕われている。
置田夫妻とミャンマーとのつながりは、2012年に始まる。岐阜県内で小中学校の教師をしていた和永さんは定年退職後、文部科学省のシニア派遣制度に応募し、ヤンゴン日本人学校の校長に就任。起美さんも同行した。夫妻は現地でボランティアとして日本語を教えていたが、熱心な若者が多かったことから、起美さんはミャンマーに進出する日本企業への就職につながる学びの場として、日本語学校、パソコン教室の「MJBD(Myanmar Japan Business Development)」を立ち上げた。最初は自宅の一部を教室としていたが、「学びたい」と集まる若者が後を絶たず、やがて広いスペースを借りて授業を行うほどになった。その間、ミャンマーの経済も発展し、多くの若者が現地の日本企業に就職した。
2015年、和永さんは任期が終了し帰国するが、起美さんはそのままヤンゴンに残り活動を継続。しかし、コロナ禍で状況は一変し、2020年帰国を余儀なくされる。翌年にはクーデターが起こり、日本企業も撤退、起美さんも再びミャンマーへ戻ることが困難となったため、活動の中心を「日本での留学・就労支援」へと切り替えた。
現在は、ミャンマーにある送り出し機関※や現地スタッフと連携し、日本での進学・就労につながる支援を行っている。ミャンマーでは自分たちの将来を真剣に考えて海外に目を向ける若者が少なくない。そんな若者たちにとって日本での生活は人生の選択肢のひとつになっている。置田夫妻の下には「日本に行きたい」という若者からの相談が絶えない。
※日本で働きたい外国人を募集・選抜して送り出す機関
主に和永さんが日本語を教え、起美さんが事務や渉外をこなす。活動の柱は、日本語教育、学生向け進路相談、就労支援、住まいの手配など多岐にわたる。ミャンマーからは大学留学や就労を目的に若者たちが来日する。夫妻が支援した若者は、開始以来累計で100人を超える。
日本語教育の授業は、ミャンマーにいる若者に向けてオンラインで行い、毎回約15人が受講。中級レベルの教材を使い、毎週火、水、日曜の午後8時30分から2時間行うほか、木曜には、介護施設で使用する日本語を教える。就労支援では若者の働き口の確保するため、個人的な人脈を生かして奔走し、介護や建築・土木、養鶏などの企業に結びつけてきた。その実績は岐阜県内を中心に京都府、石川県など広範囲にわたる。ミャンマーは年長者を大切にする文化があり、親切に対応する姿勢は、人手不足が社会問題となっている介護の現場で高く評価されており、資格を取得して介護に携わる若者も多い。
置田夫妻は若者たちが住めるように自宅近くの住宅を購入し、部屋を提供。さらに、岐阜県内に住むミャンマーの若者たちへ月1回食糧を届けたり、自宅に招いて料理を振る舞ったりもしている。
先日、「先生への感謝の気持ちは一生忘れません」というメールを受けた起美さん。彼、彼女らの笑顔を見るたびに「この活動をしていてよかった」と感じる。平和を願い、2016年には太平洋戦争の犠牲者を慰霊し、ミャンマーとタイに「世界平和の塔」を建立した和永さん。「今日本にいる若者たちも10年、20年後にはミャンマーに戻る。そのときは力を合わせて平和な国にしてほしい」と願う。
■表彰理由
外国人への関心が高まる中、政情不安定なミャンマーの若者を抽象的な「外国人」ではなく、身近な隣人として支援しているのは素晴らしい。地元で草の根的に支援を続け、人として向き合う姿勢は、多様性への理解を広げる力がある。また、ミャンマーの人々が介護など日本社会を支えている現状を踏まえると、彼らの努力を後押しする取り組みとしても意義が大きく、評価できる。
■受賞コメント
私が60歳になり教員退職後、第二の人生をどう生きたらいいか考えた時、亡き父「久平」が私を「和永」と名付け、二人合わせると「永久平和」となることから「世界平和に貢献する」ことにしました。
そして3年間、ミャンマーのヤンゴン日本人学校の校長職を文科省から依頼され、その後内戦に至ってしまった「ミャンマーの平和支援」に決めました。今回その私たち夫婦の老後の生き方をシチズン時計株式会社様が認めて下さり、とても有難く心から感謝申し上げます。
■連絡先
E-mail:sensei.mjbd@gmail.com(置田起美さん)
食事サービス ふたばの会

■行為
宮城県仙台市太白区の八木山地区は、急峻な坂道が続く仙台有数の住宅地である。高度経済成長期に整備されたこの地では、進学や就職を機に子どもたちが地域を離れ、次第に親世代だけが取り残されていった。「このままでは高齢化が進み、ひとりぼっちが増えてしまう」。前代表・市橋章子さん(85)を中心とした当時50代の主婦たちの、そんな危機感が活動の原点だった。
当初は月に一度「お茶のみ」を楽しむ場づくりから始まったが、仙台市が高齢者向け配食サービスを公募していることを知り、一念発起。市から借りた空き家を拠点に、1995年9月「ふたばの会」を設立し、手作りのお弁当を届ける活動を始めた。最初は週1回、10食程度を歩いて届ける小さな取り組みだったが、「うちにも欲しい」という声が相次ぎ活動は急速に拡大。6年目には週6回体制となり、30年間で累計45万食を届け続けてきた。現在は、月・水・金の昼食と火・木の夕食を配達しており、65歳以上の補助金対象者は1食550円※で利用できる。
※利用者負担額。別途、市からの助成金が運営を支えている
