あしなが高校奨学金、過去最多1878人を採用も、なお4割の1339人に支援届かず|格差拡大・物価高に苦しむ遺児家庭

10月18日から全国136か所で「あしなが学生募金」 10/11に新宿でオープニングセレモニーを実施

あしなが育英会

遺児や親に障がいがある子どもを支援する一般財団法人あしなが育英会(本部:東京都千代田区、会長:村田治)は、2025年度の「あしなが高校奨学金」(月3万円給付)の採用状況を公表します。25年度は過去2番目に多い3217人が申請し、過去最多の1878人を奨学生に採用しました。この奨学金ニーズの高さの背景には、物価高や格差の拡大などがあるとみられます。

申請者の増加に奨学資金が追いつかず、24年度の採用率は過去最低の44.1%と低迷していました。遺児学生が中心となって毎年4月と10月におこなう「あしなが学生募金」では、この窮状を強く発信し、支援を呼びかけてきました。

25年度の申請者は過去2番目に多い3217人で、依然として高い水準にあります。しかし、これまでの街頭募金をきっかけに多くの支援をいただけたおかげで、25年度は過去最多の1878人を奨学生として採用でき、採用率は14.3ポイント増の58.4%まで上昇しました。

あしなが高校奨学金の採用状況の推移

しかしながら、いまだ41.6%にあたる1339人は、物価高に苦しみながらも支援を受けられていません。また現在本会が進めている奨学生世帯調査には、54.5%(速報値)もの保護者が過去1年間に食料を買えなかった経験があると回答しており、深刻な貧困と経済的支援の必要性が伺えます。

あしなが育英会の大学奨学生を中心に組織されるあしなが学生募金事務局(事務局長:谷岡奈央=熊本県立大学4年)は、10月18日から「第110回あしなが学生募金」を、全国136か所で実施します。各地での実施に先立ち、10月11日には新宿でオープニングセレモニーを開催します。7月5日に急逝したあしなが運動創始者の玉井義臣の遺志も引き継ぎ、申請者の4割に支援を届けられていない現状を変えるべく、支援を呼びかけます。

 第110回あしなが学生募金 実施要項

主催:あしなが学生募金事務局

協力:一般財団法人あしなが育英会

募金使途:2分の1を日本国内の病気・災害・自死遺児と親に障がいがある子どもの奨学金、2分の1をサブサハラ・アフリカ49か国の遺児の高等教育支援費として、あしなが育英会に寄付

日程:2025年10月18日(土)、19日(日)、25日(土)、26日(日) ※一部実施場所は別日程 

場所:全国47都道府県の136か所の主要駅頭・街頭(あしなが学生募金ウェブサイトに掲載) 

今年4月の「第109回あしなが学生募金」

第110回あしなが学生募金オープニングセレモニー

翌週から全国で始まる街頭募金の開始を、学生約30人がPRします。セレモニーでは、遺児家庭の苦境や厳しい採用状況を社会に発信するとともに支援を募って参ります。

日時:10月11日(土)11:30~12:00

場所:JR新宿駅南口改札前歩道

あしなが高校奨学金について

・病気・災害・自死遺児(交通事故以外)で親を亡くした、または親に障がいがある高校生・高専生が対象

・月額3万円を給付(返還不要)

・現在4186人に交付(2025年9月1日現在)

  • 高校奨学金の申請状況の推移

2023年度

2024年度

2025年度

申請者数

2630人

3487人

3217人

採用者数

1169人

1538人

1878人

採用率

44.4%

44.1%

58.4%

保護者の2人に1人が食料を買えない、3人に1人が公共料金等滞納の経験あり

あしなが育英会は現在、東京都立大学子ども・若者貧困研究センター(阿部彩センター長)と共同で、高校奨学生3487世帯を対象にした生活実態調査を進めています。速報値*ではありますが、54.5%もの保護者が過去1年間に食料を買えなかった経験があった、33.8%の保護者が過去1年間に公共料金や家賃、税金などを滞納した経験があったと回答しています。奨学生世帯の深刻な貧困と、経済的支援の必要性が伺えます。

*オンライン回答と郵送回答のうち、オンライン回答1447件のみを分析。郵送回答は集計中。調査結果は2025年11月下旬に公表予定。

  

アフリカ遺児高等教育支援100年構想について

あしなが学生募金でいただいたご寄付の2分の1は、サブサハラ・アフリカの遺児の高等教育支援費として使われます。「あしながアフリカ遺児高等教育支援100年構想」は、サブサハラ・アフリカ地域49か国の優秀かつ経済的に進学が困難な遺児学生の世界の大学への留学を支援し、アフリカの未来を担う若者を育てる構想です。これまでの11年間で400人以上の遺児が大学進学を果たしました。

あしなが学生募金について

あしなが育英会の大学奨学生を中心に組織される学生団体「あしなが学生募金事務局」が主催。1970年以来、毎年4月と10月に全国で遺児の奨学金を募る街頭募金を実施してきた。当初は交通遺児を支援していたが、時代とともに支援対象を広げ、現在は病気・災害・自死遺児(交通遺児以外)と親に障がいがある子ども、そしてサブサハラ・アフリカの遺児を支援している。これまでに122億円のご寄付が寄せられ、遺児たちの進学の夢を後押ししてきた。

本部:東京都千代田区平河町2-7-5 砂防会館本館4階 

事務局長:谷岡 奈央(熊本県立大学4年)

実績報告: 前回第109回募金(街頭募金は2025年4月実施。振込等によるご寄付は25年2月~7月に受付)では、8710万1246円の浄財を頂戴しました。

街頭募金以外でのご寄付:郵便振替口座 00140-4-187062 加入者名「あしなが学生募金事務局」にて受付

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会社概要

あしなが育英会

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URL
https://www.ashinaga.org
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都千代田区平河町2丁目7番地5号 砂防会館本館4階
電話番号
03-3221-0888
代表者名
村田 治
上場
未上場
資本金
-
設立
1993年04月