世帯収入の92%を食費に回さざるを得ないほど食料不足が深刻なアフガニスタン。命をつなぐため、3か月分の食料配付を1,729人に。
アフガニスタンの中でも人々が置かれている状況が深刻なバーミヤン県。実績のあるNGO・ADRAが、支援を最も必要としている方々への食料・衛生用品を配付のほか、衛生・栄養啓発に取り組む活動を開始
認定NPO法人ADRA Japan (アドラ・ジャパン、 所在地:東京都渋⾕区神宮前1-11-1 理事長:柴⽥俊生)は、アフガニスタン・バーミヤン県において、3月31日より食料・衛生用品の配付および衛生・栄養啓発を開始します。十分な食べ物や水、衛生用品を手に入れることができない方々に寄り添い、必要な支援を届けます。
アフガニスタンでは、2021年8月にタリバンが政権を掌握して以来、国際支援の撤退、社会経済の混乱、干ばつや地震などの自然災害、新型コロナウイルスの感染拡大の影響等により、人道危機が深刻化しています。
人口4,000万人のうち約97%が、1日あたり1.9ドル未満で生活しており[1]、失業、現金の不足、物価の高騰により、新たに飢餓の危機に直面する人々も増えています。平均的に世帯収入の92%が食料に充てられている状況[2]で、人口の半分以上にあたる2,280万人が十分な食料を得ることができていません。栄養不良状態の子どもの数は300万人を超えています[3]。
国は経済崩壊の危機に瀕しており、食料価格も上昇しているため、人口の60%以上にあたる2,440万人が、命をつなぐために人道支援に頼らざるを得ない状態です[4]。
その中でも、南北を山に囲まれた中央高地に位置するバーミヤン県に暮らす人々は、とりわけ厳しい状況に置かれています。地理的な条件に加え、住民の多くが少数民族のハザラ族であるという社会的な背景もあり、支援が届きにくい地域となっています。
バーミヤン県では、生後6か月から5歳未満の子どものうち5人に2人が慢性栄養不良の状態にあり、妊娠・授乳中の女性も5人に1人以上が栄養不良とされています[5]。収入のほとんどを食料に費やさざるを得ないため、女性の生理用品など、必要物資の入手も難しくなっています。
また、県内の99%の世帯が生活のために必要な水を十分に使用することができません。水を使える世帯についても、52%が汚れた河川などの水を利用しているため、健康状態が悪くなってしまっています。
ADRAは、アフガニスタンでは2002年より活動を開始して以来、家を失ってしまった方々への食料やシェルター支援のほか、寒い冬を乗り切るための越冬支援、子どもたち、特に女子の教育環境を整える学校建設や衛生啓発活動等に取り組んでおり、今必要とされている分野の支援活動にも実績があります。
今回の支援は、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム(東京都千代田区)の助成を受け、2023年3月31日より、厳しい状況に置かれているバーミヤン県の人々に食料と衛生用品を配付し、同時に衛生・栄養啓発に取り組みます。
具体的な支援の内容は下記のとおりです。
(1) 食料配付について
ほとんどの人が十分な食料を得られていない状況の中、バーミヤン県バーミヤン地区で生活する人々のうち、限られた資源・収入で暮らす人々や国内避難民世帯、女性と子どものみの世帯など、最貧困状態にある247世帯(1,729人)に対し、3か月分の基本的な食料(小麦粉100Kg、植物油10L、豆類10Kg、塩1Kg)を配付し、命をつなぐための必要不可欠な支援に取り組みます。
(2)衛生用品の配付及び衛生・栄養啓発について
慢性的な栄養不足と、食料以外のものを買うことができない状況の中、病気にかかるリスクを軽減するため、(1)の食料を配付する世帯の女性247名に向け、衛生用品の配付と衛生・栄養啓発に取り組みます。手洗いや正しい食品の保存方法、水のろ過や処理の方法など、日々の生活の中で実行できる知識を普及し、困難な状況にある人々が少しでも健康を守れるようにサポートします。
[1] ADRA Afghanistan, 14 August 2022, Situation Report No. 2(内部資料)
[2] WFP, November 2022, WFP Afghanistan Situation Report p.1
https://reliefweb.int/report/afghanistan/wfp-afghanistan-situation-report-21-november-2022
[3]WFP, January 2023, Afghanistan Emergency Dashboard
https://reliefweb.int/report/afghanistan/wfp-afghanistan-emergency-dashboard-january-2023
[4] OCHA, 8 January 2022, Afghanistan Humanitarian Needs Overview. p.7
https://reliefweb.int/report/afghanistan/afghanistan-humanitarian-needs-overview-2022-january-2022
[5] Action Against Hunger, June 2021, Integrated Nutrition and Mortality SMART Survey Final Report, Bamyan Province, Afghanistan, 03rd to 12th April, 2021 p.9
https://reliefweb.int/report/afghanistan/integrated-nutrition-and-mortality-smart-survey-final-report-bamyan-province
■■■認定NPO法人 アドラ・ジャパンについて■■■
アドラ・ジャパン(ADRA Japan)は、世界中約120ヶ国に支部を持つ世界最大規模の国際NGO、ADRAの日本支部です。各国ADRA支部や国連等のパートナー団体と連携し、「ひとつの命から世界を変える」をモットーに人種・宗教・政治の区別なく、紛争や自然災害の被災地また途上国において、一人ひとりに寄り添い、自立を助ける支援に取り組んでいます。
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