セルリソーシズ株式会社によるENCell Co., Ltd.との戦略的パートナーシップ契約締結について
当社の子会社であるセルリソーシズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:有田孝太郎、 以下「セルリソーシズ」)は、ENCell Co., Ltd. (本社:大韓民国ソウル特別市、CEO:Jong Wook Chang、以下「ENCell」)との間で、事業拡大と技術力向上を目的とした戦略的パートナーシップ契約を締結いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
記
1.契約締結の背景と目的
社会インフラとして医薬品等の安定供給を担うアルフレッサグループは、再生医療等製品においても原料提供から医療機関への配送までの一貫した供給体制を確立し、「再生医療TSCS※1(トータルサプライチェーンサービス)」の構築を推進しています。アルフレッサグループで再生医療関連事業を行うセルリソーシズは、国産の細胞原材料(マスターセル)の提供や細胞加工物の製造、および国内外のアライアンスパートナーとの提携等を通じて、包括的CDMO※2サービスの提供体制の構築を進めております。
一方、ENCellは韓国を拠点とする細胞・遺伝子治療分野の大手CDMO企業であり、バイオ医薬品のプロセス開発、GMP製造、品質管理サービスなど包括的なCDMOサービスを提供し、韓国のバイオ企業からグローバル製薬企業まで幅広く支援しています。加えて、自社パイプラインとしてシャルコー・マリー・トゥース病(CMT)※3、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)※4、サルコペニア※5を対象とした、次世代の間葉系幹細胞(MSC)療法「EN001」の開発も進めています。
今回の契約締結によりセルリソーシズは、両社の特徴を活かした戦略的パートナーシップのもと、再生医療分野における事業拡大と技術力向上を目指してENCellとの協業を推進します。セルリソーシズはENCellのパイプライン「EN001」を日本国内の製薬企業等へ紹介し、パートナー候補企業との連携機会の創出を支援します。ENCellはセルリソーシズに対し、再生医療市場や事業戦略等に関する専門的なアドバイザリーサービスや、CAR-T※6やMSCなどの細胞を用いた製造に関する技術支援を実施し、先端医療分野での競争力強化を支援します。また、両社は相互に顧客紹介を行い、それぞれの市場における新たなビジネス機会の創出を図ります。これらの取り組みを通じて、両社は再生医療分野における製品・サービスの提供体制を一層強化し、患者様への新たな治療選択肢の拡大と医療の発展に貢献してまいります。
※1 TSCS:アルフレッサグループ全体で保有する様々な機能を有機的に一体活用することで、シームレスなサプライチェー
ンを確立し、医薬品等の導入・開発、製造から、物流・販売、市販後調査・ラストワンマイルまでをグループ一体となっ
て提供することを指しています。
※2 CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization):医薬品の製造工程の開発から、治験薬や商用製
造までを受託する機関
※3 シャルコー・マリー・トゥース病(CMT):1886年にCharcot、Marie、Toothの3人によって報告された遺伝子変異に
よる末梢神経疾患の総称で、四肢遠位部優位の筋力低下や感覚低下などを主な症状とする指定難病
※4 デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD):骨格筋の壊死・再生を主な症状とする筋ジストロフィーの1つで、X染色体
に存在するジストロフィン遺伝子の変異によって小児期に発症するものを指します。
※5 サルコペニア:加齢などが原因で筋肉量が減少したり筋力が低下したりする疾患
※6 CAR-T:患者様自身のT細胞を、遺伝子操作により改変し、がん細胞の表面に存在する特定のタンパク質を標的とするキ
メラ抗原受容体(CAR)を発現させた免疫細胞
2.提携の内容
(1)セルリソーシズによるパートナー候補企業の紹介
セルリソーシズは、ENCellのパイプライン「EN001」を日本国内の製薬企業等に紹介します。
(2)ENCellによるアドバイザリーサービス
ENCellは、セルリソーシズに対し、再生医療分野の市場分析、事業戦略、施設運営、製造能力、デューデリジェンス等、事業開発に関するアドバイザリーサービスを提供します。
(3)ENCellによるセルリソーシズへの技術支援サービス
セルリソーシズは、ENCellに対し、技術アドバイザリーサービスを依頼することができ、ENCellはサービスを提供します。
(4)相互の顧客紹介
両社は、それぞれの市場においてCDMOサービスを求める製薬・バイオ企業を、優先的に相手方へ紹介します。
3.ENCellについて
ENCellは、2018年にサムスン医療センター発の韓国を代表する細胞・遺伝子治療(CGT)のCDMOであり、韓国のCGTにおけるCDMO市場で約60%のシェアを占め、韓国のバイオ企業に加え、グローバル製薬企業を顧客としています。同社は、3つのGMP※7施設を運営し、幹細胞、CAR-T、NK細胞、エクソソームなどの細胞治療から、レンチウイルスやアデノ随伴ウイルス(AAV)を用いた遺伝子治療まで、ワンストップで製造可能です。さらに、サムスン医療センターと連携してCMT治療の臨床試験を進めています。
※7 GMP(Good Manufacturing Practice):原材料受入から包装・出荷までの医薬品製造の全工程で品質を保証するため
の省令
4.日程
(1)契約締結日:2025年12月1日
(2)提携の開始日:2025年12月1日
5.今後の見通し
本件による今期(2026年3月期)業績へ与える影響は、現時点では軽微であると見込んでおりますが、中長期的には当社グループの企業価値向上に資するものと考えております。
今後、本件に関して開示すべき事項が生じた場合には速やかにお知らせいたします。

【写真左】ENCell CEO Jong Wook Chang
【写真右】セルリソーシズ 代表取締役社長 有田 孝太郎
以上
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