【HR総研】「人的資本価値」の最大化に向けた「キャリア自律」の課題に関する調査結果を公開
~大企業の6割以上で「キャリア自律」を推進、効果が出ている企業の特徴とは?~
先の読めないVUCAの時代において、人的資本価値を最大限に引き出し企業価値の持続的向上(創造)に繋げていくため、従業員が自身のキャリアを主体的に形成していく「キャリア自律」を推進する企業が増えています。従業員のキャリア自律を効果的に推進するにあたり、企業は従業員にどのような支援が必要で、そのためにどのような課題を克服する必要があるのでしょうか。
本レポートでは、「キャリア自律の推進」の状況や、キャリア自律社員の割合によって異なる取組み状況、組織が抱える課題などについて、フリーコメントを含めて、調査の結果をご報告いたします。
【調査概要】
アンケート名称:【HR総研】「人的資本価値の最大化に向けたキャリア自律の課題」に関するアンケート
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2023年5月29~6月9日
調査方法:WEBアンケート
調査対象: 企業の人事責任者・担当者
有効回答:204件
【調査結果サマリー】
●推進する企業は多数派の一方、キャリア自律社員は少数派
●社員個人にとってのメリットは「パフォーマンス向上」、キャリア自律社員が多い企業の特徴は?
●既に得られている効果は「仕事へのモチベーション向上」が最多
●大企業では研修や「社内FA・公募」、「中小企業では評価・処遇」を対策
●組織目標と社員のキャリアプランのミスマッチへの懸念、対応に苦戦
●キャリア自律を見込んだ採用の視点とは?
●キャリア自律の推進企業で進むジョブ型雇用、パーパス共感との関係性とは?
<<<調査データより一部抜粋してご紹介いたします>>>
▼社員の「キャリア自律の推進」の状況
推進する企業は多数派の一方、キャリア自律社員は少数派
企業における社員の「キャリア自律の推進」の状況を企業規模別に見てみる。
従業員数1,001名以上の大企業では、「ある程度取り組んでいる」が最多で28%、「積極的に/少し取り組んでいる」がともに17%で、これらを合計すると「取り組んでいる」(以下同じ)の割合は62%と6割以上となっている。また、「取組みに向けた検討をしている」(24%)まで合わせると、「前向きに対応している」(以下同じ)の割合は86%と9割近くにも上っている。
301~1,000名の中堅企業では「取り組んでいる」は39%で4割、「前向きに対応している」は71%と7割で、大企業よりは割合が低いが前向きな企業が大多数となっている。300名以下の中小企業でも、中堅企業と同様に「取り組んでいる」は40%、「前向きに対応している」は62%と多数派となっている。
▼社員の「キャリア自律」の推進開始時に懸念していたデメリット
組織目標と社員のキャリアプランのミスマッチへの懸念、対応に苦戦
「キャリア自律」の推進を開始した、もしくは検討し始めた当初に懸念していたデメリットについては、「組織目標と社員のキャリアプランのミスマッチ」が最多で28%、次いで「関連コストの増加」と「優秀人材の離職増加」がともに26%などとなっている。
▼組織目標と社員のキャリアプランのミスマッチが生じたときの対応(一部抜粋)
【HR総研 客員研究員からの分析コメント】
曽和 利光氏
株式会社人材研究所 代表取締役社長 /日本採用力検定協会理事 /日本ビジネス心理学会理事 /情報経営イノベーション専門職大学 客員教授/HR総研 客員研究員
「自由にやりなさい」と突き放すことがキャリア自律ではない
日本人は、「自分がこうなりたい」という自己実現欲求よりも、「人の役に立ちたい」という貢献欲求の強い人が比較的多いのではないか。それは本調査で社内でのキャリア自律への前向きな社員が少なさにも顕著に現れているように思う。
つまり、企業側は「自分のキャリアは自分で作る。やりたいようにキャリアを歩んでほしい」と親心のような思いでキャリア自律を促進しようとしているが、社員の側は「いや、自分は特にこういうキャリアでなければないということはないのです。何をしたらうれしいですか?」と考えているという、すれ違いが生じている。それが、本調査にて各社でキャリア自律施策の効果が現時点ではまだあまり出ていない根本原因ではないか。
企業側の考える「やりたいことをやれたら社員は幸せなのでは」ということ自体は正論だが、そのやりたいことの中身が「貢献」や「期待に応えること」であったならば、本来すべきことは自由にさせることではなく、適切な要望をすることだ。「うちの会社や事業の状況はこう。あなたの能力や性格、価値観はこう。だからあなたにはこういうミッションを担ってくれないか」という要望がきちんとできていないなら、「組織目標と社員のキャリアプランがミスマッチ」が不安の第一位となっているのも当然だろう。
自由にさせれば自律性が生まれるわけではなく、企業側が個々人に合った要望をしていくことで、その反応として自律性は生まれる。要望が刺激となって、「それは面白そうなミッションですね。ぜひやってみたい」とか「いや、それだったら、自分はこういうことがしたいです」とか考えるようになる。要望することなしにキャリア自律を促す施策をいくらいれても、バラバラに拡散するか、単に足が止まるかにしかならないのではないだろうか。
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▶【HR総研】「人的資本価値の最大化に向けたキャリア自律の課題」に関する調査結果
https://www.hrpro.co.jp/bc.php?id=59321
https://prtimes.jp/a/?f=d41222-48-c0e474c0c1657ae0959b667ba37103e7.pdf
▶過去のHR総研のレポート一覧はこちら
https://www.hrpro.co.jp/bc.php?id=52994
▶HR総研の各調査のマンスリーレポートなどホワイトペーパーはこちら
https://www.hrpro.co.jp/bc.php?id=52995
※本レポート内容は、引用、参照いただけます。
下記要項にてお問合せ先までご連絡をお願いいたします。
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・目的
※HR総研では、当調査に関わる集計データのご提供(有償)を行っております。
詳細につきましては、下記までお問合せください。
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■お問い合わせ先
HR総研(ProFuture株式会社内)
担当 : HR総研 久木田・高槻
E-mail: souken@hrpro.co.jp
HR総研サイト:https://www.hrpro.co.jp/hr_research_institute.php
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■会社概要
企業名 : ProFuture株式会社
代表者 : 代表取締役社長CEO 寺澤 康介
所在地 : 〒100-0014東京都千代田区永田町2-14-2 山王グランドビル5階
設立 : 2007年7月
事業内容 : 人事ポータルサイト『HRプロ』、CMS・MA一体型ツール『Switch Plus』、
人事担当者・経営者向けイベント『HRサミット』の開催などメディア事業、
イベント事業、ソリューション事業、人事関連の研究
URL : https://profuture.co.jp/
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