最大の特長は、主婦が家で作る料理の延長線上にある「家庭の味」だ。農家から毎週仕入れる精米したての米をガス釜で炊き上げ、添加物や農薬に配慮した食材を厳選。冬至にはかぼちゃなど旬の彩りを献立に反映したやさしい味わいは、「味のふたば」として親しまれてきた。お弁当は色とりどりの風呂敷に包み、開く瞬間のワクワク感も一緒に届ける。ドライバーとともに、作った本人が直接手渡し、玄関先で交わす会話は、高齢者の安否確認の役割を果たすと同時に、利用者とスタッフ双方の心の栄養となっている。
30年の歩みは決して平坦ではなかった。介護保険制度導入時には「ボランティアの配食は不要」と告げられたが、利用者の強い支持によって継続できた。2011年の東日本大震災では断水・停電に見舞われながらも、雪の中を山の下まで水を汲みに行き、震災直後の月曜日には活動を再開した。近年のコロナ禍でも歩みを止めず、どんな時でも「必ず届く」という姿勢が、地域からの揺るぎない信頼へとつながっていった。
しかし、30年という長年の活動によりメンバーの多くが80代を超え、市橋さんは2024年7月、「翌年3月で活動終了」という苦渋の決断を下した。そんな窮地を救ったのが、人手不足の知らせを目にしてボランティアに参加した看護師の小川彩乃さん(36)だった。小川さんは、人生の先輩たちが生き生きと働く姿に心を動かされ、「この場所を絶対になくしてはいけない。30年続いたこの会の存続が自分にかかっているのなら続けよう」と継承を決意した。
2025年4月、小川さんが新代表に就任し、ふたばの会は新たな一歩を踏み出した。「家庭の味」の伝統を守りながら、調理工程の効率化を進め、スタッフが無理なく続けられる体制を整備。さらに医療・福祉の知見を活かし、きざみ食やあんかけなどの特別食への対応も始めた。今後は子育て家庭など、あらゆる世代の“食の困りごと”に寄り添う活動にも視野を広げていく。拠点では多世代が交流できるサロン活動も始まり、地域のつながりを育む場としても機能し始めている。
「住み慣れた地域で暮らし続けることができるように」という主婦たちの願いから始まった活動は、“食”を通して“見守り”と“つながり”を生み出してきた。その歩みは次世代へと確かに受け継がれ、これからも八木山の暮らしを温かく支え続けていく。
■表彰理由
30年以上にわたり手作り弁当を届け続けてきた活動に深い感銘を受けた。孤独死が社会問題となる中、高齢者に温かい食事を届けることは、栄養の提供にとどまらず、「あなたを見ている」という存在の肯定となり、人と人を結ぶ力を持つ。本来は社会が担うべき役割を補い続けてきたその尊い営みが、いつか不要になる未来を願い、その価値を後押ししたい。また、多くの団体が担い手不足で活動を終える中、その志が若い世代へと確かに引き継がれた点も高く評価し、今回の受賞とした。
■受賞コメント
30年前に高齢になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるように会を立ち上げ、お弁当作りを始めました。主婦たちの作るお弁当は評判が良く、点から面に広がり、作る人もボランティアで参加してくれました。作り手が高齢になり、閉会寸前のところで、在宅医療福祉に関わってきた専門職のメンバーが引き継ぎ、また新たなふたばの会として生まれ変わっています。これから先も長く地域を支える温かいふたばの会であり続けたいと思っています。
■連絡先
食事サービス ふたばの会(宮城県仙台市太白区若葉町20-7)
Instagram:https://www.instagram.com/hutaba1995?igsh=MXhhbm1qMTRrNHd3aQ%3D%3D
NPO法人こどもサポートステーション・たねとしずく

■行為
経済的に厳しい状況にある母親のみのひとり親家庭の子どもたちの中には、親が仕事で甘えたい時期に甘えることができなかったり、学習機会が不足したりするなど、さらに複雑な困難を抱えている子どもたちがいる。その辛さは表面から見えにくく、誰にも相談できずにいる。そんな子どもたちやひとり親家庭に寄り添い支援している兵庫県西宮市のNPO法人「こどもサポートステーション・たねとしずく」(以下、たねとしずく)は、代表理事の大和陽子さんが中心となり、2022年7月に設立した団体だ。
活動のきっかけは2015年、大和さんが女性の自立を目指す団体「a little」を設立したことだ。有料で産前産後の家事支援を行う中で、母親たちの状況を把握すると同時に、孤立し困難から抜け出せない「ひとり親家庭」の存在を知る。生まれた環境に左右され、心に傷を負いながらも健気に生きる子どもたちの姿を目の当たりにして、有料では本来支援を必要とするひとり親に届いていないという問題意識を持ち始め、助成金で困窮世帯に届く無料の訪問支援を開始。
そこで、「a little」の訪問支援チームと独立し「たねとしずく」を設立。成長する「たね(人)」に「しずく」のような存在でありたいと命名した。現在、スタッフ10名、大人ボランティア10名、学生ボランティア14名が、①ひとり親、困窮世帯対象の訪問支援、②10代の若者を中心とした子どもの居場所支援、③地域支援をする人を増やし連携するための支援者支援、を中心に活動している。
