氏家物産、クリエイティブの「スキル化」を始動。人の感覚とセンスを、AIが扱える「創作知」へ
──記事・ビジュアル・動画制作を実運用へ。再現できる領域と、まだ人に残る領域、その境界を探る

氏家物産株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:氏家 聡史、以下、氏家物産)は、記事制作、ビジュアル表現、動画制作など、これまで人の経験や感覚に委ねられてきたクリエイティブの判断を、AIが再現可能な「スキル」として構造化する取り組みを開始しました。
どの情報を残すのか。
何を象徴として取り出すのか。
どこに余白をつくるのか。
どの表現が、そのブランドにふさわしいのか。
クリエイティブには、完成したアウトプットに至るまで、人が経験のなかで培ってきた無数の判断があります。
氏家物産が今回スキル化しようとしているのは、制作工程そのものに加え、その背景にある感覚やセンス、コンテクストまでを含めた「創作知」です。
現在、実案件における100本規模の記事制作をはじめ、アイキャッチや本文中ビジュアル、YouTube動画へと対象を広げ、実際のアウトプットを通じた検証を進めています。
同時に、実運用だからこそ見えてきた課題もあります。
人が持つコンテクストを、AIはどこまで理解できるのか。
映像に必要な情景や感情、空気感まで共有できるのか。
そして、AI検索時代に本当に価値を持つコンテンツとは何なのか。
クリエイティブを「つくる」から、その判断そのものを「スキル」にする時代へ。
氏家物産は、人とAIによる新たなクリエイティブプロセスの構築を進めていきます。
■ クリエイティブは、どこまで「スキル」にできるのか
文章を書く。画像をつくる。映像を生成する。
AIによって、アウトプットそのものを生み出すことは急速に容易になっています。
しかし、クリエイティブの現場に存在するのは、制作作業だけではありません。
文章であれば、どの情報を重要と捉え、どこまで専門性を残すのか。
ビジュアルであれば、内容をどう解釈し、何を象徴として取り出し、どの構図やトーンで見せるのか。
映像であれば、どこで寄り、どこで引くのか。どんな光や色、間によって、その場面の感情を伝えるのか。その一つひとつには、人がこれまでの経験から獲得してきた判断や感覚があります。
氏家物産では、こうした目に見えにくい創作知を紐解き、AIが扱える「スキル」として構造化する取り組みを進めています。単に制作手順を再現するのではなく、「なぜ、そうするのか」という判断の背景までを捉えていく。
人の感覚やセンスを、再現可能な創作知へ。
そこから、氏家物産のクリエイティブのスキル化は始まっています。

■ 100本規模の実運用。ひとつの型ではなく、表現のバリエーションまで
現在、氏家物産では実案件において数百本規模の記事コンテンツ制作を行い、記事構成、情報整理、編集から、アイキャッチ、本文中ビジュアルまでを横断したスキル化を進めています。
そこで重視したのが、ひとつのフォーマットを繰り返し生成することではなく、コンテンツの内容に応じて表現そのものを変化させることでした。
写真を主体にするのか。
タイポグラフィで見せるのか。
図解として整理するのか。
余白を活かし、情報を絞るのか。
同じブランドのコンテンツであっても、記事のテーマや伝えるべき情報によって、ふさわしい見せ方は変わります。記事全体の意味を読み取り、何を視覚化すべきかを判断する。そのうえで、一定のブランド品質を保ちながら、異なるクリエイティブへと展開する。
実運用を重ねるなかで、こうした表現のバリエーションを含む制作プロセスについても、スキルとして再現できる領域が広がり始めています。
■ 言葉から、情景へ。動画制作のスキル化も始動
スキル化の対象は、静止画から動画へと広がっています。
氏家物産では現在、YouTube動画についても、記事や原稿を起点とした構成設計から、映像表現までをつなぐスキル化を進め、実際のアウトプットを開始しています。
動画では、文章や静止画以上に、言葉になっていない情報を扱います。
人物がどこにいるのか。
どんな光が差しているのか。
カメラはどの距離からその人物を見るのか。
どのくらいの時間、その情景を見せるのか。
その場面には、どんな感情が流れているのか。
文章に書かれた情報を映像へ置き換えるだけでは、その情景が持つ意味までは伝わりません。
構成、画角、色調、テンポ、間、そして空気感。
人が映像をつくるときに無意識に行ってきた判断を紐解き、「映像をどうつくるか」だけではなく、「その情景をどう見るか」という感覚まで共有する。
動画制作では、さらに複雑なクリエイティブのスキル化が始まっています。

■ 100本つくれることと、100本が「価値を持つ」ことは違う
実運用によって再現できる領域が広がる一方で、課題も明確になっています。
そのひとつが、AIO(AI Optimization)です。
100本の記事を制作できることと、その100本がAI検索時代に価値ある情報として認識されることは、同じではありません。
どのような情報構造がAIから参照されるのか。
企業や専門家が持つ一次情報や専門知を、どのようにコンテンツへ組み込むのか。
そして、その人にしか語れない経験や背景、言葉の行間にあるコンテクストを、どこまでAIに伝えられるのか。量をつくる技術が整い始めたからこそ、次に問われるのは「何をつくるのか」というコンテンツそのものの価値です。
氏家物産では、制作本数や効率だけを指標とせず、AIOを含め、コンテンツが社会のなかでどのように発見され、参照され、意味を持つのかについても検証を続けていきます。
■ スキルをつくるために、まだ人の力が必要な理由
現在のスキル化には、もうひとつ大きな課題があります。
それは、元となる「スキル」そのものをつくるために、現時点ではまだ大きな人の介在が必要であることです。
何を重要と判断するのか。
何を美しいと感じるのか。
どこまでをルールとして定義し、どこに自由度を残すのか。
ブランドとして、何を「良い」とするのか。
これまで感覚的に行われてきた判断をAIへ渡すためには、まず人間自身が、自分たちの中にある創作知を紐解かなければなりません。
スキル化とは、AIに答えを覚えさせることではなく、人が無意識に行ってきた判断の構造を発見することでもあります。そのプロセスには、まだ時間も人の力も必要です。
一方で、AIがこうした判断構造そのものを理解し、新しいスキルをより短時間で構築できる領域は、今後急速に広がっていくと氏家物産では考えています。
現在、大きな人力を必要としている「スキルをつくる」という工程そのものも、次のスキル化の対象になっていきます。
■ 人のクリエイティビティを、その先へ
氏家物産ではこれまで、AIによって制作工程を再配分し、人がより上流の判断や「クリエイティブジャンプ」に集中できる制作体制を模索してきました。今回のスキル化は、その先にある取り組みです。
作業だけではなく、判断へ。
判断から、感覚へ。
そして、感覚からセンスやコンテクストへ。
人の中に蓄積されてきたものを紐解き、共有可能な創作知へ変えていくことで、AIが担える領域はさらに広がっていきます。
同時に、人にはその先にある問いを見つけ、新しい意味を発見し、これまで存在しなかった価値を構想する余白が生まれていく。
何をつくるか。
どうつくるか。
そして、なぜそれをつくるのか。
氏家物産は、人が持つ感覚やセンスを起点に、AIとともにクリエイティブそのものの可能性を拡張する、新たな制作環境を構築していきます。

氏家物産株式会社(UJIIE BUSSAN CO.LTD.)
代表取締役社長 氏家 聡史
ブランディング全般、コミュニケーション施策のプランニングおよび実施
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