―「肥満症」の正しい理解促進プログラム「肥満と肥満症のただしいミカタ研修」―「肥満症」の“みえない偏見や要因”を知るゲーム型研修ツール「みえない偏見カード」「みえない要因すごろく」を無料公開

~「肥満と肥満症のただしいミカタ研修」を初めて一般企業とともに開催~

田辺ファーマ株式会社

日本イーライリリー株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:シモーネ・トムセン、以下、日本イーライリリー)と田辺ファーマ株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役CEO:原田 明久、以下、田辺ファーマ)は、「肥満症」の疾患啓発プロジェクトの一環として開発した体験型研修プログラム「肥満と肥満症のただしいミカタ研修」において、新たなゲーム型疾患啓発ツールとして、改訂版「みえない偏見カード」および「みえない要因すごろく」を開発しました。両社は、誰もが楽しく肥満症について学べるよう、本プログラムのWEBサイト(https://www.lilly.com/jp/news/stories/obesity-tadashii-mikata)において、両ツールを無料ダウンロード可能な形式で公開したことをお知らせします。

「みえない偏見カード」                          「みえない要因すごろく」

両ツールは、肥満症に潜む見えにくい課題への気づきや理解を促すことを目的に、医師監修のもと開発されたゲーム型の疾患啓発ツールです。参加者は、ゲームを囲んで意見を交わしながら、社会に根付く“肥満=自己管理の問題”という思い込みの存在に気づくことができます。また、ストレスや遺伝、社会環境など、肥満や肥満症の背景にある本人の努力だけでは解決が難しい多様な要因とその“見えにくさ”について知り、楽しみながら理解を深められるよう工夫されています。WEBサイトからは、使用説明書や進行スライドなど、ワークショップの実施に必要なすべての資材を無料でダウンロードしていただけます。

また、ツール公開にあわせ、12月10日(水)には、一般企業向けに初めて「肥満と肥満症のただしいミカタ研修」を開催しました。健康経営やウェルビーイングを推進する企業の人事担当者や保健師、社員など計11社32名が参加し、体験型ワークショップと専門医による疾患解説を通じて、肥満症に対する正しい理解を深める場となりました。

参加者が「みえない偏見カード」や「みえない要因すごろく」でワークショップをする様子

「肥満と肥満症のただしいミカタ研修」プログラム開発の背景と目的

「肥満」は脂肪が過剰に蓄積し、BMI25以上を示す状態を指します。日本では、成人男性の約3人に1人、成人女性の約5人に1人が「肥満」に該当し、特に男性ではその割合が増加しています1。一方「肥満症」は、肥満があり、かつ肥満に関連する健康障害を合併するか、そのリスクが高い状態を指し、医学的治療が必要な疾患として扱われています。「肥満症」は、様々な疾患・健康障害を引き起こしたり、悪化させたりすることにより、QOL(生活の質)の低下を引き起こします。

肥満や、肥満症の発症には、遺伝・体質的要因、ストレスなどの心理的要因、勤務形態などの社会環境的要因などが複雑に関与しており、決して個人の生活習慣のみに起因するものではありません。しかし、現状では、生活習慣ばかりが過度に注目され、「肥満は自己管理の問題」と受け取られがちです。このような一面的な認識は「肥満者は自己管理能力が低い」といった偏見にも繋がります。またそういった、肥満や肥満症に対する誤解や偏見は「オベシティ・スティグマ」と呼ばれ、肥満を持つ人自身が、「自己管理の問題なので医療を受ける必要は無い」という認識を持つことにより、必要な治療の妨げとなっている可能性があります2。肥満症への正しい理解を促し、肥満症を持つ人が必要な治療を適切に受けられる環境を構築するためには、社会全体が肥満や肥満症に対する誤った見方を変えていく必要があります。

こうした背景から、日本イーライリリーと田辺ファーマは、まずは職場など身近な環境から肥満症に対する理解を深めてもらうことを目的に、「肥満と肥満症のただしいミカタ研修」を開発しました。2025年3月4日の世界肥満デーに本プログラムによる研修を初めて実施して以来、職場内の意識変化と支援の基盤づくりを進めてきました。今回、初めて複数の一般企業との連携による開催が実現し、肥満症への正しい理解を企業の内にとどめず、社会全体へと広げていく重要な第一歩となりました。

日本イーライリリーと田辺ファーマは、肥満症を持つ人やその周囲の人が、肥満や肥満症に対する“ただしいミカタ(見方)”を理解し、肥満や肥満症を持つ人の“ミカタ(味方)”となることで、誰もが自分らしくいきいきと活躍できる職場が形成されていくことを願っています。今後も、WEBサイトでのツールの無料公開や他企業とのコラボレーションイベントの開催などを通し、本プログラムの内容を企業の職場や地域、コミュニティ、そして社会全体に広く提供していきます。これにより、肥満症に対する理解の輪をさらに広げ、より健康的な社会の実現に貢献していきます。