訪問支援では問題解決を目指し、毎月1回2時間、スタッフ2名で家事や子育てを一緒にする伴走支援を行う。1名が親と家事をしている間、もう1名が子どもの世話をし、ここで親や子どもの本音を聞く。訪問支援はこれまで西宮市内の50世帯を対象に行ってきた。現在は17世帯を支援する。年間10~12回の訪問を行い、それでも解決が見えない場合は行政につなぐ。他に月1回食料支援のパントリーも行っている。ここではスタッフが生活の変化を確認したり、ひとり親同士が交流できたり、問題解決の一助になっている。
子どもの居場所支援では、2023年8月、子どもたちが自分のやりたいことを見つけ、行動できるようになる場所を目指し「たねとしずくライブラリー」を開設。安心して遊びや学習、読書ができる空間を提供し、学生ボランティアが子どもたちの年齢や状況に応じて遊び相手や、学習補助を行い、共に時間を過ごす。ここで子どもたちは家庭で話せないことを自然に話し始め、心を開くようになる。昼間は不登校の子どもや幼児の居場所としても機能し、様々な環境の子どもたちが集まる場となっている。また、支援者が寄付しお薦めの本を貸し出す「一箱本棚」や、中高生を対象にした学習スペース、夕食の提供もあり好評だ。同ライブラリーは月平均約130人が利用している。
大和さんは「ひとり親家庭を知れば知るほど大変な状況だ。自分たちの団体だけではどうにもならない」との課題を感じ、支援者や団体を増やす活動にも動き出した。以前関わった子どもたちが「自分の状況や気持ちを言え、自分の望みを誰かに伝えられるようになったときに活動を続けてきてよかった」と言う。「子どもたちが生まれ育った環境に左右されず、自分の人生を選べる社会を作っていきたい」と力を込める。
■表彰理由
ひとり親や困窮家庭が孤立し、行政だけでは支えきれない中で、家庭に寄り添い、家事や子育てをともに行う重要な役割を果たしている。子どもの居場所づくりや児童相談所との連携も優れ、全国に広がってほしい取り組みだと感じた。設立間もないNPOでありながら活動を次々と形にする行動力と、団体名に込められた慈しみの心にも強い信頼を抱いた。地域や関係機関と連携し、未来へつなぐ尊い活動として高く評価した。
■受賞コメント
しんどい状況にあるひとり親家庭の親子の支援を始めましたが、その中でひとり親家庭だけでなく多くのこどもたちが不安や孤独を抱えて懸命に生きていることを知りました。こどもたちの「こどもらしさ」を取り戻したい、親子の生活安定の力になりたいとの思いで続けてきた小さな歩みに対して賞をいただき光栄です。支えてくださった市民(=シチズン)の皆さまと共に、これからも力を合わせて活動を続けていきます。
■連絡先
選考方法について
2025年1月から12月までに発行された日刊紙(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞、産経新聞の東京および大阪本社版、北海道新聞、河北新報、東京新聞、中日新聞、西日本新聞)の記事の中から、シチズン・オブ・ザ・イヤー事務局が候補として19人(グループ)をノミネート。2026年1月5日に開かれた選考委員会で候補者を対象に審議し、決定しました。
〔選考委員会〕

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委員長 |
武内陶子 (フリーアナウンサー、元NHKアナウンサー) |
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委員 |
石川淳一 (毎日新聞社 社会部長) |
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延与光貞 (朝日新聞社 社会部長) |
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尾崎 実 (日本経済新聞社 社会部長) |
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酒井 潤 (産経新聞社 社会部長) |
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サヘル・ローズ (俳優、人権活動家) |
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竹原 興 (読売新聞社 編集局局次長 兼 社会部長) |
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益子直美 (スポーツコメンテーター) |
※敬称略・五十音順
シチズン・オブ・ザ・イヤー® について
日本人および日本に在住する外国人の中から、市民社会に感動を与えた、あるいは市民社会の発展や幸せ・魅力作りに貢献した市民(個人もしくは団体)を1年単位で選び、顕彰する制度。
市民主役の時代といわれる中にあって、広い視野から市民を顕彰する賞がほとんど見られなかったことから、社名に“CITIZEN(市民)”を掲げるシチズン時計が1990年に創設したものです。
略称「シチズン賞」。
「シチズン・オブ・ザ・イヤー®」ウェブサイト https://www.citizen.co.jp/coy/index.html
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