商慣習見直しによる食品ロス削減の取り組み事業者を公表
加工食品の納品期限の緩和(3分の1ルールの見直し) 240社 (前年比54社増)
賞味期限表示の大括り化 267社 (前年比44社増)
賞味期限の延長 182社
安全係数を80%以上で設定 174社
フードバンクへ食品を提供等 243社
賞味期限表示の大括り化 267社 (前年比44社増)
賞味期限の延長 182社
安全係数を80%以上で設定 174社
フードバンクへ食品を提供等 243社
広がる食品ロス削減への取り組み――納品期限・賞味期限の見直し、フードバンクとの連携の状況
世界で環境問題への対応が急務となっています。とりわけ食品ロスはSDGs、物価高、貧困、脱炭素など多方面に関わっており、流通業が食品ロス削減やその要因となる商慣習を見直すことは、社会課題・環境問題の解決にとり重要です。たとえば食品ロス発生要因の一つとされる加工食品の店舗への納品期限緩和により、飲料と賞味期限180日以上の菓子だけで全国で約4万トン(約80億円)の食品削減につながると試算されています。
近年、消費者の環境問題や事業者のSDGsへの取り組みに対する関心が高まり、商慣習見直しが広がっています。しかし一部の事業者が取り組むだけでは商慣習見直しによる食品ロス削減効果は限定されます。そこで、より多数の流通業の取り組みと消費者理解の拡大のため、食品ロス削減のための商慣習見直し検討ワーキングチームは商慣習見直しなどにより食品ロス削減に取り組む事業者名を公表しております。今般、令和4年10月時点の取り組み事業者を公表します。
1 加工食品の納品期限を緩和している小売業 240社(前年比54社増)
納品期限とは店舗に納入することができる商品の鮮度の基準のことです。納品期限を過ぎると納入ができず、返品や廃棄が生じやすくなります。納品できない商品の代わりとなる商品の生産を追加的に行う場合もあり、食品ロスや物流における負担増加の一因とされます。日本ではこれまで納品期限は「賞味期限の2/3残し」(いわゆる1/3ルール)が一般的でした。
食品ロス削減のための商慣習見直し検討ワーキングチームではこの納品期限の緩和に取り組んでおり、食品ロス削減という社会的責任から、取り組む小売業も増えており、前年から54社増加となりました。下記には令和4年10月時点の取り組み事業者を本社所在地別に掲載しています。
2 平成24年以降に賞味期限を延長したメーカー等 182社
賞味期限の延長によって、在庫や消費のための期間が長くなり、食品ロス削減につながります。メーカー等では包装や製法を工夫し、安全確保の上でいかに賞味期限を延長できるか、日々研究を重ねています。以下は平成24年以降に賞味期限延長を実施している事業者です。
3 賞味期限表示を大括り化したメーカー等 267社(前年比44社増)
賞味期限を「日付」ではなく「月」や「旬」で表示することを「大括り化」といいます。細かい日別管理でなくなることから納品期限切れを回避して出荷できる機会が拡大し、食品ロスの削減につながります。また、検品時間が減り積み下ろし時間が減ることでトラックの回転率向上や、月別管理となり倉庫スペースの効率化やトラック積載率向上も期待されます。人手不足が深刻なトラックドライバーや店舗スタッフの負担軽減のほか、消費者の鮮度意識を助長しない効果もあります。
4 安全係数を80%以上で運用しているメーカー等 174社
安全係数とは賞味期限の実力値にかける一定の係数率のことで、乗じた結果が商品の賞味期限日数になります。事業者が決定しますが、安全係数を過度に低くすることなく、一定水準以上で設定できれば賞味期限が長くなり、流通や販売・消費のための期間が延びて、食品ロス削減には有効です。国は80%以上での運用を推奨しています。
5 フードバンクへの食品提供等を行っているメーカー・卸・小売業等 243社
フードバンクへの余剰食品の提供は、食品を必要とする人々のために役立てられることに加え、食品廃棄のための費用や環境負荷を抑制します。地域貢献の意義も大きい取り組みであり、フードバンクとの連携強化より食品を無駄にしないことは従業員の心理面に好影響を与えるとされます。
資料 商慣習見直し取り組み事業者の一覧 ※取り組み事業者のうち社名公表許諾社名を掲載
納品期限緩和小売業一覧 2022年10月現在
平成24年以降に賞味期限を延長したメーカー等一覧 2022年10月現在
賞味期限表示を大括り化したメーカー等一覧 2022年10月現在
安全係数を80%以上で運用しているメーカー等 2022年10月現在
フードバンクに食品を提供等行っている事業者(食品メーカー等) 2022年10月現在
フードバンクに食品を提供等行っている事業者(小売業等) 2022年10月現在
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