 「肥満と肥満症のただしいミカタ研修」 概要 

身近なコミュニティである「職場」から、肥満の誤解や偏見を解消し、「肥満症」という疾患への正しい理解を社会に広げていくための体験型研修プログラム

ゲーム型疾患啓発ツールで「楽しく」学べるワークショップと、「ただしく」学べる医師の疾患解説で構成

本プログラムは、ゲーム型のツールを使って肥満症の課題を「楽しく」学べるワークショップと、「ただしく」学べる肥満症に詳しい医師による疾患解説で構成されています。前半のワークショップでは、医師監修のもと両社が開発した「みえない偏見カード」と「みえない要因すごろく」を使います。参加者同士が卓上ゲームを囲み意見を交わしながら、肥満や肥満症に関する誤解や偏見の存在に気づき、多様な要因について知り、“楽しく”理解できるよう工夫されています。後半の解説パートでは、肥満症に詳しい医師による講義で「肥満症」についてわかりやすく解説してもらい肥満症という疾患についてより深く、「ただしく」学ぶことができます。

「みえない偏見カード」とは? ~肥満や肥満症に対する“無意識の偏見“に気づこう~

日常に潜む「肥満は自己管理の問題」という無意識の誤解や偏見に気づくための対話型カードゲームです。身近なシチュエーションを題材に、普段は気づきにくい偏見の存在を可視化し、参加者同士で「楽しく」意見を交わしながら肥満症についての気づきを得、理解を深めます。

<偏見カード>                                 <共感する・しないカード>

「みえない要因すごろく」とは?~肥満と肥満症には“多様な要因”があることを知ろう~

すごろくを進めながら、「みえない要因カード」を4種類(身体的要因、心理的要因、環境要因、社会的要因)揃えてゴールを目指すボードゲームです。カードを集めながら、肥満や肥満症には自分だけでは解決できない複合的な要因があることを理解できる仕組みになっています。

<プレイボード>
<キャラクターカード>
<みえない要因カード>

●  本プログラムの監修医:

小川 渉 先生

神戸大学大学院医学研究科 橋渡し科学分野 代謝疾患部門 特命教授

一般社団法人日本肥満学会 常務理事


「肥満と肥満症のただしいミカタ研修」公式WEBサイト

https://www.lilly.com/jp/news/stories/obesity-tadashii-mikata

当プログラムを紹介するWEBサイトでは、肥満症に関する基本情報を紹介するとともに、「みえない偏見カード」、「みえない要因すごろく」およびそれらの使用説明書やワークショップの進行スライド等、必要なものをすべて掲載しており、無料でダウンロードいただくことが可能です。また、肥満症当事者の方が抱えているスティグマや周囲から向けられる偏見の苦悩について、当事者のリアルな声を通して知ることができるショートムービーも公開しています。


<参考プレスリリース:2025年3月4日発表>

- 3 月 4 日は「世界肥満デー」 - 「肥満症」の正しい理解促進プロジェクト「肥満と肥満症のただしいミカタ研修」 始動     https://news.lilly.co.jp/PDFFiles/2020/20-50_co.jp.pdf

肥満症の疾患啓発活動について

日本イーライリリーと田辺ファーマは、肥満症に対する理解促進を目的とした疾患啓発活動を行っています。本活動は、肥満症のある人やその周囲の人々を含めた社会の、肥満症に対する正しい理解の輪を広げることで、肥満症のある人が生き生きと活躍できる健康的な社会の創造を目指す取り組みです。特定の医薬品の販売促進や処方推奨を目的とするものではありません。

 

肥満症治療について

肥満症治療の目的は、減量ではなく、減量により肥満に関連する健康障害を改善することです。肥満症治療は、肥満症と診断された方を対象としたもので、合併症の予防や改善を目的とする医療です。美容・痩身のためのダイエットなどを目的として行われるものではありません。肥満症治療薬等については、医師による診断のもと、電子添文の内容を遵守の上、適正な使用をいただくようご協力をお願いしています。肥満症の診断・治療方針については、必ず医師にご相談いただけますようお願い申し上げます。

日本イーライリリーについて

日本イーライリリー株式会社は、米国イーライリリー・アンド・カンパニーの日本法人です。日本の患者さんが健康で豊かな生活を送れるよう、日本で50年にわたり最先端の科学に思いやりを融合させ、世界水準の革新的な医薬品を開発し提供してきました。現在、がん、糖尿病、アルツハイマー病などの中枢神経系疾患や自己免疫疾患など、幅広い領域で日本の医療に貢献しています。詳細はウェブサイトをご覧ください。https://www.lilly.com/jp

