小林製薬工場の青かび問題 「収去なき原因究明」―― 大阪市はなぜ小林製薬の“任意提供”検体だけに依拠したのか
食品衛生法が定める収去(強制採取)を経ず、原因企業自身が提供した検体のみで原因究明を進めた手続きに疑問を呈する 開示文書2026/7/22より
大阪市保健所は、紅麹関連製品による健康被害事案の原因究明において、鍵となる青カビ検体を、原因企業と目される小林製薬からの“任意提供”によって入手していたことが、これまでの情報公開請求により判明しています。当社(株式会社薫製倶楽部、代表:森雅昭)は、この手続きの妥当性について大阪市に説明を求めます。
① 食品衛生法が定める「収去」という原則
食品衛生法28条は、食中毒等の原因究明のために、行政が自ら検体を収去(強制的に採取)する権限を定めています。原因企業と疑われる事業者からの任意提供に依拠するのではなく、行政自身が検体を採取・管理することで、客観性と第三者性を担保する仕組みです。
とりわけ、提供元の企業が自ら原因究明の対象となっている場合、収去によらず任意提供のみに依拠することは、検体の選別・保管・同一性(チェーンオブカストディ)を第三者が検証できないという構造的な問題を生みます。
② これまでに判明している事実
・大大保第8562号:大阪市が収去(食品衛生法28条)を実施したことを確認する文書は存在しないと回答
・大大保第8639号:原因究明に用いられた検体は小林製薬提供のもののみであることが判明
・検査依頼書(令和6年7月17日起案):小林製薬中央研究所(大阪府茨木市)から「分与株No.1〜7」(P. adametzioides×6、M. pilosus×1)が任意提供され、同日大阪健康安全基盤研究所へ搬入されたことを確認。この検体がどの工場(大阪/和歌山)に由来するかの記載は、当該文書には一切ない
・大阪市担当者への確認:令和6年3月末〜4月の回収命令(食品衛生法上の行政処分)の時点では、大阪市はプベルル酸を原因物質として特定していなかったことを口頭で認めている
③ なぜこの手続きが問題か
以上を組み合わせると、次のような構造が浮かび上がります。
・原因物質が未特定のまま、まず回収命令という行政処分が先行して行われた
・その後の原因究明の核心部分(青カビ検体の同定・産生確認)は、収去ではなく原因企業自身が任意に提供した検体に依拠している
・任意提供である以上、どの検体を・いつ・どこで採取して提供するかは提供元の裁量に委ねられており、行政が独立した手続きで検体の同一性を管理した記録は見当たらない
原因究明の科学的な結論が、原因企業自身が選んで提供した検体のみに支えられているとすれば、それは行政処分の根拠として十分な客観性を備えていると言えるのか、疑問が残ります。
④ 私たちの立場
私たちは薬剤師であり、食品を扱う事業者として、科学的根拠に基づいた行政運営を求めています。原因究明においては、企業からの任意提供に依拠するのではなく、行政自らが収去によって検体を確保し、独立した検証を行うことが原則であるべきだと考えます。
なぜ収去によらず任意提供という形が取られたのか、その判断の経緯について、大阪市には改めて説明を求めます。
本件に関する問い合わせ
株式会社薫製倶楽部(担当:森)
TEL:086-483-0602 / E-mail:sales@kunsei.co.jp
https://kunsei.com/archives/category/benikoji

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