田辺ファーマについて

田辺ファーマは、1678年に創業、日本の医薬品産業発祥の地である大阪の道修町に本社を置き、医療用医薬品事業を中心とする製薬企業として、最も歴史ある老舗企業の一つです。当社は、「病と向き合うすべての人に、希望ある選択肢を。」をMISSIONとし、これを実現するため、中枢神経、免疫炎症、糖尿病・腎領域に加え、がん領域にも取り組んでいきます。有効性・安全性が高い患者層を見出し、治療満足度の高い薬剤をお届けする「プレシジョンメディシン」の他、予防・未病、重症化予防、予後にも目を向け、治療薬を起点に患者さんの困りごとに応える「アラウンドピルソリューション」を展開していきます。

https://www.tanabe-pharma.com/ja/

References:

1:厚生労働省 国民健康・栄養調査(令和5年):https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001338334.pdf

2:日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン 2022」p3,4:https://www.jasso.or.jp/data/magazine/pdf/medicareguide2022_05.pdf

==参考資料== 12月10日イベント開催レポート 

 

「肥満と肥満症のただしいミカタ研修」を、初めて一般向けとして開催しました!

健康経営に取り組む企業から計11社32名が参加し、職場から社会へ理解の輪を広げる第一歩となりました。

2025年12月10日(水)に開催した研修イベントには、健康経営やウェルビーイングの推進に取り組む企業の人事担当者、保健師、社員など計11社32名が参加。前半のワークショップでは活発なディスカッションが行われ、医師による疾患解説では専門的な視点から肥満症について理解を深める機会となりました。参加者からは、楽しく学べ、かつ健康な職場づくりの参考になった、などの声が寄せられました。

<当日の内容>

●    ワークショップ①「みえない偏見カード」を使ってディスカッション

参加者は「みえない偏見カード」を順番に引き、カードに示された日常場面をきっかけに、それぞれの捉え方や経験を共有しました。映画・食事・テレビ・職場・家族・SNSなど身近なシーンを題材にしたカードを基に、参加者同士が自らの認識や視点の違いを踏まえて議論を展開。日常に潜在する肥満や肥満症に対する偏見について振り返る時間となりました。

●    ワークショップ②「みえない要因すごろく」で肥満症の多角的な要因を理解する

続いて行った「みえない要因すごろく」では、遺伝子の影響(遺伝)やストレス、車移動やデスクワーク中心の生活、労働時間の長さや深夜勤務の多さなど、多様な背景が重なり合う過程についてキャラクターカードを手元に置きながら疑似体験し、個人の努力だけでは解決し難い側面について理解を深めました。

●    医師による疾患解説で肥満や肥満症について「ただしく」学ぶ

ワークショップ後には、本研修プログラムを監修した神戸大学大学院医学研究科 橋渡し科学分野 代謝疾患部門 特命教授/一般社団法人日本肥満学会 常務理事の小川 渉先生が登壇。肥満と肥満症の違いや、肥満症は保険診療の対象となる、治療が必要な疾患であること、そして、「肥満=自己管理の問題」という社会的スティグマが存在し、肥満症の適切な治療の妨げとなっている可能性があることなどについて、医学的な観点からお話がありました。

<参加者からのコメント>

当日の参加者からは次のような声が寄せられ、肥満症に対する理解を変えていくための第一歩となりました。

「自己管理や生活習慣だけの問題だと思い込んでいたが、肥満症は保険診療の対象となる治療が必要な“病気”であると理解が深まった。医学的な視点を知ることで、適切な治療につながる環境づくりの重要性を実感した。」

「職場や家族、周囲の人との日常的な会話の中にも、無意識の偏見が潜むことを実感した。どのように声をかけ、支えていくべきかを考えるきっかけになった。今日の学びを日常のコミュニケーションに生かしたい。」

「肥満や肥満症の要因には、社会的・心理的背景を含む複合的な要因があることを知り、職場としても理解を深める意義を感じた。職場での健康づくりにおいても、社員が安心して相談できる環境づくりに生かせる学びになった。」

「日常の身近な場面に偏見やスティグマが潜んでいることに気づき、こうした理解が広がることが当事者にとってより良い環境づくりにつながると感じた。」

「カードのワークでは“あるある”と共感しながら議論が盛り上がり、楽しみつつ偏見について考えることができた。すごろくでは、肥満症に関わる複合的な要因を理解できた。カードとすごろくを通じた体験型の研修により、自分ごととして捉えやすく、理解が深まる研修だった。」

「参加者同士の議論を通じて、自分にはなかった視点や経験に触れられ、大きな学びとなった。」

<参加企業(一部、順不同)>

<当日の様子>

参加者がワークショップを実施する様子や小川 渉先生による疾患解説の様子

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会社概要

田辺ファーマ株式会社

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URL
https://www.tanabe-pharma.com
業種
製造業
本社所在地
大阪府大阪市中央区道修町3-2-10  
電話番号
06-6205-5119
代表者名
原田 明久
上場
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資本金
-
設立
1933年12月